ワインバーで聞く、ワインライフのちょいワザ集。

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もう少しでお花見の季節ですね。さて、ワインは?

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お客様を待つワインバーのたたずまい

オーナー

いらっしゃいませ。いつものカウンターでよろしいですね

さとう

はい。お願いします。まだ寒いけど、春ももうすぐだね。

オーナー

今年の冬は、都心でも久々に雪が積もったりして寒かったので、余計に春が待ち遠しいです。そういえば、昨年は、お客さんのきょうこさんにお花見ワインのアドバイスをしていただきましたね。

さとう

ワインバー的日常会話(笑)

オーナー

今日はグラスシャンパーニュでよろしいですか?ミニエールのブリュット・ゼロがありますので。

さとう

えっ!すごい!このミニエールのブラン・ド・ブランは昨年一番の衝撃だったんですよ。

ミニエール・ブリュット・ゼロ:2015年にファースト・リリースの新星レコルタン・マニピュラン

オーナー

ジャック・セロス系ですけど、またちょっと違った凛とした感じが良いですね。こちらはブラン・ド・ブランではありませんが。あっ、噂をすればきょうこさんの登場ですよ(笑)いらっしゃいませ。

きょうこ

グラスシャンパーニュをください。昨年はお花見ワインのアドバイスありがとうございました。とっても好評でした。おかげさまで、今年もその役がワイン好きな重鎮のご指名で回ってきました^^

さとう

お役に立ててなによりです。

オーナー

昨年のネタがあるから大丈夫ですね。

きょうこ

それが・・・・

オーナー

それが????

きょうこ

勿論、実際に用意したワインも好評だったのですが、それを選んだ時のポイントの方が受けまして、それで今年も指名されたんです。

さとう

「次はどんなエピソードが出てくるか?」を先輩たちが楽しみにしていると・・・

オーナー

さとうさん、出番です(笑)

きょうこ

お願いしますm(__)m

さとう

え~~~もう、結構ネタ出しちゃったもんな^^;

オーナー

ですよね~~~。

きょうこ

そこを何とか。

オーナー

ところで、そろそろ次のワインを召し上がりますか?花見にピッタリなロゼがありますが。

さとう

いやいやそれじゃ、昨年のパターンから抜け出せないから、何かほかにグラスワインないですか?

 

オーナー

では、ロゼでもちょっと変わったところで、スパークリングはいかがですか?Roederer Estate "Quartet ROSE" NV

さとう

面白いですね。そちらをお願いします。シャンパーニュのルイ・ロデレールがカリフォルニアで作っているものですね。

オーナー

かしこまりました。最近は、イギリスのスパークリングワインが注目されていますけど、こちらもなかなか良いですよ。1980年代から取り組んでいますし。 きょうこさんもいかがですか?

きょうこ

きれいな色ですね。やっぱり、お花見に欠かせない(笑)私もそちらをいただきたいです。イギリスのスパークリングが注目されているとのお話がありましたが、イタリアのフランチャコルタもそうですし、世界のいろいろなところで、クオリティーの高いスパークリングができているんですね。

オーナー

比較的リーズナブルなものをよく見かけるスペインのカヴァにも、すごく丁寧に作られたクオリティーの高いものがありますしね。

さとう

あっ!それ使える!!!世界っていうやつ。

オーナー

えっ????世界・・・。

さとう

そう、世界。たとえば、世界各地の桜とワインのエピソードっていうのはどう? 桜といえばもちろん日本が一番だと思うけど、海外にもいろんなところに桜の名所があるから、そこのワインをセレクトするっていう。

オーナー

名所の近くっていうのは難しいかもしれないけど、国単位くらいならできそうですね。

きょうこ

素敵です。桜を愛でる国のワイン。お花見のワインセレクトのストーリーにぴったりです。このスパークリングワインの産地の近くでも桜が咲いているんでしょうか?

