フィンガーフードで楽しもう!

大切な人とスパニッシュ・フィンガーフードで素敵な時間を…

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初めまして!日本フィンガーフード協会認定講師、武田典子です。

5回に渡り、フィンガーフードのおもてなしスタイルをご紹介してまいりましたこのブログも、今回が最後となりました。今回は「大切な人とスパニッシュ・フィンガーフードで素敵な時間を…」がテーマです。

人生の中で、関わりを持つ人はたくさんいても、本当に心を開いてつき合える人はどのくらいいるでしょうか。仮に気の合う人がいたとしても、積極的に関係を築く努力をしないと、おつき合いは続かないもの。

「今度会おうよ」「そうね、会いたいね」

「機会があれば」「そのうちね」

 

そう言っているうちに、時間はどんどん過ぎていきます。機会は「あれば」ではなくて、作ってしまえばよいのです。まずは日にちを決めて、会いたい人をお家に招いてみましょう。家飲みのいいところは、時間や周りを気にせず語り合えるところ。フィンガーフードがその時間を後押ししてくれます。気取らないスペイン料理なら、ワインを開けてリラックスしながら、積もる話もじっくりゆっくりできることでしょう。大切な人との思い出話にさりげなく寄り添ってくれる、そんなスパニッシュ・フィンガーフードを5品ご紹介します。

スペインオムレツ

フライパンで丸く焼き上げるカジュアルなスペインオムレツも、フィンガーフードにすればちょっとよそゆき顔に。角型で抜くことで、形もサイズも同じに揃えられます。上に乗っているのは、アリオリソース。そして素揚げしたセージの葉をあしらっています。

スペインオムレツは半熟くらいの方が断然美味しいのですが、フィンガーフードに仕立てる場合は、くずれてしまっては大変なので、少し長めに火を通します。とはいえ、焼きすぎてしまっては台無しです。まだ中が半熟のうちに火からおろし、蓋をしてそのまま20分放置。こうしておけば、余熱で中まで火が通って、しっとり焼き上がります。

焼きパプリカのカナッペ

高温のオーブンで黒焦げになるまで焼いた赤パプリカ。少し蒸らして皮をむき、塩、ニンニク、ビネガー、オリーブオイルでマリネします。シンプルながら、じっくりと時間をかけて火を通したパプリカの、甘くて美味しいこと!時間のあるときに作って冷蔵庫に常備しておけば、そのままワインのおつまみになりますし、サラダに乗せたりカナッペにしたりと色々活用できます。

こちらのカナッペは、薄くスライスしてトーストしたバゲットにレバーパテを塗り、その上にパプリカのマリネを乗せてあります。セルバチコの葉と、レモンの皮をアクセントに。

Point !

バゲットは細めがオススメ

カナッペの台になるバゲットは、なるべく細いものがオススメです。太いものを斜めにスライスすると、かなり大きなカナッペになってしまいます。他のフィンガーフードとのサイズ感を考えると、一品だけ飛び抜けて大きくては残念。細めのバゲットを見つけたら、スライスして冷凍しておけば、解凍してすぐに使えます。また、ちょうどよいひと口サイズのミニ・トーストや、ライ麦パンなど、カナッペに適した市販品が結構出ています。輸入食材店などチェックしてみてください。

マッシュルームのピンチョス

スペインのマドリッドには有名なマッシュルーム専門のバルがあります。そこでいただく熱々のマッシュルームは絶品。シンプルな味付けが、素材の味を引き立てています。

それをアレンジして作ったこのピンチョス。

マッシュルームの柄の部分を折り取り、できた空洞にみじん切りのニンニク、パセリ、パンチェッタを詰め、オリーブオイルをかけたらオーブンへ。焼きあがったら二段に重ねてオリーブ、コルニッションとともに串で刺します。冷めても美味しく召し上がっていただけます。

Point !

