気軽に始める!季節色のフラワーアレンジメント

会員限定

ひまわりをあえて引き立て役に。8月の極彩色アレンジメント

空間
その他
関心
ライフスタイルインテリア学ぶ

こんにちは。フラワーアレンジメントライターの鳴海汐です。

第5回は、 真夏にぴったりのエキゾチックな南国風のアレンジメントを作ります。ポイントとなるのはひまわりの使い方です。

一般的には主役級のひまわりですが、負けず劣らず個性の強い色・形状の花たちのなかで、まとめ役として働いてもらいます。今回は花束にチャレンジしてみましょう。コンパクトなラウンド(ドーム型)を作っていきます。花束は手に持って作業し続ける分、オアシスを使って作るよりも難しいですが、やり直しやすいのがメリットです。また、花器の水を交換しやすいという利点もあります。前回お伝えした「夏場にアレンジメントを長持ちさせる方法」もご参照いただきながら、このアレンジメントのお手入れに役立ててください。それでは、さっそく始めてみましょう。

【道具】

ラフィア ※ など平たい紐:1~2m

花ばさみ

フラワーベース:直径9cm、高さ19cm(円柱型で高さ14cm以上のもの)

※ラフィアは「ラフィア椰子」という植物の葉から作られた天然の繊維素材です 

【花材】

品種がわかったものは、カッコ内に書いています。

(画像左から)

黄緑のケイトウ(ボンベイグリーン):1本

赤のピンクッション:1本

群青のリンドウ:1本

薄紫と白のリンドウ:1本

キンカンの実付きの葉:1本

黄緑のナデシコ(テマリ草):1本

黄緑のヒペリカム(ココバンブー):1本

レモン色のひまわり(サンリッチレモン):5本

オレンジのガーベラ(スパイダー):3本

ヤツデの葉:3~4枚

ひまわりはいろいろな種類がありますが、レモン色のものは主張が強すぎないので、他とコーディネートしやすくおすすめです。軽快さを演出できる色でもありますよ。花の大きさとしては、直径10センチ以下のものを選んでください。

【下準備】

上の画像のように、花材の下半分以上の葉を取り除いておきます。リンドウは下のほうのつぼみも併せて取り除きましょう。花材の丈はそれぞれ30cm以下にします。ただし、中心部となるケイトウとピンクッションは、扱いやすいようもう少し短めにしました。

 

ステップ1:中心部作り

まず、大きくて茎がしっかりと硬いピンクッションを芯にして、周りに花を入れていきます。ボリュームのあるケイトウ、そしてリンドウも茎が強いので、中心部作りにぴったりです。花束は、スパイラル状になるように組んでいきます。

「スパイラル状」と聞いてもピンと来ない方

スパゲッティを茹でる際、鍋に入れるときのことを思い出してみてください。スパゲッティの束の両端を逆方向にねじってから、お湯のなかに落としますよね?あの“ねじり”を花で作っていく形です。スパイラル状にすることで、あとで花束を縛るときに固定しやすくなるとともに、花同士が圧迫し合うのを防げます。右手で花材を取り、左手の花束に加えていきましょう。上の図のリンドウを見てもらうとわかるとおり、常に茎が左に傾くようにねじりを作りながら、花束を形作っていきます。(左利きの方は、逆の要領で作ってみてください。)

1本目の花(ピンクッション)を左手に持ったら、2本目に入れるケイトウの花部分をピンクッションの左奥に置き、茎の先は右下に来させます。

3本目の群青のリンドウも、1本目の花を中心にして、先ほどのケイトウよりもさらに左奥に花部分を置くようにして、茎は右下に。花首を、前の花首に引っ掛けるようなイメージです。この段階では本数が少ないので、傾けるよう心がけても茎が平行に近くなるのですが、構わずやっていきましょう。

花部分を見るとこのようになります。ケイトウは、ピンクッションのトゲトゲの下にあたる部分よりも少し高くなるくらいに置きましょう。ケイトウの花は上から見ると台形のような形をしていますが、幅が広いほうをピンクッションに沿わせます。リンドウは、ケイトウがピンクッションから離れないよう、端を押さえるように配置してみてください。

