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藤山:以前、あるベテラン設計者の方にうかがったところ、「料理上手な人ほど昔ながらのクローズドタイプのキッチンを好む傾向にある」という見解でした。
鈴木:それは一理あるかもしれない。
藤山:そうですか。
鈴木:だからといって、対面式のオープンキッチンを好む人が料理下手かというとそうでもない(笑)。さっきも言ったとおり、作業に集中できるという意味では、非対面式の、一人でこもれるようなレイアウトのほうが有利なのは事実。いわゆる、仕込みが必要な料理だよね。生の魚を下ろすとか、鰹節を削るとか、そういうところからやる人は、周囲を壁で囲まれているほうが安心して作業できる。
藤山:でしょうね。
鈴木:ただ、対面式だって本格的な調理はできる。要は、キッチン全体が作業の流れを妨げないようなつくりになっていれば、どちらでもいいわけ。
藤山:作業を妨げないつくりというのは?
鈴木:配膳台があるかないか。配膳台という独立した形をとっていなくても、同等のスペースが確保できていれば十分。キッチンというのは、作業をする場所と、いったんモノを置ける場所の2つが全体の効率を大きく左右する。極端にいえば、この2つのスペースさえ意識してつくれば、まず「使えないキッチン」にはならない。
藤山:配膳台って、ダイニングテーブルとの兼用ではダメなんですか?