藤山:は?なんでマットを敷くのがイヤなんですか?
鈴木:洗濯の手間が増えるから。あと、せっかく新築でつくったきれいなキッチンなのに、なんで以前住んでいた古くさいマンションみたいに、またマットを敷かなきゃならないのっ?って、そういう怒りみたいものも含まれている。
藤山:怒り(笑)。
鈴木:マンションの床が古くさくてイヤだから、それを隠すためにいやいや敷いているという人も多いみたい。
藤山:考えてみたら、シンクとコンロが横並びのレイアウトだって、手前の床は汚れますね。キッチンのあるところ、常にキッチンマットが必要でしょ?
鈴木:それはまあそうだけど、そもそも、どういう家に住んでいようがキッチンマットというものに対する好悪が人によってかなり違うわけ。
・床を汚したくないからマットを敷くという人
・マットを敷くと格好悪いから一切敷きたくないという人
・その中間で、キッチンを使うときだけマットを敷くという人
3パターンくらいに分かれる。
藤山:最後の「キッチンを使うときだけ敷く人」って、普段、どういう使い方をされているのですか?
鈴木:使わないときは丸めてしまっておく。
藤山:へえー。そりゃまた律儀な。
鈴木:いつ他人に見られてもいいようにって。「マットが敷いてあるキッチンなんて、人様に見せられる姿ではありません。キリッ」って感じ。
藤山:キッチンマットがそんな扱いを受けているとは知りませんでした。
鈴木:打ち合わせのどこかのタイミングで、床のフローリングを決めるときがあるじゃない?
藤山:ありますね。
鈴木:そのとき、ほとんどのお客さんから聞かれるわけ。「キッチンや洗面台の前のフローリングは汚れますか?」「そりゃ、汚れます」「どうすればいいですか?」「同じ木でも水に強い硬質な材種を選ぶか、あとはマットを敷くとか……」「ええー、マット~?新築なのにマット~?」
藤山:新築なのにマット(笑)。
鈴木:そういうやり取りがこれまでも何度かあった。ああ、キッチンマットって人によっては本当にイメージ悪いんだなと思ったよ。かといって、フローリングを水に強い材種に変えるとコストが跳ね上がる。というわけで、第3の道として選ばれるのがタイル。お皿を落としたら割れてしまうけど、「水廻りには水に強いタイルがいちばんね」ってタイルを選ばれる人は少なくない。
藤山:うん、それが真っ当な選択かもしれません。
(キッチンの話は次回にまだまだつづく)
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