密着!お掃除プロのお手入れ術[第3回]

エアコン、キッチン、バス&トイレの完璧なお掃除はもう無理!?

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梅雨時だけでなく、浴室のカビ対策は、年中、頭を痛めます。日頃のお手入れでは落としきれないカビや浴槽の頑固な水垢汚れ、トイレの黄ばみや黒ずみも、プロに任せれば安心。また、最新機能が付いたトイレは電子機器でもあり、不用意な掃除は機械の故障を招くこともあります。

浴室の汚れは多種多様
洗剤使い分けの基本

 浴室の汚れの原因は、カビ、水垢、石鹸カス、人の垢、皮脂などさまざま。お手入れをするときは、本来であれば、汚れの種類や付着した場所によって、洗剤や道具を変える必要があります。これが、浴室の掃除が面倒な理由。「日々ケアをしているのに、頑固なカビや水垢汚れがなかなか落ちない」という方は、洗剤や道具選びから見直す必要がありそうです。

「最近、壁色が茶色や黒のオシャレな浴室もありますが、暗い色だと水垢の白い汚れが目立ちますよね。それで、ご自分でお掃除をされる方が多いのですが、『どうしても汚れが落ちなくて……』と、お掃除サービスにご依頼される方もいらっしゃいます」(鈴木健吾さん)

 浴室の汚れと洗剤の使い分け、お掃除の作業手順を、鈴木さんに解説していただきました。

 

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毎日のお手入れ時間の短縮や快適な暮らしのために、お掃除専門スタッフがお手伝いします。ふだん手がとどかない場所のお手入れなど専用の洗剤、技術を用いたお掃除サービスです。

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浴室のクリーニングには、主に3種類の洗剤を使用

1.洗剤選び

中性洗剤……中性の界面活性剤で、人の垢や、洗い流した皮脂などによる汚れを落とします。軽度の水垢や石鹸カスも落とせます。

塩素系カビ取り洗剤……カビを落とすには塩素系のカビ取り剤を使いますが、使用にあたっては、さまざまな注意点があります。よく知られていることですが、酸性タイプと混ぜると有毒ガスが発生するので、必ず単独で使用します。また、使用する材質によっては変色することがあるので、注意します。

酸性洗剤……水垢には酸性洗剤を使用します。水垢は、水道水に含まれるミネラル分などが原因となって発生します。汚れの程度に合わせて専用洗剤の酸性の強弱を使い分けます。

 汚れに合わせて、これら3タイプの洗剤を使い分け、場所によって道具を使い分けながら作業を進めていきます。基本的に、作業は上から下に進めます。

2.天井や壁の洗浄

「ご家庭では、お風呂場で脚立に登るのは危険です。もし天井を掃除したいときは、掃除用ワイパーなど柄が長い市販のお掃除道具に、使わなくなったタオルを巻いて、拭き掃除をすると良いでしょう」(鈴木さん)
 とはいえ、天井を見ながら洗剤やカビ取り剤を使用するのは、体力もいり、また、液剤が降りかかってくる心配もあります。できることならプロにお任せしたい場所です。

3.浴槽洗浄

 洗剤を使う前に、浴槽全体を60度のお湯で濡らし、油汚れを柔らかくします。
「夏場は油汚れが固まっていないので、40度くらいのお湯でも大丈夫です」(鈴木さん)
 浴室用の中性洗剤を噴霧して、スポンジやブラシなどを使い洗います。

4.エプロンを外して掃除

 エプロンがあるタイプの浴槽は取り外し、エプロン内部を掃除します。パーツとしてかなり大きく重さもあるエプロンですが、扱い馴れた鈴木さんは、手際よく外してお掃除していきます。
「外したことがないという方や、自分で外したものの、戻せなくなる方もいらっしゃいます。できればプロに依頼してください」
※エプロンを外しての清掃はオプションメニューのため、通常の浴室清掃では対象外です。

5.洗い場の洗浄

 洗剤をまんべんなく噴霧し、風呂用スポンジやブラシなどを使いながら洗浄します。
 排水口は分解して洗います。

6.水垢除去

 酸性洗剤でブラシやハンドパットなどの道具を使って除去します。
 汚れが酷いときは、時間をおいて汚れと馴染ませ、削り落とします。
「ご家庭で酸性洗剤を使う際にありがちな失敗は、時間をおきすぎてしまうことや、削り落とす際に傷をつけてしまうことです」

7.カビ除去

 タイルの目地、パッキンやコーキング部分など、カビが気になる場所を中心に、カビ取り剤を使って徹底的に浴室のカビを除去します。

混ぜるな危険
知っているつもりでも要注意

 塩素系のカビ取り剤と言えば「混ぜるな危険」。塩素系は、酸性タイプなど他の洗剤と混ぜて使うのは厳禁だとご存じの方がほとんどです。
 鈴木さんは、家庭のお風呂掃除でカビ取り剤を使う場合、それに加えて気をつけて欲しいことが2つあると言います。

