鈴木:ただ、姑さんは面と向かって息子の嫁に小言を言ったりはしない。で、なぜか私のところに愚痴が飛んでくる(笑)。「最近の子は玄関をちっともきれいにしようとしないのよねぇ」って。
藤山:二世帯の玄関は共用にしないほうがよさそうです(笑)。
鈴木:本当にそう思った。玄関一つで、嫁姑問題の火種が常にくすぶり続けるわけだから。
藤山:あと、パッと見は品が良さそうな人なのに、その人の家に行ったら玄関がぐちゃぐちゃでビックリしたなんて経験はないですか?以前、私が住んでいたアパートの大家さんが、まさにそんな人でした。
鈴木:いるかもね、そういう人。
藤山:大家さんはおばあさんなんですが、その家に毎月家賃を払いに行くんです。高校生と中学生の男のお孫さんがいる三世代同居の一軒家でしたけど、玄関に入るといつも足の踏み場がないくらいスニーカーがあふれている。靴の上にまた靴が乗っかっているような状態でした。
鈴木:バーゲンセールのワゴンのような。
藤山:そう、まさにそんな感じ。で、よく見たら大家さんのサンダルもその上にひっくり返っている(笑)。
鈴木:そういうことがあるから、最近は玄関を家族用と来客用の2つに分けてくれという要望がわりと多い。その昔、アパートの大家さんに自宅の設計を頼まれたことがあったんだけど、いまの話と同じで、その人もアパートの入居者が毎月自宅まで家賃を払いにくる。だから、家族用の玄関が散らかっていてもお客さんには見えないように、来客用の動線と家族用の動線を2つつくっておいてくれと言われたの。このプラン、すごくうまくいったね。とても喜ばれた。
藤山:来客の話で思い出しましたが、玄関といえばスリッパの問題もありますよね。スリッパをどこにどう納めるか。
鈴木:ああ、スリッパね。これもまた悩ましい問題で、話せば長くなるんだけど……、そもそもスリッパとは何なんだと(笑)。
藤山:そう、スリッパとは何なんだ。かねがね、そこは一度はっきりさせておきたいと思ってました。
(つづく)
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