
「古くなった住宅設備や内装を一新したい」
「間取りを変えて理想の住まいを手に入れたい」
そんな希望を叶えてくれるリフォームは期待が膨らむ半面、思わぬ落とし穴が潜んでいることもあります。1000件以上の住まいを取材し、自身も築37年の中古一戸建てのリノベーションを行った“暮らしのジャーナリスト”の高橋洋子さんに、起こりやすい失敗とその事前対策を教えてもらいました。
そんな希望を叶えてくれるリフォームは期待が膨らむ半面、思わぬ落とし穴が潜んでいることもあります。1000件以上の住まいを取材し、自身も築37年の中古一戸建てのリノベーションを行った“暮らしのジャーナリスト”の高橋洋子さんに、起こりやすい失敗とその事前対策を教えてもらいました。
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リフォームやリノベーションの失敗「第一位」は業者選び。「知り合いから紹介されたから」「急いでいたから」などの理由でよく調べずに決めた結果、「やりたいことができなかった」「センスが合わず、イメージとはかけ離れた家になってしまった」など、せっかくリフォームをしたのに不満だらけで、住まいへの愛着が持てないと嘆く人もいるそうです。
「同じリフォーム会社でも、『モダンなデザインに定評がある』『自然素材に特化している』など得意分野があるため、会社概要や施工事例などをチェックして自分の希望が叶えられるのか吟味しないと、ボタンの掛け違いが起こってしまうのです。わが家の場合も、手始めに地元の工務店に相談したところ、建物の状態を聞いて『ウチではとても手に負えない』とあっさり断られました」
自分たちに最適な業者を探すには、リフォーム会社の検索サイトを活用するのが一つの方法です。たとえば、「LIXILリフォームネット」には、全国1万店のリフォーム施工店が登録されて、サイト上で施工事例も閲覧可能。また、最大8社から概算の見積もりを取って比較検討できる「リフォームコンタクト」というサービスも実施しています。
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「依頼したい業者が絞られてきたら、最低でも3社から詳しい見積もりを取りたいですね。私が取材した中には、11社から見積もりを取って、ベストな1社を選んだという人もいました。専門家による現地調査の様子や具体的なプランの相談をしていく中で、提案力、技術力、対応力を推し量ることができます」複数の会社とやりとりするにはかなり時間と労力がかかりますが、この段階で信頼できる業者を見つけられれば、「こんなはずじゃなかった」という失敗は防ぎやすくなるばかりか、後々の打ち合わせ回数も減らせるそうです。
大満足のリフォームができたとしても、その先にはまだ落とし穴は潜んでいます。「住み始めて数年で水道管から水漏れしたり、立て付けに不具合が出たりといったトラブルが起きることはままあります。リフォームした会社に修繕を依頼したところ『うちは対応してない』と断れてしまうケースや、直してはくれたものの高い費用を取られたというケースもありますね」
新築物件は、住宅品質確保促進法によって、引き渡しから10年間の瑕疵の保証がありますが、リフォームは会社任せのため対応はまちまち。保証期間を設けていない業者もあり、その場合は民法に基づく1年間の保証がされるだけなのです。 また、リフォーム保証とは別に、住宅設備についてはメーカー保証がつきます。こちらは1~2年が主流です。
後で泣きをみないためにも、リフォーム契約書にある保証期間の確認は必須だと高橋さんはいいます。 「最近は業者がリフォーム瑕疵保険に加入するケースも増えています。その場合の保険期間は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分は5年、その他の部分は1年に設定されています。この期間を目安に、保証の手厚さを判断するといいでしょう。
ちなみに、わが家のリフォームは5年保証で、24時間365日いつでも電話がつながる体制が整えられていました。雨漏りしたときにはすぐに直しにきてくれて、一切無料でしたし、地震でクロスが裂けたときも、大工さんがさっと直してくれて、やはり無料でしたよ」
こうした保証に加えて、独自のアフターサービスの有無も確認しておきたいところです。高橋さんが選んだ会社では1カ月、3カ月、1年というように、きめ細やかな定期点検を実施。これも安心材料になったとか。 リフォームの成否は業者選びで決まると言っても過言ではありません。手間と時間を惜しまずに依頼先を選ぶことが、落とし穴を避ける一番の策といえそうです。
暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、住まいやマネーに関する講演や執筆活動を行っている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)など