密着!お掃除プロのお手入れ術[第2回]

ネバネバ&ギトギトのキッチン汚れを一掃する!

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油汚れで掃除する気も起きない汚れも、プロのお掃除サービスに依頼すれば、新品と同じ輝きを取り戻せるかもしれません。レンジフードの油汚れやコンロの焦げ付き汚れなど、キッチンまわりの汚れを落とすプロならではの技や、日頃のお手入れに生かせるヒントをご紹介します。

キッチン・レンジフードのお掃除は
夏がおすすめな理由

 キッチンの中でも特に汚れが蓄積しがちなのがレンジフードです。頑固な油汚れは換気効率を低下させ、キッチン全体の汚れにつながります。また、汚れがたまりすぎると、故障の原因になる可能性もあります。

 レンジフードのクリーニングと言えば、年末の大掃除のイメージがありますが、実は夏こそ、キッチンやレンジフードのお手入れに適したシーズンなのだとか。

「気温が高い季節は油が溶けやすく、時間制でサービスを受ける場合にも、ご自分でお掃除をする際も、作業が進みやすいのがメリット。油汚れをお掃除するなら夏がおすすめです」と、鈴木健吾さん。

 今回はレンジフードとコンロまわりのお掃除を見せていただきながら、ポイントを解説してもらいました。

レンジフードのクリーニングを
プロに頼むメリット

レンジフードはいろいろな構造があり、その分解の方法も機種によって異なり、特殊な工具が必要なことも。

 レンジフードは、設置場所が高く、掃除しにくいのが難点。表面を拭き取るだけならまだしも、内部まで掃除するには時間や手間がかかり、体力的にも決して楽な作業ではありません。

「お客様のお困りごととして特に多いのが、レンジフード内の油汚れです。高いところにありますし、ずっと上むいての作業になるので大変という声をよく聞きます。また、構造がわからないので分解するのが怖い、と話すお客様もいらっしゃいます」と鈴木さん。

 レンジフードの構造は、機種によっては複雑で、プロでも分解が難しい場合があるそうです。「特殊な工具を使わないと破損するような部品もあります」(鈴木さん)。

 専門知識を持つプロに任せれば、分解して専用洗剤で洗浄し、日頃お掃除できないレンジフードの内部パーツまで、油汚れを落としてピカピカに仕上げてくれます。
 レンジフードをしっかり清掃することで、換気能力もアップします。その作業工程を、鈴木さんに見せて頂きました。(作業手順・内容は機種によって異なります)

 

リクシルのお掃除サービス

毎日のお手入れ時間の短縮や快適な暮らしのために、お掃除専門スタッフがお手伝いします。ふだん手がとどかない場所のお手入れなど専用の洗剤、技術を用いたお掃除サービスです。

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1.養生

清掃で使う水や洗剤、油などで周囲が汚れるのを防止するため、保護シートを貼っていきます。

2.分解作業

外せるパーツは、工具も使いながら、全て外していきます。

3.洗浄作業

 洗浄ではさまざまな道具を使います。洗剤は専用のものを使用。アルカリ性、塩素系、クレンザーなどを、部位や汚れによって使い分けます。例えば、油汚れはアルカリ性の洗剤で落とします。

4.本体内部の洗浄

“ケレン”と呼ばれるヘラのような道具を使って油汚れをそぎ落とし、専用洗剤で汚れを浮き上がらせたあと、ブラシなどで洗浄します。

5.フィルター洗浄

専用洗剤でつけ置きした後、ブラシで洗浄します。

6.シロッコファン洗浄

 60度のお湯に洗浄剤を溶かし、その中でつけ置きします。その後、羽根1枚1枚の隙間についた油汚れを丁寧に取り除きます。

7.フードカバー洗浄

専用洗剤で拭き、水拭きします。

「油汚れが垂れてくることもあるので、いつも服の予備を持ち歩いているんですよ」と鈴木さん。冷房が効いた室内でしたが、作業していると額には汗が。見ているだけで大変な作業です。

自分でレンジフードを掃除する際の注意点は

 鈴木さんに、自分でレンジフードを掃除する場合の注意点を聞いてみました。

 一つ目の注意点が「パーツの落下」。分解する際にパーツを落とすと、真下にある調理器具を傷つけてしまいます。特にIH調理器などがある場合、パーツを落として破損しないように、あらかじめ緩衝材を敷いておくと安心です。

 二つ目が「洗剤選び」。油汚れには、アルカリ性の洗剤が基本です。つけ置きして汚れが浮いてきてからこすったり拭いたりするのがポイント。頑固な汚れはそれを繰り返します。経年劣化しているフィルターなどは、塗装が剥がれないように注意しながら作業して下さい。

 そして三つ目が「火気」。レンジフード掃除の作業中、下にガス台などの調理器がある場合、思いがけず着火してしまうことがあります。事故や火災につながらないよう、調理器をロックするなどしてから作業をしましょう。

プロのキッチンクリーニング手順と、
キレイを保つコツ

 続いて、ガス台などキッチンの掃除工程です。

1.養生

 保護シートを貼ったりタオルを敷いたりして、水濡れや汚れを防止します。

2.パーツを外し、つけ置き洗浄

 外せるパーツは全て外します。60度のお湯に専用洗剤を溶かしたものに五徳などのパーツをつけ置きし、洗浄します。つけ置きしている間に他の作業を進めます。つけ置き後、ブラシなどで汚れを落とし、流水で洗い流します。

洗浄後は洗剤が残らないように数回水拭きを行い、最後にから拭きで仕上げます。

4.壁を掃除

 汚れは、上から下へ拭いていくのが基本です。頑固な汚れを落とすには、洗剤を浸したキッチンペーパーを貼り、しばらく放置するのがコツ。こうして、汚れを浮き上がらせて除去するのです。その後、水拭き、から拭きします。

5.シンク洗浄

 洗剤で汚れを落とした後、水垢を洗浄します。水垢は酸性の洗剤を使います。カビ汚れがあれば、カビ取りも行います。

「地域によって水垢がつきやすい水質があったり、シンクの材質によっては、酸性が強すぎる洗剤で変色してしまったりする場合もあるので、科学的根拠に基づいた洗剤の選択や汚れの落とし方が大切です」と鈴木さん。

 新品の頃を思い出すプロの仕上がり。綺麗になった状態を長く保つには、日頃のちょっとしたケアが大切だそうです。
「温かいうちに汚れを拭くことです。軽く拭くだけでも違いますよ」(鈴木さん)

 レンジフードの頑固な油汚れやガス台の焦げ付きもスッキリ洗浄。豊富な知識のプロによるお掃除サービスを利用してみてはいかがでしょうか。

リクシルのお掃除サービス【レンジフードクリーニング】
 約120分でレンジフードをピカピカにするサービスです。

リクシルのお掃除サービス【まるっと!キッチン】
 リクシルオーナーズクラブ会員限定サービス。キッチンクリーニング、レンジフードクリーニング、魚焼きグリルクリーニングがセットになった約290分のサービスです。

 次回はトイレ&浴室のお手入れに密着します。

(第3回に続く)

お話を伺った方

アクティア株式会社 鈴木健吾さん

ハウスクリーニング、宅配クリーニング、家事代行、整理収納、片付けなど家事の宅配サービスを提供しているアクティア株式会社で、プロを育てるトレーナーを務めるお掃除のプロ中のプロ。

文◎渡辺タカコ
撮影◎平野くに子

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)