藤山:設計上のポイントはどこですか?
鈴木:キッチンの真横に置くこと。それがダメでもキッチンの近くは死守する。これ絶対。そうしないとスペースとして死んでしまう。鍋の火を見ながら、同時にパソコンも使えるくらいの場所がベター。それでいて、家事の忙しさからちょっと解放されて気分を変えられる場所にできれば最高。
藤山:広さは?
鈴木:最低90~100cm幅くらいあれば成立するかな。
藤山:造り付けですか?
鈴木:造り付けといっても、板一枚くっつけるだけだから。キッチンの延長としてつくるなら、なおさら造り付けにしたほうがきれいに納まる。パソコンを置くテーブルと、ちょっとした本棚と、電源コンセントさえあればいいのだから。
藤山:あとは、多少散らかっていても気にならないような工夫でしょうか。
鈴木:そうだね。以前、歯医者さんの奥様だったけど、浴室→洗面脱衣室→家事室(ユーティリティー)→食品庫(パントリー)→キッチン→ワークスペースを、ざーっとひとつながりにする間取りにしてほしいと要望されたことがある。すべての部屋をぐるっと回れるサーキュレーションプラン。究極の家事動線だね。しかも、散らかっている楽屋裏がリビングからは一切見えない。ぱっと見はホテルみたいに生活感がない空間。これは、われながらよくできた間取りだった。
(つづく)
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