![](/fileadmin/res/articles/livingroom/6680/kv.jpg)
![](/fileadmin/res/articles/livingroom/6680/6680_1.jpg)
鈴木:あのね、そういうこと言うと、いまの時代、一瞬でボコボコにされるから気をつけたほうがいいよ(笑)。でもまあ、あまり大きな声では言えないけど、一から十まで子供に気を使いすぎるというのは、結局は子供のためにならないよね。
藤山:日本は「大人の文化が成熟していない」ってよく言われますが、それって家づくりにも大いにつながっているわけですね。
鈴木:日曜日のお父さんなんて、ホント大変そうだから。午前中は上の子のサッカーの練習に付き合い、午後は下の子のピアノの発表会に行き、そのあと自宅でお誕生会をやり……空いた時間に新築の設計打ち合わせ。子供に振り回されてヘトヘトになっている姿が痛々しくもある。
藤山:本人が楽しければそれでもいいのかもしれませんが……。でも、子供にとって都合のいい大人って、実は子供から見るとただのつまらない大人だったりしません?少なくとも、自分が子供の頃は、そう思いながら都合のいい大人を見てましたけど。
鈴木:大人から子供のほうに降りてくると、子供としては鬱陶しいなと思うよ。だから子供が正直に、「お父さん、鬱陶しいからアッチ行って」と言うと、「どうしてお父さんのこと鬱陶しがるの? ねえねえ」って、余計に鬱陶しくなる。
藤山:(笑)
鈴木:そもそも寝室をどうするか以前に、大人が大人としてどう振舞うかという問題を考えなきゃいけないってことだよ。子供との付き合い方も含めて。
藤山:そう思います。
鈴木:さっきのホームドラマの話ではないけど、「家族で食卓を囲んでの一家団欒」。これが、幸せな家族の典型的なイメージだとしたら、われわれはその幸せ像をいったん疑ってみてもいいのかもしれない。それは、いつの間にか刷り込まれてしまった幸せの1パターンでしかない。