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藤山: 鈴木さんご自身は、キッチンを設計する際のこだわりってあるんですか?
鈴木:最近は、男性もキッチンに立つ家庭が増えてきたじゃない?そうなると、キッチン廻りのあれこれに男性目線で新たな気づきが生まれていると思うんだ。
藤山:女性とは違った視点で。
鈴木:皿を洗って置く場所はこうしたほうがいいとか、調理道具の置き場所を変更したほうがいいかもしれないとか。細かなことが気になり始めるわけ。食器棚のガラス扉は意外と汚れるなとか。
藤山:賞味期限切れのものがいっぱい溜まっているなぁとか。うちの話ですけど(笑)。
鈴木:パナソニックのCMに出ている俳優が、「教えてあげたい」って言っているじゃない。
藤山:西島秀俊。
鈴木:あれがすべてを物語っているような気がする。男性が女性に教えてあげるという図式。男性が家事を語り始めるようになったわけよ。
藤山:ええ。
鈴木:そうなると、キッチンのつくり方もおのずと変わってくる。
藤山:そうですか。
鈴木:いちばん大切なのは、「2人で同時に立てるキッチン」。これを意識しておかないといけない。2人同時に立てるとはどういうことかというと、動線に行き止まりをつくってはいけないということ。
藤山:ほう。
鈴木:どちらかが奥に追い込まれると、キッチンから出られなくなるでしょう。
藤山:新幹線の窓側の席みたいな。
鈴木:そうそう。手前の人がいったん立たないとトイレに行けないようにね。そういう状態は作業の効率を悪くするから、どちら側からでも移動できるようにしておきたい。いわゆる「サーキュレーションキッチン」が、これからは絶対必要になってくる。
藤山:それが、今後のキッチンのスタンダードであり、鈴木さんのこだわりですか。
鈴木:かな。
藤山:そういう提案をすると、奥様方は喜ばれるんじゃないですか?
鈴木:喜ばれる人と、えっ?って顔をされる人がいる。「えっ、旦那がキッチンに入ってくるの?」って(笑)。
藤山: 私のテリトリーなのに。