ステップ2:ピンクッションの周りを囲む

続いて、ピンクッションの周りを囲むようにして、花材を足していきます。リンドウの向かって左隣に花材を入れていきましょう。最初に、ヒペリカムを入れます。このときは、リンドウが左のほうにあって花材を足しにくかったため、右手を使って花束を反時計回りに回転させて持ち替えました。左手は、茎をあまり強く握りしめないようにしてくださいね。花材を入れる際は、色や形が似たものができるだけ隣り合わないように配置するのが、見栄えをよくするポイントです。

同じ要領で、ガーベラ、キンカン、ナデシコ、薄紫と白のリンドウを入れます。最後のリンドウは、ケイトウの端を押さえるようなつもりで置きましょう。

ステップ3:外周を作る

薄紫と白のリンドウとケイトウの間あたりから外周を始めます。ガーベラを1本、ひまわりを2本入れました。ステップ3まででは、似た花材が隣り合わないようにしていましたが、このステップでは黄色を効かせてまとまり感を出すために、ひまわりを連続させて入れます。(写真を撮る際に上のオレンジのガーベラが浮きましたが、実際はヒペリカムとキンカンの間に入っています)。

その後、さらにひまわりを3本連続して入れたあと、ガーベラを1本入れ、だいたい丸い形に花が収まりました。外周を一回りしていませんが、丸くなったのでOKです。完全に一周してしまうと、ややくどくなるのと、色のバランスが悪くなります。 丸くなるのであれば、外周はもう少し本数が少なくなっても構いません。出すぎたものやひっこみすぎたものは高さを調節します。

ステップ4:仕上げ

左手で握っていたあたりの茎を平紐で縛っていきます。しっかり、ぎゅっと締めていきましょう。ゆるみやすいので、全部で2回締めます。1回目を縛ったあとに、ヤツデの葉を入れます。花の裏側を覆うように、葉の表を上にして配置しましょう。 その上から、再び平紐で茎を縛ります。2回目は、画像よりもっと上部を縛るのがポイントです。茎の下のほうを縛ってしまうと花束がゆるみ、コンパクトに仕上がりません。

最後に、茎を切りそろえます。縛った部分から上とその下の割合が、2:1くらいが目安です。長さを切りそろえたら、それぞれの茎の先を斜めにカットします。

完成しました

スパイラルに組んだので、茎が斜めに広がり、平面の上でも真っ直ぐに立ちます。飾るときは、すべての茎がしっかりと水に浸かるようにして、フラワーベースに入れましょう。

作るときの注意点

茎を握る手の熱があったり、花材が水から離れている時間が長かったりすると、花にストレスがかかるため、短時間作業を心がけましょう。特に、ケイトウとガーベラはへたってしまいがちです。作っている間に、花に元気がなくなったなと感じたら、水に戻してしばらく休ませてから、作業を再開してください。花束作りはいかがでしたでしょうか?結構難しかったかもしれませんが、練習を繰り返せば、だんだんとうまくスパイラルが作れるようになってきますよ。バラやカーネーションの1種類だけなら、茎が同じ種類でそろっていて、花の形も組みやすいので、もう少し簡単に感じられると思います。最近では、インターネット上に花束作りの動画も多く出ているので、見てみるのもいいかもしれません。彩り豊かなアレンジメントで、見る人が元気になるとうれしいですね!

気軽に始める!季節色のフラワーアレンジメント

鳴海汐さん

花とヨーロッパをこよなく愛するフリーライター。
国内のフラワーアレンジメントスクールで5年間フレンチスタイルを学んだあと、フラワーアレンジメント発祥の地であるイギリス最古のスクールでIntensive Basic Carrier Courseを修了。さらに同国において、フラワージュエリー提唱者Clare Kenwardの個人レッスンを受講。現在はWEBを中心に、花にまつわる話題のほか、イタリア、イギリス留学中に気づいたこと、海外ニュースまで幅広く執筆中。

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)