マイホームとお金の話

家の管理費・維持費はしっかり計画!

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家のランニングコスト、家計の見直し

賃貸物件で暮らす際は管理費や維持費を先に支払っているので安心ですが、持ち家となるとご自身で準備しておく必要がありますよね。計画的に家の管理や維持に必要な費用を試算して貯めていきましょう。

賃貸物件とマイホームの違い

「家を購入したら、賃貸の頃よりも光熱費が高くて…」

 

「給湯器や外壁など、高額な買い換えや修理が心配!」

 

せっかくマイホームを手に入れたのに、このような不安のお声がよく聞かれます。マイホームを購入することに必死で購入後のことはあまり考えていなかった、というかたは多いのです。購入前にご相談へ来ていただけると、事前にランニングコストをお伝えし、家計の見直しなど準備ができるのですが、中々そこまで用意周到にはできないものです。

賃貸物件で暮らしている時は、大家さんや不動産屋さんが管理費や修繕費で物件の管理をしてくれていました。雨漏りがしても、外壁が壊れても管理会社へ言えばすぐに修理してくれていたものも、マイホームとなるとご自身で行わなくてはいけません。どこに依頼すれば?いくらぐらいが相場なの?と都度、調べたり問い合わせたりする必要があります。急な出費は不安...家を購入された後にお金の不安を抱えるかたはとても多いのです。でも、ご安心ください。事前にどのぐらい必要と分っていれば、計画的に準備しておくことができます。大切なマイホームを管理・維持するためのお金について一緒に考えてきましょう!

マイホームを管理・維持するためのお金

お金の不安は「見えないこと」から生まれてきます。いつ、何に、どのくらい必要なのかが分らない(見えない)ことに不安を感じてしまうのです。不安要素を「可視化」(見える化)することで、その不安を軽減することができます!1つずつ見ていきましょう。

♣マイホームの管理費・維持費

1)毎年必要なもの

保険、固定資産税、消耗品費

2)約10年ごとに必要なもの

家電の買い換え、修繕費

大きくわけると、毎年必要な費用と、約10年ごとに必要な費用とに分かれます。毎年必要なものは、家の購入前にも想定していた項目が多いかと思います。火災・地震保険、固定資産税、電球や電池などの消耗品費などが含まれます。これらの費用は把握しやすいため、あらかじめ家計簿に入れて準備しておけばOKです。

難しいのが約10年ごとに必要な費用です。家電は引越しの際、まとめて購入されるかたが多いのですが、壊れる時期もだいたい同じということで家電の買い換え費用は準備しておく必要があります。そして家は劣化しますので屋根や外壁の修理、給湯器の買い換え費用などがあります。こちらは、いつ、どのぐらいの費用がかかるか不明なのですが、目安として1回の修繕や買い換えに100万円くらいを予定しておくと良いかと思います。

計画的な費用の準備

表1:家のランニングコストの目安

家のランニングコストが見えてきましたね!それぞれの費用をまとめてみましょう。

上記の表は概算となりますので、ご自身の家のランニングコストを表に入れて、月換算で費用を算出してみて下さい。こうして可視化してみるのは如何でしょうか?毎年必要な費用は月で割り戻すと14,200円、10年ごとに必要な費用は12,400円となります。両方合わせて26,600円です。この金額を家のランニングコストとして毎月の支出(貯蓄)に入れておけば良いのです。冷蔵庫が壊れたらどうしよう… 給湯器って何十万って聞くけど… と不安に思われていたかたも、こうして金額を明確にし、きちんと管理・維持に必要な費用を毎月準備しておけば良いのです。

「一家の主」と言いますが、マイホームはまさに皆さんの大切な資産であり、皆さん自身が主として管理・維持していく必要があります。お金の不安は可視化することで軽減できますので、是非、参考にしてみて下さい。

家計簿にプラス!長期のキャッシュフロー表

私たちFP(ファイナンシャルプランナー)は身の回りのお金に関するご相談を承るのですが、お金の出入りを見る際に1年間の収支だけでなく、10年や20年、家の購入の際は住宅ローンと合わせて35年でお金の収支をみていきます。「キャッシュフロー表」と呼ばれるエクセル表では横は年数、縦は支出入の項目になります。ご自宅にパソコンをお持ちのかたも多いかと思いますので、是非、マイホームを購入されたかたには、このキャッシュフロー表を作って頂きたいと思います。

家計簿では毎月の収支が分かり、1年間で1冊となります。これも家計の管理にはとても重要です。しかし、前述のように家のラーニングコストなどは数年ごとや10年ごとに必要な支出が出てきます。そこでキャッシュフロー表を作ることで、家の購入から10年おきに「家電50万円、修繕費100万円」と入れておくと必要な費用が可視化できるのです。お子様の学費と重なったり、車の買い換えと重なったり、他の支出との時期も確認することができます。検索で『キャッシュフロー表』と入れると、無料のひな形なども出てきますので、活用してみて下さい。

皆さまの大切なマイホーム。計画的な管理・維持で、いつまでも過ごしやすい環境を整えていただければと思います。

 

------教えてくれたのはこの方------

藤井亜也さん

株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長。教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。著書:今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書) 

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