ワインバーで聞く、ワインライフのちょいワザ集。

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バレンタインデー、その時ワインはどうする?

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本日のグラス・シャンパーニュ。シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン。

オーナー

いらっしゃいませ。カウンターですね。

さとう

はい。最初はグラスのシャンパーニュで。

オーナー

本日のグラス・シャンパーニュは、こちらのダヴィッド・レクラパールのラポートルがありますが、いかがですか?

さとう

いいですね。レクラパールのフラッグシップ。ブラン・ド・ブラン好きにはたまりません。

オーナー

ところで今日はおひとりですか?もし、おひとりでしたら、相談に乗っていただきたいお客さんがいらっしゃるのですが?

さとう

ワインのセレクト?(笑)ラポートル美味しいですね。さすが。

ブルゴーニュを代表する大手ネゴシアンのひとつルイ・ジャドのシャサーニュ・モンラッシェ。

オーナー

はい。多分、さとうさんもご存知のめぐみさんがワインのことで伺いたいことがあると・・・。いらしたら連絡してくださいと言われていまして。

さとう

めぐみさんなら、十分ワインの知識はお持ちでしょう?

オーナー

僕もそう思うのですが・・・なにか、特別なことでもあるのかと。

さとう

お役に立てるならば何なりと(笑)タイミングが合えばいいけど。

オーナー

シャンパーニュを1グラスサービスしますので(笑)

さとう

ラッキー!!これが飲めるならばなんなりと。

オーナー

いや、銘柄はこちらで指定させていただきます^^;

さとう

そりゃそうですよね(笑)

オーナー

めぐみさんからこちらに向かうとメッセージがありました。よろしくお願いします。もう一杯いかがですか?

さとう

サービスのグラス・シャンパーニュは相談に乗った後にいただきますよ(笑)。白ワインをグラスでもらえませんか?

オーナー

少ししっかり目の、シャサーニュ・モンラッシェはいかがですか?

さとう

先ほどのシャンパーニュといい、贅沢なグラスワインですね。では、それをいただきましょうか。

オーナー

シャサーニュ・モンラッシェは比較的リッチな印象なので、こちらのシャンパーニュの後にはよいかなと。

さとう

たしかに、コントラストがはっきりしてよいですね。

オーナー

あっ、めぐみさんがいらっしゃいました。いらっしゃいませ。早かったですね。

2013年からエチケットが新しくなった、サンテステフドカロンセギュール(サードラベル)

めぐみ

ご連絡有難うございます!すぐ近くにいたのでラッキーでした。こんばんは。お隣失礼します。

オーナー

まずは、何かお飲みになりますか?

めぐみ

グラスでシャンパーニュをください。

オーナー

本日のグラス・シャンパーニュは、ダヴィッド・レクラパールのラポートルがありますが、いかがですか?

めぐみ

嬉しい!これ飲んでみたかったんです!

オーナー

お待たせしました。レクラパールのラポートル、ブラン・ド・ブランです。

めぐみ

オーナーさん素敵。これならば最強です(笑) あっ、それはそうと、さとうさんに相談があるんです。もうすぐバレンタインデーですよね。その時のワインのことで。

さとう

はい。伺っていますよ。グラス・シャンパーニュでつられました(笑)。で、相談事って?

オーナー

チョコレートじゃなくて?あっ、でもチョコレートのことなら男性には相談しないですね(笑)

めぐみ

そうなんですよ。チョコレートじゃなくて、ワインなんです。

さとう

チョコレートに合うワインはなにか?とかですか?

めぐみ

それもそうなんですが、それも含めて、質問は3つあります。私のまわりの女子や男性陣からの期待大です(笑)

さとう

グラス・シャンパーニュ3杯必要だね(笑)

オーナー

あっ!^^;

めぐみ

まず、ひとつめの質問。バレンタインデーといえば、どんなワインが想像されますか?

さとう

マリアージュとかそういうことではなくて、バレンタインデーの気分に合うワインということですね?

めぐみ

はい。この質問は男性、女性の両方から出ています。女性陣からは自分のご主人や彼がチョコレートをあまり得意じゃないので代わりにワインにしたら・・・という感じで、男性陣からはバレンタインデーのチョコレートのお返し?的にディナーをする際にどんなワインが似合うか、という様な質問です。

オーナー

さすが有能な秘書。周りから頼りにされていますね。

めぐみ

私もさとうさんに頼ってますけど(笑)

オーナー

賢明なご選択です(笑)

さとう

バレンタインデーらしくロマンチックなワインチョイスは何かってことですね?

オーナー

ハートマークのカロン・セギュールとか?

