スペインオムレツ
フライパンで丸く焼き上げるカジュアルなスペインオムレツも、フィンガーフードにすればちょっとよそゆき顔に。角型で抜くことで、形もサイズも同じに揃えられます。上に乗っているのは、アリオリソース。そして素揚げしたセージの葉をあしらっています。
スペインオムレツは半熟くらいの方が断然美味しいのですが、フィンガーフードに仕立てる場合は、くずれてしまっては大変なので、少し長めに火を通します。とはいえ、焼きすぎてしまっては台無しです。まだ中が半熟のうちに火からおろし、蓋をしてそのまま20分放置。こうしておけば、余熱で中まで火が通って、しっとり焼き上がります。
焼きパプリカのカナッペ
高温のオーブンで黒焦げになるまで焼いた赤パプリカ。少し蒸らして皮をむき、塩、ニンニク、ビネガー、オリーブオイルでマリネします。シンプルながら、じっくりと時間をかけて火を通したパプリカの、甘くて美味しいこと!時間のあるときに作って冷蔵庫に常備しておけば、そのままワインのおつまみになりますし、サラダに乗せたりカナッペにしたりと色々活用できます。
こちらのカナッペは、薄くスライスしてトーストしたバゲットにレバーパテを塗り、その上にパプリカのマリネを乗せてあります。セルバチコの葉と、レモンの皮をアクセントに。
Point !
バゲットは細めがオススメ
カナッペの台になるバゲットは、なるべく細いものがオススメです。太いものを斜めにスライスすると、かなり大きなカナッペになってしまいます。他のフィンガーフードとのサイズ感を考えると、一品だけ飛び抜けて大きくては残念。細めのバゲットを見つけたら、スライスして冷凍しておけば、解凍してすぐに使えます。また、ちょうどよいひと口サイズのミニ・トーストや、ライ麦パンなど、カナッペに適した市販品が結構出ています。輸入食材店などチェックしてみてください。
マッシュルームのピンチョス
スペインのマドリッドには有名なマッシュルーム専門のバルがあります。そこでいただく熱々のマッシュルームは絶品。シンプルな味付けが、素材の味を引き立てています。
それをアレンジして作ったこのピンチョス。
マッシュルームの柄の部分を折り取り、できた空洞にみじん切りのニンニク、パセリ、パンチェッタを詰め、オリーブオイルをかけたらオーブンへ。焼きあがったら二段に重ねてオリーブ、コルニッションとともに串で刺します。冷めても美味しく召し上がっていただけます。
Point !
底を平たくして安定させる
このマッシュルームに限らず、例えばゆで玉子などをフィンガーフードにする場合、底が丸いとお皿に置いたときにグラついて安定しません。底の丸い部分を包丁で少し削いで平らにするだけで、ピンチョスを安定して立たせることができます。
魚介のミニ・パエリア
あの平たくて大きなお鍋で作るパエリアも、小さな器に分ければとても小洒落た感じになりますよ。エビとアサリを立てるように飾ると動きが出て面白いと思います。ローズマリーの緑もよいアクセントに。
Point !
ご飯ものもフィンガーフードに
パエリア以外でも、小さな器に小分けにして盛りつければ、ピラフやカレーなどのご飯ものでもフィンガーフードとしてお出しできます。お弁当用のご飯型などを使っておにぎりのように固めるのもアリですね。少しご飯ものが欲しいときに、「使えるメニュー」になりますよ。
ナティージャ
ナティージャというのは、レモンとシナモン風味のカスタード。スペインでは定番のデザートです。キウィとクコの実を飾ってみました。クリーム状のこういうデザートは、例えばグラスの底にシリアルを敷いてみたり、ホイップした生クリームを添えてみたり、パフェのようにアレンジしてもかわいいです。
Point !
ミニ・スプーンやフォークも飾りに
グラスに刺すようにして添えたのは、ミニサイズのスプーン。プラスチック製です。例えば上のようなミニ・グラスでは、普通のスプーンは大きすぎてグラスの底まで入りません。
こんなときには、ミニ・スプーンが便利。実用的でありながら、飾りとしても活躍してくれます。フォークは、ピック代わりに使っても面白いと思います。こちらもSolia(ソリア)のもの。
スペイン料理には、木のボードが似合う気がします。
ピンチョスの本場、スペイン・サンセバスティアンの、バルのカウンターを思い出します。大きめのボードに気ままにディスプレイ。あまり整然と並べてしまわない方がスペインらしいかもしれません。先日、昔の友人と何年かぶりに連絡を取って、会うことになりました。家に招待してフィンガーフードを作り、ワインを用意して彼女を迎えました。お互い会えなかった時間を埋めるように、それぞれの過ごしてきた日々のことを話し出したら止まらなくて。気づけばずっとテーブルに向かい合って何時間も過ごしていました。席を立つのは新しいワインを抜くときだけ。
そんなとき、フィンガーフードは本当にオススメです。最初に準備をしておけば、あとはゲストと一緒にワインを飲みながら、一つ、二つとフードをつまんでゆっくりできるのですから。
美味しいワインとフィンガーフード。かけがえのない時間を彼女も楽しんでくれたと思います
大切な人。その人と過ごす大切な時間。それが少しでも豊かなものになるように、フィンガーフードがお手伝いできることがあると思うのです。
少しだけ手間ひまをかけて「あなたとの時間が大切なのです」という思いをフィンガーフードに込めてみましょう。その気持ちは必ず伝わるはずです。それが「食べる宝石」フィンガーフードが最も輝く瞬間なのです。皆さまのこれからの時間を、フィンガーフードが素敵に彩ることができれば幸いです。日本フィンガーフード協会認定講師の私は、現在千葉県浦安市の自宅で、スペイン料理とフィンガーフードを組み合わせたおもてなしスタイルをご紹介する教室を主宰しています。ご興味を持ってくださった方は、ぜひこちらのリンクより、ブログ、Facebook、インスタグラムをのぞいてみてくださいね。
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