壁面を飾るときに
押さえておきたいポイント
少し殺風景に感じる白い壁や、壁の余ったスペース。ここに壁面インテリアを取り入れれば、お部屋に統一感やメリハリを加えられ、模様替えが叶います。
では実際に、どの壁から始めれば良いのでしょうか?
「最初は、目につきやすい場所から始めるのがおすすめです。間取りにもよりますが、リビングなら一番面積の大きい壁か、扉を開けてすぐ目に入る対面の壁がいいですね。ここがごちゃごちゃしていると部屋が重たい印象に見えるので、小さなアートパネルなど、壁掛けできるシンプルなインテリアを飾って、目線を置くポイントをつくるといいですよ。1か所アクセントがあるだけで、印象が大きく変わります」
とはいえ賃貸の場合は退去の際に原状回復させる必要があるため、壁に手を入れるのは抵抗がある……という方も多いかもしれません。最近は、穴がほとんど目立たない細いピンや、賃貸に多い石膏ボードでも刺せるタイプのピン、開いた穴を埋める補修材などもホームセンターで販売されています。そういったアイテムを使えば、賃貸のお部屋でも気軽に壁を飾ることが可能です。
いきなり、リビングの壁などの大きな面積をデザインするのはハードルが高い! という場合は、スペースを限定して「まずはこの中を飾ってみよう」と考えることから始めてみましょう。
まずは、簡単に。
壁を彩る「アートパネル」
壁面インテリアに取り入れるアイテムには、どんなものがあるでしょうか。壁を飾るものの代表的なアイテムの一つが、「アートパネル」です。アートパネルとは、壁紙やファブリック、イラストなどをパネル型の土台に貼り付けた、壁掛け用のインテリアのこと。大きさやデザインによって全く雰囲気が異なるため、自分らしく模様替えをしたい人にぴったりです。
小野さんに、実際に選ぶときのポイントを伺いました。
「飾る場所にある家具とテイストや色味を揃えると統一感が出て、お部屋もインテリアも魅力的にみえます。例えば、せっかく木目調のナチュラルテイストで揃えているのに、ビビッドな色合いやアイアンのフレームのものを入れてしまうと、そこだけ異なる雰囲気になってしまいます。お顔に“イエローベース”や“ブルーベース”があるように、お部屋にもそのお部屋らしい色味があるので、トーンを合わせることを意識しましょう。
また、複数のアートパネルを飾りたいときは、できるだけ大きさをそろえるとバランスが良くなります。大きめのものと小さめのものを組み合わせるなら、大きい方の上下のラインに合わせて飾ると綺麗に整います。
あれもこれもと欲張りすぎると生活空間としては少し落ち着きがなくなるので、余白を意識してみてください」
また、LIXILには“エコカラットセルフ”という、ご自身で手軽に取り付けられるタイプのタイルもあります。
「マグネットで簡単に貼り付けられ、タイルの素材感とデザイン性を両方楽しめます。機能性や気軽さを大切にしながら、お部屋にアートを取り入れてみたい、という方におすすめです!」
収納もかなえる!
お気に入りを見せる「飾り棚」
続いて、ウォールシェルフなど飾り棚を使った壁面インテリアのポイントを伺いました。
飾り棚は、お気に入りの小物を並べて飾ることができるのがメリットですが、どんなものを飾るといいのでしょうか。
「何かひとつテーマを決めて、素材感や色味などで統一感を持たせるのがポイントです。
そして、やはりここでも余白は重要です。ついたくさん並べたくなりますが、そうすると印象が重たくなるので飾るアイテムは厳選しましょう。
旅行先で買った思い出の品や、お子さんの作品や賞状など、思い出の品を飾ろうとすると増えるたびにどんどん並べていきがちですが、“見せる収納”と思い出グッズはスペースを分けるといいですよ。みんなが集まるパブリックなリビングは、統一感を持たせることを意識してみてください。
また、CDや本を並べる場合は、特にお気に入りの作品だけ正面を向けて飾り、他のものは背を見せて飾るなど、“何を意図的に見せたいのか”を意識してデザインしましょう。私は、海外で出会ったおしゃれなタイルを飾っています。
アートや小物は、目線より高い位置にたくさん並べると圧迫感が出てしまいます。存在感のあるものは床に置いて立てかけるなど、目線より下に置いた方が空間も広く感じやすいです」
また、光を使ったテクニックとして、間接照明で壁の上部を照らせば、天井を高く見せる効果も期待できるそうです。
「花・植物」を飾って、
季節感を取り入れる
壁掛けの一輪挿しやプラントハンガーなど、花やグリーンを飾れば、お部屋に季節感と華やかさをもたらせます。
「本物のグリーンやお花を飾ると一気に雰囲気が華やかになりますし、空気の浄化も期待できます。壁に一輪お花があるだけで、気持ちまで明るくなりますよね。また、マンションのトイレのように窓がない閉塞感のある空間には、小さな観葉植物を置くだけで、リラックスできる空間に様変わりしますよ。
水やりなどのお世話をする時間がとれないという人は、モノトーンやグレイッシュなインテリアにもなじみやすいドライフラワーや、最近はアーティフィシャルフラワー(高精度の造花)のクオリティも非常に高くなってきていますので、ぜひ気軽に取り入れてみてください」
お花のインテリアには、壁掛けできるスワッグや、窓辺に吊るすハンギングプランツ、アートパネル感覚で飾れるフレームタイプなど、様々なタイプがあるので、お好みのものを探してみてくださいね。
どんな家具やインテリアを置こうかなと、わくわくしながら考えて住み始めた家も、時間が経つにつれてだんだんと“見慣れた風景”になっていきます。
慣れ親しんだ家もいいけれど、たまにはちょっと気分転換したい! そんなとき、ご紹介したアイデアをぜひ試してみてください。お部屋の壁が少し変わるだけで、気持ちまで心機一転してやる気が湧いたり、よりくつろげる空間に生まれ変わったります。この春、あなたはどんな風にお部屋を彩りたいですか?
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