めぐみ

まあ、そういうことなんですが、それは比較的有名で、もうちょっと技のあるやつないかなと^^;おまけにリーズナブルな方が嬉しいし。

さとう

なるほど、今話題に出たカロン・セギュールはそれになりのお値段ですが、セカンドのル・マルキ・ド・カロン・セギュールやサードのサン・テステフ・ド・カロン・セギュールならばハートマークがリーズナブルに手に入りますよ。

オーナー

確かに・・・でも、ありがち(笑)

さとう

あとは、シャンパーニュなら、やはりロゼかなぁ。名前からしてもロマンチックなアムール・ド・ドゥーツとかもあるけど、これだとリーズナブルにはならないな。

オーナー

ミュズレがペンダントになるしかけのあるやつですね。

めぐみ

素敵、でもちょっとお値段が・・・^^;

さとう

たしかに素晴らしいシャンパーニュですが、気軽に飲める値段ではないですよね。あと、シャンパーニュでハートマークといえば・・・ジャニソン・バラドンのヴァンドヴィルかな。ピンクのハートが印象的で、これなら比較的リーズナブルにハートをゲットできます(笑)

めぐみ

それで相手も気持ちもゲットできたらよいのですが・・・。

ロバモール 生産者:アルフレッド・マエストロ・テヘロ スペイン *写真提供:ワイナリー和泉屋

オーナー

こういうシャンパーニュを用意しようという、気持ちが一番ですから。他にもハートマークのワインは探せば結構たくさんありますよね。この時期にスペシャルボトルで出してくるものもあるし。

めぐみ

確かに、この時期に見かける、わかりやすいハートマークもありですね。ちょっとベタすぎるかなぁと思いますが^^;

さとう

では少し技ありなところで、スペインのロバ・モールはどうでしょう?かわいい女の子の手を握りキスしているちょっとひょうきんなオオカミのエチケットなんです。 めぐみさんが言ったように、いかにもなハートやキスマークはベタ過ぎておしゃれ感が足らないし、なんかプロモーショナルな感じがして・・・気恥ずかしいというか、なんというか。もともとからハートマークのエチケットならばよいのですが。

王冠がペンダントになるアムール・ド・ドゥーツ

オーナー

ロバ・モールは、100年以上の樹齢だけを使ったアルビージョ(ブドウ品種)100%でしたよね。たしかにワインとしてのクオリティもしっかりしているし、ベタ過ぎないところがいい。

めぐみ

こういうのを待っていました(笑)

さとう

これでグラス・シャンパーニュ一杯いただけるかな(笑)

オーナー

はい、もちろん、めぐみさんも同じものでよいですか?

めぐみ

私は、さとうさんが飲んでいる白ワインが良いです。シャサーニュ・モンラッシェですよね?

さとう

あとは、ロマンチックというテーマならば、やはり、シャンボール・ュジニー村のアムルーズではないでしょうかね。

オーナー

真打登場。畑名が「恋人たち」ですからね(笑)

カリフォルニアNAPA、KENZOエステートの「夢久muku」は、ソーヴィニヨン・ブランのレイトハーベスト

めぐみ

それならば私もわかります。しかし、それは、ワインが素晴らしすぎて、それこそ目がハートになっちゃいます(笑)

オーナー

ワインラバーの性(サガ)ですね。でも“ワインに”ですよね(笑)

めぐみ

では、ふたつめの質問です。チョコレートの代わりに甘口のワインを差し上げる、または、一緒に飲むとしたらなにがよいでしょう?

オーナー

甘いチョコレートの代わりにデザートワイン。僕にはそれでお願いします(笑)

めぐみ

当日、どなたも相手にしてくれなかったらお邪魔します(笑)

さとう

ですよね。ソーテルヌが王道なのはその通りだと思いますが、なにか少し変わったのもがないかなと。

オーナー

そのコロロは?

めぐみ

ソーテルヌは例外なく美味しいと思うのですが、シャトー・ディケムっていう王様がいるじゃないですか。そうすると、それ以外にして、“イケムみたいなやつ”に思われたらいやらしく・・・^^;

さとう

あまり賛成できる意見じゃないな。他のソーテルヌもそれぞれ個性があって美味しいと思うけど。

オーナー

ですよね~。なんかイケム以外がかわいそう。でも、確かにうちの店でも、その発言聞いたことあります。“イケムみたいなやつ”というのを(笑)それだけイケムがメジャーで素晴らしいってことなんでしょうけど。シャンベルタンがついていると、村名でもシャンバルタンといってしまう人や、ピュリニーやシャサーニュでもモンラッシェといってしまう方もいますから。

さとう

なるほどね。確かにわかりやすい印なんでしょうね。他の甘口でも面白いものは、ありますよ。

オーナー

ドイツのトロッケン・ベーレン・アウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・アスーがソーテルヌと並ぶ世界三大貴腐ワイン。

めぐみ

また高級路線に行っちゃう!

