イタリアワインだけを持ち寄ってお料理に合わせる
きょうこ
ワインの勉強をしはじめたら、ワイン会とかのお誘いが結構あるんですよ。スクールのクラスメイトとか、昔からの知り合いでも私がワインに興味を持ったと知って、誘っていただいたり。 それはとてもうれしいのですが、今度、ワイン持ち寄りの会というのがあって、ひとり1本もって集まるのですが、その時にどういうワインを持って行ったらよいものかと・・・。
オーナー
ワイン持ち寄り会ね。うちでもたまにありますよ。さとうさんもされたことありますよね。そういうときには持ち寄りワインに何か決まりごとがあるんですか?
さとう
あの時は確か、日本ワインを持って来ることにしていたような・・・。
オーナー
そうでした。うちは普段日本ワインを扱っていないので、僕もテイスティングさせてもらって、とても勉強になりました。
さとう
まあ、そんな感じに持ち寄りのテーマを決めることは多いよね。あとは、お料理を先に決めたら、それに合わせるワインの担当を決めてそれぞれ持ってくるとか。
きょうこ
それ面白そうですね。ホームパーティとかでも使えそう。
オーナー
きょうこさん、お料理に自信ありますね。
きょうこ
いや、そういうわけではないんですけど・・・(笑)
さとう
その持ち寄り会というのはどんな感じの会なの? 何かテーマとかはないの?ワインの産地や国だとか、ヴィンテージだとか、セパージュ(ぶどう品種)だとか?あとは、価格帯とか?合わせるお料理とか・・・。 ワインで決まってなくても、どなたかのバースデーとかお祝い事とか、集まるテーマ的なものがあるとか・・・。
ビッグボトルはパーティの華。左端はジェロボアム(3L)隣ふたつと右から3番目がマグナムボトル(1.5L)
きょうこ
たぶんあるんだと思うんですけど、まだ聞いていないんです。
オーナー
それじゃ、さすがのさとうさんもアドバイスのしようがないですよね(笑)
さとう
確かに。でもひとつだけあるよ。 「困ったらマグナム!」(笑)
オーナー
インパクト勝負!(笑)
さとう
そうそう、僕らもテーマが無くて、みんなで何か持って楽しくワイワイやろう!みたいなことってあるんですよ。そういう時は、あまり考えずに参加した人が楽しくなればよいので、マグナムサイズで盛り上げます。普通の倍の大きさのボトルがあるだけで、なんとなく場が華やかになるでしょう。
きょうこ
なるほど。でもマグナムはお高いというか・・・単純に考えても倍のお値段ですよね。
さとう
お友達と二人で1本にすればよいのでは?それでも普通のサイズ2本よりは少し高くなるけど、注目を浴びる投資と考えればリターンは十分かと。
きょうこ
それかっこいいですね。いただきます(笑)
オーナー
確かに。この店で持ち寄りの会があってマグナムボトルがあったら、なんとなくワインに詳しい人いるなって思いますよね。それに、大きさ2倍、おいしさも2倍って、いいますしね。特にシャンパーニュではマグナムボトルの熟成期間を普通のボトルのものより長くしている作り手さんもいますしね。
きょうこ
ますます、使えますね。このネタ。友達に相談してみようっと。
ローヌ地方の白ワイン
さとう
でも、人数がそれなりにいる時でないと同じものが2本分だから飽きたらもったいないし。マグナムは、やはり人数が8人以上の時がおすすめです。8~10人ならば、ひとり2~3杯は飲めるので、ものによってはあけてからの変化も楽しめます。
オーナー
シャンパーニュだったら、最初の乾杯と、冷やしておいてシメシャン(〆のシャンパーニュ)なんてのもいいじゃないですか?
きょうこ
素敵!オーナーさん、さえてますね。次は私に白ワインをください。
さとう
僕にも白ワインをグラスで。
オーナー
かしこまりました。お好きなローヌのブランがありますよ。
きょうこ
私にもそれをください。
日本人オーナー杉本氏が率いるCh.igai Takaha(カリフォルニア)の「美夜」花火にぴったりの名前
きょうこ
さとうさん、今お話いただいたマグナムボトルのようなワイン持ち寄り会で使えるネタは他にないですか?
さとう
ないない(笑)ワインの持ち寄り会は多くの場合、何か目的?テーマ?があってそれに沿って皆さんが持ち寄るから楽しいのであって・・・。
きょうこ
では、なにかテーマを聞いてきて、また相談に乗ってもらおうっと。私が幹事する時のために、今度テーマの作り方教えてください。
オーナー
それは、さとうさんのお得意分野ですね。
さとう
テーマを決めるのは、好きだけど、僕はどちらかというと自分でワインを用意したりして、流れを組み立てる方が好きかな。
オーナー
そうかもしれませんね。でも、そのテーマが面白いじゃないですか。以前、こちらでお話していただいた、世界のいろいろな国のワインを集めてワインで世界旅行とか、大学在学中のヴィンテージだけ集めて同窓会とか・・・。
きょうこ
それも楽しそう。それならば、そういうテーマで持ち寄りにすればいいですね。私が持ち寄り会の主催者になる日が来たらやってみたいテーマです(笑)
さとう
では、その日までにはまだ時間がありそうだから、今でも使えるネタをもうひとつ出しちゃおうかな?(笑) 次は赤ワインいただこうかな。ピノ・ノワールで何かありますか?
きょうこ
さっき、ネタはないって言っていたのに! 私にも赤ワインください。さとうさんの赤ワインも私がご馳走します(笑)
オーナー
おっ!さとうさん、これで話さないわけにいかなくなりましたね(笑)
さとう
決して駆け引きではありません(笑) 先ほどのマグナムボトルほどわかりやすいネタではないですけど、自分がワインを持って行く時に、自分なりにストーリーを考えるってことです。
きょうこ
ストーリー?