 1つ目は換気。
 特に、窓のない浴室は換気が悪くなりがち。換気扇は必ず回しましょう。窓のある浴室では、できる限り十分に換気しましょう。

 もう1つが、排水溝に残った塩素系や酸性の洗剤。
「自分は混ぜて使っていないと思っていても、水でよく流さないと、排水溝で別の種類の洗剤が混ざり合い、有毒ガスが発生することがあります」(鈴木さん)

 塩素系カビ取り剤の使用前後は、徹底的に水洗いして、排水溝で混ざらないように気をつけましょう。

日頃のちょっとしたお手入れでカビ防止

「お風呂場のカビ防止には、とにかく水気を切ることと湿度を下げることが肝心です」と鈴木さん。使用後は窓を開けたり、換気扇を回したり換気を心がけましょう。
 また、鈴木さんのおすすめが、100円ショップでも買える「スクイージー」という水切りワイパー。入浴後にスクイージーで浴室の水気を切ると良いそうです。

 プロならではのノウハウで、機材・洗剤を使い分け、カビや水垢等のしつこい汚れを徹底洗浄し、浴槽から壁・床・扉・天井までピカピカになるお掃除サービスを利用されてみてはいかがでしょう。

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浴槽・水栓金具・シャワーヘッド・カウンター・壁面・床・排水口・天井の水アカ洗浄、シルバーメッキ類磨き上げ。お掃除時間の目安90分。

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トイレの頑固な黄ばみの原因とは

 最後に、鈴木さんにトイレ掃除も実践していただきました。
 なかなか取れないトイレの黄ばみ。その多くは、尿に含まれる成分が固まった「尿石」と呼ばれるものです。これらは酸性の洗剤を使用して除去します。

 今やトイレは電子機器。シャワーノズルや便座と便器の結合部などは、家庭ではなかなかお掃除しにくい部分です。プロのサービスなら分解して隅々までお掃除してくれます。

 温水洗浄機能がついたシャワートイレのお手入れで気をつけたいのが、温水の給水方法です。水道直結給水式のものと、タンクから温水洗浄便座に給水する方式の2種類がありますが、気をつけたいのがタンクから給水する方式のシャワートイレです。

「注意したいのは、タンクの水を洗浄水として使うタイプのトイレ。タンクに洗浄剤を入れると、その水が洗浄水としてノズルから出てきます。薬剤によっては、たいへん危険です」(鈴木さん)

 最近の機種は、水道直結給水式が多いとのことですが、ご自宅のシャワートイレの給水方式がどちらのタイプか、一度確認しておくと良いでしょう。

お掃除サービスを躊躇してしまう
「あのこと」について

 ところで、「もうこれはプロに頼むしかない!」と思ったものの、いざ依頼しようとすると「トイレが汚れているから恥ずかしい」と思う人もいるのではないでしょうか。プロは実際のところ、どう考えているのでしょうか。鈴木さんに本音を聞いてみました。

「正直な話、我々はいっぱい汚れを見てきているので、ちょっとやそっとでは何とも思わないです(笑)。ただ、作業時間が決まっているサービスでは、あまりにも散らかっていると、作業の場をつくるだけで時間がかかってしまいます。動かせるものは、できれば事前に移動してもらうようお願いしていますが、人が出入りできて、道具を通せるのであれば問題ないですよ」

 プチゴミ屋敷でも心配ないですか?
「全然気にしなくて大丈夫です!(笑)」

 そういうことなら、安心してお掃除サービスを頼めそうですね。

リクシルのお掃除サービス【トイレリフレッシュプロガード】
 LIXILが独自に開発したクリーニング方法と加工の「プロガード」。なかなか取れないトイレの黄ばみや黒ずみを除去するだけではなく、水アカがつきやすい便器内側などの陶器表面を改質し、約5年間以上も水アカを寄せつけません。お掃除時間(目安)120分

リクシルのお掃除サービス【シャワートイレクリーンアップ】
 シャワートイレ内部を隅々までお掃除。シャワーノズルや便座と便器の結合部なども、プロが分解してキレイにします。お掃除時間(目安)60分

お話を伺った方

アクティア株式会社 鈴木健吾さん

ハウスクリーニング、宅配クリーニング、家事代行、整理収納、片付けなど家事の宅配サービスを提供しているアクティア株式会社で、プロを育てるトレーナーを務めるお掃除のプロ中のプロ。

文◎渡辺タカコ
撮影◎平野くに子

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)