
日本を代表する雅楽師・東儀秀樹さんが、LIXILショールーム東京を「初探検」。より快適で楽しい住まいを実現してくれる最新の住宅設備機器に触れるこの連載。今回はまず、前回の浴室コーナーの隣にある「トイレコーナー」を探訪します。東儀さんがいちばん魅力を感じたLIXILの最新機能とデザインについてお伝えします。
トイレは浴室と並んで、家の中で特にくつろげる個室です。それだけに、施主のこだわりが反映されやすい場所であり、リフォームのニーズがとても高い住宅設備といえます。
こうしたお客様のニーズに応え、LIXILのトイレは、シャワーによる洗浄機能に加え、汚れが付きにくい素材の採用など、機能面でもデザインでも世界の一歩先を行っています。
国境を超え、ジャンルを超えて音楽活動を展開する東儀秀樹さんは、世界のトイレ事情に精通しています。
そんな東儀さんが、LIXLIショールーム東京で最新トイレを見て注目したのは、トイレ本体はもちろん、トイレの洗面部分からトイレットペーパーホルダーにいたるまで、細部に及ぶデザインの進化でした。
トイレの基本的な性能はもとより、トイレまわりのデザインの進化に注目する東儀さん。サティスSタイプ(左)とフロートトイレのブースでコンパクトな洗面設備をチェック。
まず足を留めたのが、2001年に発売され、タンクレスで世界最小のミニマムなデザインでトイレの常識を変えた「INAX SATIS Stype(イナックス サティス)」。
その中でもコンパクトな「Sタイプ」は、2019年6月に登場した最新モデルです。
従来のタンク付きのトイレは、奥行きが790mmもありましたが、「サティス Sタイプ」は何と690mm。しかもタンクがないので、高さも低く、驚くほどコンパクト。
世界最小のサイズに加えて印象的なのが、シンプルで流れるような美しいフォルムです。
素材には、「アクアセラミック」と名付けられた新しい陶器素材を採用。この素材は化学の力で表面の親水性を向上させています。
だから用を足した後に水を流す、お掃除のときに軽くこするだけで、水アカや汚れがツルッと落ちます。
この機能は何と100年も続くそう。(※1)
しかも釉薬に含まれている高硬度のジルコンのおかげで、傷も付きにくくなっています。
東儀さんお気に入りのグローエは、LIXIL傘下のドイツメーカー。シャープなデザインが特徴で、LIXIL独自のアクアセラミックが採用されている。
「わが家のトイレもこのタンクレスタイプです。トイレの空間も広くなるし、シンプルでスッキリとしたフォルムもいいですね」と東儀さん。
このタンクレスタイプのトイレには、東儀さんが浴室で愛用するドイツの住設機器ブランドで、2014年にLIXILグループの傘下になった「GROHE(グローエ)」の「グローエ スパレット」という、ドイツ人デザイナーが手掛けたモデルもあります。
こちらは「サティス Sタイプ」よりわずかに10mm縦長ですが、それとはテイストが違う、ドイツのデザインらしい研ぎ澄まされた美しさ。こちらも素材はアクアセラミックで、機能も「サティス」同様に最先端です。
(※1) 100年クリーン 同一部位の摩擦回数……2往復で年間365日お掃除した場合。お掃除ブラシで約7万回(100年相当)の往復を想定しています。
掃除が苦にならない機能やデザインのトイレの数々。LIXILショールーム東京に行けば、生活スタイルに合ったお気に入りがきっと見つけられるはず。
東儀さんの興味をひいたのが「サティス Sタイプ」の新構造と新機能です。
従来の陶器製のトイレには構造上フチがあったのですが「サティス Sタイプ」は、フチのない「フチレス形状」を新たに採用。汚れが溜まりにくく、サッとひと拭きするだけでキレイになります。
また、リモコンのボタンを押すと便座部分だけがリフトアップして掃除しやすい「お掃除リストアップ」機能も新搭載。
ノズル部分も、先端だけを交換できる着脱式になりました。
「お掃除しやすく、自分で交換できるのはうれしいですね」と東儀さん。
「超節水型」というのも、ありがたい機能です。
最近のトイレは性能向上により、大洗浄で6リットル、小洗浄で4~5リットルほどのタイプが普及しています。
しかし「サティス Sタイプ」は、大洗浄で4リットル、小洗浄で3.3リットルしか使いません。
貴重な水資源を無駄にしない「パワーストリーム洗浄」なのです。
しかも静音設計なので、流しても昔のトイレのような大きな音はしません。この静粛性も最新のトイレの大きな特徴であり魅力です。
また、男性が立って用を足す際に飛沫が飛ぶ問題を、水を泡立てて優しく受け止めることで解決した「泡クッション」にも納得&関心した様子。
男性も座ることが多くなった時代ですが、立って用を足したい気持ちをくんだアイデアと言えるでしょう。
この「サティス」シリーズには、「Sタイプ」に加え、少し大きなサイズの「Gタイプ」もあり、ショールームで展示されています。
そのラインアップについては、また次回ご紹介しましょう。
(第6回に続く)
雅楽師
1959年、奈良時代から今日まで1300年間雅楽を世襲してきた楽家に生まれる。高校卒業後、宮内庁楽部に入り、篳篥(ひちりき)を主に、琵琶、太鼓類、歌、舞、チェロを担当。宮中儀式や皇居において行われる雅楽演奏会などに出演するほか、海外での公演にも参加、日本の伝統文化の紹介と国際親善に勤める。2019 年 8月、オリジナル作品や雅楽の古典曲を現代風にアレンジした作品、また、昨年世界中で人気が再燃した QUEENのカバー曲など東儀秀樹さんの世界観と魅力を存分に楽しめるアルバム「ヒチリキ・ラプソディ」をリリースするなど、幅広い音楽活動を行う。また、俳優として活動に加え、乗馬、クラシックカーレース参戦、陶芸、ギター、イラスト、写真、マジックなど、幅広い趣味人としても知られている。著書に『すべてを否定しない生き方』『雅楽:僕の好奇心』『東儀家の子育て 才能があふれ出す35の理由』など。皇學館大學特別招聘教授、上野音大、名古屋音大、池坊短大、大正大学、國學院大の客員教授を務める。
文◎渋谷康人 撮影◎村越将浩
LIXILショールーム東京