底を平たくして安定させる

このマッシュルームに限らず、例えばゆで玉子などをフィンガーフードにする場合、底が丸いとお皿に置いたときにグラついて安定しません。底の丸い部分を包丁で少し削いで平らにするだけで、ピンチョスを安定して立たせることができます。

魚介のミニ・パエリア

あの平たくて大きなお鍋で作るパエリアも、小さな器に分ければとても小洒落た感じになりますよ。エビとアサリを立てるように飾ると動きが出て面白いと思います。ローズマリーの緑もよいアクセントに。

Point !

ご飯ものもフィンガーフードに

パエリア以外でも、小さな器に小分けにして盛りつければ、ピラフやカレーなどのご飯ものでもフィンガーフードとしてお出しできます。お弁当用のご飯型などを使っておにぎりのように固めるのもアリですね。少しご飯ものが欲しいときに、「使えるメニュー」になりますよ。

ナティージャ

ナティージャというのは、レモンとシナモン風味のカスタード。スペインでは定番のデザートです。キウィとクコの実を飾ってみました。クリーム状のこういうデザートは、例えばグラスの底にシリアルを敷いてみたり、ホイップした生クリームを添えてみたり、パフェのようにアレンジしてもかわいいです。

Point !

ミニ・スプーンやフォークも飾りに

グラスに刺すようにして添えたのは、ミニサイズのスプーン。プラスチック製です。例えば上のようなミニ・グラスでは、普通のスプーンは大きすぎてグラスの底まで入りません。

こんなときには、ミニ・スプーンが便利。実用的でありながら、飾りとしても活躍してくれます。フォークは、ピック代わりに使っても面白いと思います。こちらもSolia(ソリア)のもの。

http://solia-france.com

スペイン料理には、木のボードが似合う気がします。

ピンチョスの本場、スペイン・サンセバスティアンの、バルのカウンターを思い出します。大きめのボードに気ままにディスプレイ。あまり整然と並べてしまわない方がスペインらしいかもしれません。先日、昔の友人と何年かぶりに連絡を取って、会うことになりました。家に招待してフィンガーフードを作り、ワインを用意して彼女を迎えました。お互い会えなかった時間を埋めるように、それぞれの過ごしてきた日々のことを話し出したら止まらなくて。気づけばずっとテーブルに向かい合って何時間も過ごしていました。席を立つのは新しいワインを抜くときだけ。

そんなとき、フィンガーフードは本当にオススメです。最初に準備をしておけば、あとはゲストと一緒にワインを飲みながら、一つ、二つとフードをつまんでゆっくりできるのですから。

美味しいワインとフィンガーフード。かけがえのない時間を彼女も楽しんでくれたと思います

大切な人。その人と過ごす大切な時間。それが少しでも豊かなものになるように、フィンガーフードがお手伝いできることがあると思うのです。
少しだけ手間ひまをかけて「あなたとの時間が大切なのです」という思いをフィンガーフードに込めてみましょう。その気持ちは必ず伝わるはずです。それが「食べる宝石」フィンガーフードが最も輝く瞬間なのです。皆さまのこれからの時間を、フィンガーフードが素敵に彩ることができれば幸いです。日本フィンガーフード協会認定講師の私は、現在千葉県浦安市の自宅で、スペイン料理とフィンガーフードを組み合わせたおもてなしスタイルをご紹介する教室を主宰しています。ご興味を持ってくださった方は、ぜひこちらのリンクより、ブログ、Facebook、インスタグラムをのぞいてみてくださいね。

Bloghttps://ameblo.jp/sarasate17-3

------教えてくれたのはこの方------

武田典子さん

日本フィンガーフード協会認定講師料理教室「Amor a la Cocina(アモールアラコシーナ)」主宰。
夫の海外転勤により世界数カ国に駐在を経験。様々な世界の食文化に触れる。スペインのバルセロナ、マドリッドに駐在時、現地で学んだスペインの家庭料理が周囲で評判となり、料理レッスンを頼まれるようになったことがきっかけで、千葉県浦安市の自宅料理教室を開く。2017年には日本フィンガーフード協会認定講師の資格も取得。現在はスペイン料理とフィンガーフードをコラボさせたパーティースタイルの提案をしている。

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)