左から、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、オレゴン、ペダルマ・ギャップのワイン

さとう

うーん、そうだね。例えばアメリカっていうことであれば、ワシントンDCのダイタル・ベイスンは桜祭りでも有名なスポットだよね。

オーナー

ワシントンつながりで、ワシントン州のワインとか(笑)ワインの産地でいうならばオレゴンにもたしか桜があったような。

きょうこ

今調べていたら、サンフランシスコにも桜の名所があるみたいです。サンフランシスコならばカリフォルニアワインの産地も近いですしね。それこそこのスパークリングの産地も近い。

さとう

カリフォルニアが使えるならば、話題のペタルマ・ギャップのワインを入れたらよいかもね。

オーナー

一番新しいAVA(アメリカ政府公認ブドウ栽培地域)ですね。太平洋からの冷涼な海風の吹き込むエリアのワイン。そのエリアの規定に初めて、風速が入ったことでも話題になりましたね。

きょうこ

なんてマニアックな会話(笑)でも、話のネタがあるのはよいことです。カリフォルニアやオレゴン、アメリカのワインは充実しそうですね。

さとう

アメリカのお隣のカナダにもバンクーバーを始めとして桜の名所があるはず。

きょうこ

アイスワインとかですね。甘口の。以前、お土産にいただきました。

オーナー

最近では、東側のオンタリオ州ナイアガラ周辺に、リースリング、シャルドネ、カベルネ・フランといった甘くない品種のワインがあって注目されています。

左から、カナダ、ドイツ、イギリスのワイン

さとう

西側のブリティッシュ・コロンビア州のオカナガン周辺ではピノ・ノワールが注目されているよね。

きょうこ

こうしてみると、カナダも結構面白いですね。桜とワインで北米の旅的になってきましたから、次はヨーロッパもいろいろ調べてみますね。

オーナー

そろそろグラスも空いてきたご様子ですので、次は何を召し上がりますか?せっかくだから先ほど話題に出たものをグラスで開けましょうか?

さとう

いいノリですね(^^) では、ペダルマ・ギャップがいいな。

オーナー

かしこまりました。赤でよいですよね。Keller "La Cruz" Sonoma Coast California Pinot Noir2013です。

きょうこ

私にもいただけますか。まだ、ペダルマ・ギャップの表記はないんですね。

オーナー

2018年1月から施行されたので、この時期では、まだ表記できないんです。

きょうこ

なるほど、ではこれからのお楽しみですね。これはカリフォルニアですが、ヨーロッパにも桜はありますよね?フランスに行ったときにパリのセーヌ川沿いに桜並木があったような・・・。

オーナー

きょうこさんが見たセーヌ川沿いの桜並木のほかに、エッフェル塔そばのシャン・ド・マルス公園にも桜があります。パリをイメージしてのセレクトならばやはりロゼのシャンパーニュでしょうか?ランスもパリから近いですし。

さとう

日本の花見よりかなりおしゃれ感高くなりそうだね。桜の花びらをシャンパーニュグラスに浮かべてとか(笑)

きょうこ

ドイツのハンブルグやベルリンにも日本人が寄贈したりした桜のスポットがあるみたいですよ。

オーナー

ドイツワインといえば、リースリングとかの白ワインがメジャーですが、最近では冷涼な気候を活かしてつくられるピノ・ノワールも注目されていますね。もともとは一部の方向けに作っていたようですが。

さとう

ベルリンの桜並木は、ベルリンの壁が崩壊したときに、日本のテレビ局が世界に寄付を募って、桜を植えたのが始まりじゃなかったかな。

きょうこ

はい。ネットの情報だと、東西冷戦の時に双方のスパイの交換をしていた「グリーニッケ橋」のたもとへの2本の植樹から始まり、最初に壁が開かれた「ボーンホルマー通り」に最後の木が植えられるまでに20年の歳月を費やして、9,000本植えられたそうです。

オーナー

ストーリーありますね。日本の心が通じているようでうれしいですね。

テロワール・アル・リミット:生産者D.フーバーと畑、世界で高評価のトップキュベ。写真:ワイナリー和泉屋

きょうこ

これで、アメリカ、フランス、ドイツのワインがリストに入りましたね。

さとう

そういえば、イタリアにもローマ郊外のE.U.R.(エウル)という地区に「日本の散歩道」と呼ばれている桜並木がありましたね。

オーナー

ローマといえばラツィオ州のワインですね。

きょうこ

すごい、イタリアワインも使える。まるで世界旅行ですね(笑)

