

鈴木:都心の一等地に土地を買われたお客さんで、趣味はバイクという若いお父さんがいる3人家族。クルマは持っていないけど、家を建てるなら大きな駐車場をつくって、アルファロメオでも止めたいなと。じゃあ、3階建ての1階部分は思い切って全部ガレージにしちゃいましょうという話になった。
藤山:男の憧れですね、ガレージ。
鈴木:せっかくだから、新築の記念にハーレーに乗り換えますとか、夢はどんどん膨らんで、ほとんどフルスペックに近い豪華なガレージをつくったわけ。
藤山:ええ。
鈴木:でも、いつまで経ってもクルマを買う気配がない。気になって久しぶりに訪ねてみたら、もともと置いてあったカワサキのバイクもそこにはない。ご主人にうかがったら、「バイクは売りました」って。
藤山:なんでまた。
鈴木:「なんか、家建てたらライフスタイルが変わっちゃったんですよね」って。そのときはジョギングにはまってました。実は、「ガレージがほしい」という男性は多いんだけど、実際にガレージを活用している人って意外と少ないんだよ。
藤山:えーそうなんですか。ガレージに一人でこもって、所さんみたいに趣味の世界に没頭しているのかと思いきや。
鈴木:それがそうでもないの。なぜかというと、きちんとしたガレージは排気ガスの処理や防犯性能も必要だから、ほかの部屋とは切り離した一区画としてつくることが多いわけ。そうなると、半分屋外みたいな場所になるから、ガレージに行くことが「わざわざガレージに移動する」って感覚になっちゃうんだよ。要は、おっくうになる。