オーナー

いやいや、そうでもなくて、それぞれがイケムのような特別なものもありますが、シャンパーニュのスタンダードクラス程度の金額でも十分満足できるものありますよ。

さとう

あと、フランスならロワールのシュナンブランで作られる甘口は、酸もしっかりあってさわやかな甘さでよいかもしれませんね。お手軽なものも結構あるし。

オーナー

コトー・デュ・レイヨン、ボンヌゾー、カール・ド・ショームとかですね。中には遅摘みタイプのものもあるようですが、基本は貴腐ワインですしね。

めぐみ

さわやかな甘さ!っていう響きが素敵ですね(笑)

オーナー

作り手によってかなり甘みにも違いがあるのでお店の方によく聞かれたほうが無難です。

南仏ラングドック・ルーション地方、バ ニュルス地区で造られる天然甘口ワインのバニュルス。


さとう

今、遅摘みの話が出たけど、ニューワールド含めて、最近はいろいろなエリアでハーベスト(遅摘み)のワインがありますよね。それらは、ソーテルヌほど甘くないものが多いのでこういう時には使いやすいかもね。

オーナー

カリフォルニアのKENZOエステートやニュージーランドの大沢ワインズもレイトハーベストを作っていますしね。

さとう

他にも甘口ワインには、ドイツやカナダには葡萄の実が樹上で自然に凍ることでできるアイスワインや、イタリアのパッシートやレチョートのような陰干しのワイン、スペインにもリーズナブルでおいしい甘口や半甘口のワインはたくさんあります。いろいろ試してみると楽しいですよ。

めぐみ

確かに、そうですね。なかなか自分で飲んでこなかったので、これを機会にいろいろチャレンジしてみようかな。

オーナー

フォアグラとかのペアリングに甘口は必須でしょう(笑)

めぐみ

ペアリング!それがまさに三番目の質問です。ズバリ、チョコレートに合うワインは何ですか?もともとワインとチョコレートの相性はどうなんですか?

さとう

ワインとチョコレートは、ともにポリフェノールが入っているので基本的には相性が良いと思います。渋みの部分も似ていますよね。加えて、チョコレートと組み合わせられるナッツとかいろいろな素材はよくワインの香りとかに例えられるので相性がよいのだと思います。ただ、チョコレートの味が強いのであまり繊細な味わいのワインだと微妙なワインの味がわからなくなったりはするかもしれませんが。

オーナー

「きれいな酸」と表現されるようなタイプのワインは避けたほうが無難かなと思います。

さとう

チョコレートに合わせるというならば、先ほども出てきた陰干しのワインとかはよいと思います。甘いもの同士ですし、ワインに感じる焦げっぽさや凝縮感みたいなものがペアリングのフックになるのかなと思います。

めぐみ

「ペアリングのフック」って、いい表現ですね。イメージがわきやすいです。

さとう

チョコレートとのマリアージュを純粋に考えると、王道的には、酒精強化ワインですが、バニュルスやポートワイン、マデイラ、ペドロヒメネスで作られたシェリーとかがチョコレートとは相性が良いです。

オーナー

それぞれのちょっとトロッとした感じも、チョコレートとマッチしていますよね。

めぐみ

試してみたくなりました(笑)

約束のグラス・シャンパーニュはローラン・ペリエ。

オーナー

では、次の一杯は、そちらにしましょうか?

めぐみ

今度、チョコレートを持ってきたときにします。今日は、白ワインをもう一杯お願いします。

さとう

僕は、お約束のシャンパーニュにしようかな。あと2杯飲めるはずだし(笑)

オーナー

あっ、覚えてましたね(笑)

めぐみ

シャンパーニュはチョコレートには厳しいですか?

さとう

ロゼのほうが合わせやすいような気がします。ホワイトチョコレートとかなら合わせやすいような気もしますが。

めぐみ

なんとなくイメージできますね。いろいろ情報を仕入れられたので、少し自分でも調べて皆さんにレポートしてみます。

オーナー

はい、本日の講師料のグラスシャンパーニュです(笑)

さとう

ありがとう。確かに、相性ってあるし、それによって、より美味しさを増幅させたりってあるけど、自分の好きなものと好きなものを両方並べる楽しさもあるからね。今日の話が絶対なわけじゃないと思います。

オーナー

そうはいっても、ファッションもコーディネートってあるじゃないですか。好きなスーツと好きなシャツと好きなネクタイを合わせたらまったく合わないとか、やたら派手になってしまったとか(笑)

めぐみ

そうですね。人間関係も似ているかな、たぶん合わないんだろうけど、なぜか惹かれるみたいな(笑)

さとう

そうですね。マリアージュの妙って面白いですね。オーナーさん、残りの講師料?の1杯はめぐみさんに差し上げてください。

ワインバーで聞く、ワインライフのちょいワザ集。

佐藤 なおきさん

学生時代にワインに目覚めてひたすら趣味としてワインを飲み続けるワインラバー。ワインはテーブルに話題を運び、会話を弾ませる存在として味そのものだけなくワインにまつわる様々な要素に関心を持っている。著名ソムリエやワインラバーとの親交も多く、世界のワインの潮流を意識している。ソムリエとかとは違った飲み手の視点、ホームパーティや仲間での集まりでのおもてなしの視点、ストーリー発想からのワイン選びが得意。

ホームパーティやワイン持ち寄り会などでのワイン選択で困ったときのワインチョイスの仕方などについて、ワインラバーの立場からワイン専門誌でも連載中。ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会 オフィシエサーブルドール騎士団 オフィシエコマンドリー・ド・ボルドー コマンドゥール

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)