さとう

先ほどのワシントンD.C.やドイツ、イタリアのE.U.R.(エウル)とか桜の名所になっているところは日本が寄贈したりしているところも多いみたいだし、お花見の話題にもことかかないし。

きょうこ

スペインには、200万本の桜が植わっているところがあるみたいですよ。このストレマドゥーラ州のヘルテ渓谷というところに。きれいですね。

オーナー

200万本ですか・・・数えるのも大変だったでしょうね(笑)

さとう

スペインワインならばもうちょっと北のほうだけど、今ガルナッチャ(ブドウ品種)とかがとても注目されていますね。

オーナー

さとうさんのお好きなヒメネス・ランディとかですね

さとう

そうそう、他にもテロワール・アル・リミットや、スモイという地品種を使ったアルスヘリピンスとか、とても素敵なワインがたくさんありますよ。

きょうこ

これでスペインもゲット!スペインは比較的リーズナブルでおいしいのがたくさんあるからうれしいです。

さとう

あとヨーロッパのメジャー都市といえば、ロンドンだけど、ロンドンにはこれといった桜の名所は聞かないね。

見上げる桜、青空とのコントラストが美しい。写真提供:Masayoshi Okano

きょうこ

ロンドンは公園が多いから、それぞれの公園の中に桜があるみたいですよ。中でも、バタシーパークには桜並木があるようです。

オーナー

イギリスといえば、スパークリングワインが注目ですね。ナインティバーやハンブルドンとか。

さとう

最近はピノ・ノワールとかもあるんでしょ?

オーナー

スパークリングも作っているガスボーンのピノとかもよいですよ。

きょうこ

これでイギリスも使えますね。といってもワインがあまりないかな(笑)。こうやって話していると、桜って本当に世界に広がっているんですね。今回は、ワインのセレクトから始まった話だから西洋中心になりましたけど、韓国や台湾といったアジアの国にも桜の名所はありますしね。

さとう

結局、今日は、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、と7ヶ国も出ましたね。これだけ出るとセレクトって感じじゃなくなっちゃった(笑)

オーナー

でも、とてもいいストーリーができたのではないかと。あっ、あとは当然日本のワインも必要ですね。

きょうこ

大事な国を忘れていましたね(笑)

さとう

桜の大好きな人たちが集まっての花見に、桜を愛でる国のワインを飲む。

オーナー

それぞれの国の桜の名所とワインの紹介を合わせて。

きょうこ

まさに、ワインと桜の世界旅行!これで来年のワイン係も指名されそうです^^;なんか、ワインを絡めて見えてくることってたくさんありますね。飲み物としてももちろん大好きなんですが、その周辺にあるいろいろなことや、文化や、ストーリーがとても楽しいです。ますますワインにはまりそうです。

さとう

味やいわゆるうんちくだけでない、1本のワインを選ぶ時の知的ゲームのような感覚や背景の文化を含めたワインの楽しさを知っていただけたら嬉しいです。

ワインバーで聞く、ワインライフのちょいワザ集。

佐藤 なおきさん

学生時代にワインに目覚めてひたすら趣味としてワインを飲み続けるワインラバー。ワインはテーブルに話題を運び、会話を弾ませる存在として味そのものだけなくワインにまつわる様々な要素に関心を持っている。著名ソムリエやワインラバーとの親交も多く、世界のワインの潮流を意識している。ソムリエとかとは違った飲み手の視点、ホームパーティや仲間での集まりでのおもてなしの視点、ストーリー発想からのワイン選びが得意。

ホームパーティやワイン持ち寄り会などでのワイン選択で困ったときのワインチョイスの仕方などについて、ワインラバーの立場からワイン専門誌でも連載中。ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会 オフィシエサーブルドール騎士団 オフィシエコマンドリー・ド・ボルドー コマンドゥール

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)