さとう
そう、ストーリー。例えば、きょうこさんがカリフォルニアのナパバレーに旅行したとしますよね。
きょうこ
ワイナリーに行きたいです。
さとう
で、行ったとすると、お土産にワインを購入しますよね?
きょうこ
試飲して気に入ったのがあれば。そうでなくても記念に買うかも。
さとう
ワイン仲間で集まる時にそれを持って行く、そうすると、その時の話をしますよね。
きょうこ
そうですね。すると思います。
さとう
どんな話をしますか?
きょうこ
なぜそのワインを買ったのかとか、ワインナリーの雰囲気がどうだったかとか、他に行ったワイナリーの話とか・・・
さとう
ですよね。それが、大切なことなんです?
きょうこ
????どういうことですか、普通のことですよね、そういう話をするのは。
オーナー
ワイン仲間が集まれば、同じワイナリーに行ったことのある人もいるかもしれない。赤ワイン、どうぞ。
さとう
オーナーさん、今日はさえていますね。自分が持って行ったワインが皆が集まるテーブルに話題を提供できるようにするってこと。ワインは、いろいろな酒の中でも集まる人にいろいろな角度で共通の話題を作れる飲み物のような気がするんです。 たとえば、生産地、その中にワイナリーに行っていなくてもカリフォルニアに行ったことがある人がいたら、その話題に加われるでしょう。それはきょうこさんが、カリフォルニアに行って買ってきたという話があるから盛り上がるのであって、単に、カリフォルニアのワインを近くのショップで買っていっただけじゃ、そういう流にはなりにくい。今年の夏に行くから、予習にというのでもいいと思います。皆さんいろいろ教えてくれますよ。
きょうこ
確かに。カリフォルニアワインはたくさんあるし、普通に飲んでいるし。で、その時にそういう話題にはならない。
さとう
この赤ワイン、カリフォルニアのピノですね。
オーナー
以前、さとうさんからお土産でいただいたものと同じワインのヴィンテージ違いです。
さとう
あっ、そうなんだ。やってくれますね。
きょうこ
まさに、こういうこと!?
オーナー
そういうことです。お話を伺いながら、今日はこれしかないなと思っていました(笑)
さとう
ここで大事なのは、カリフォルニアのワイナリーに行っているとかいないとかではなく、そこで買ってきたとかでもなく、自分でなぜそのワインを選んだのか?をきちんと話せるようにしておくことなんです。
きょうこ
ヴィンテージとか?
オーナー
作り手とか?
さとう
そうですね。もっと簡単でもいいかもしれない。エチケット(ラベル)とかネーミングとか。
きょうこ
そうか、単にお店に勧められたからでは、話しすることもすべて受け売りになっちゃいますけど、自分でなにかテーマを持っていれば、なぜそれを選んだのか?を話せる。そうすると、そこから話題が広がる。
オーナー
ワインの知識がないと厳しいような気もしますが・・
さとう
たとえワインに詳しくてもそうでなくても、「夏らしいラベルにしました」とか「花火だから”美夜”というネーミングのワインにしました」とか・・・
オーナー
”美夜”。杉本さんがオーナーのシャトー・イガイタカハですね。
さとう
そうそう。そういう選択ならばワインの知識とは関係なくできる。あとは信頼できるショップの方にそのテーマと予算を伝えて選んでもらうとか。
きょうこ
もう少しワイン好きな人を唸らせるならば、たとえばBBQをリゾートでやるときのワインならば、その場所の標高と同じような標高で作られているワインを持って行くとか、そういうのも面白いかも。
オーナー
マニアック過ぎる(笑)
きょうこ
たしかにそれは高度過ぎるかも。ワインショップの方もワイナリーの標高まで知らないかも。
さとう
最近は冷涼な地域のワインが注目されているので、結構、標高の情報も出ていますよ。まあ、そこまでは別として、大事なことは自分でなにかのストーリーとかテーマを決めてワイン選びをすることが会の場はもちろん、自分にとっても、ワインをさらに楽しくしてくれます。
きょうこ
本当にそうですね。
さとう
あとひとつ大事なこと。ホームパーティやお店でも貸し切りのパーティなどでそういう設定になっていれば気にすることはないけど、普通にお店にワインを持ち込む場合は、持ち込みが可能かどうかお店にちゃんと聞く。もちろん持ち込み料とかも支払う。そしてワインにこだわっている店ならば、なるべく、お店のリストにあるワインは持ち込まないようにする。あるならばそれを飲めばよいのだから。
きょうこ
そうですね。確かに、お店にとってワインは重要な商品ですから、勝手に持ち込んだりしてはお店が困りますよね。
オーナー
良いワイン飲みの方は、そういうことにも気をつかってくれます。だから、少し持ち込み料はいただきますが、どうしてもという時は気持ちよく持ち込んでいただきます。我々もワインを愛しているので美味しく飲んでいただきたいんです。よいワイン、古いワインになればなるほど、早めに持ってきていただいて、ゆっくり休ませてから飲んでいただきたいです。 ところで、次はどうされますか?
さとう
せっかく開けてくれたカリフォルニアのピノをもう一杯ください。
きょうこ
今日はとても良い話が聞けました。ありがとうございます。私ももう一杯、同じ赤をいただきます。このワイナリーに行ってみたくなりました。
オーナー
今日は長くなりそうですね。
さとう
今度は僕がご馳走しましょう。オーナーさんのワインセレクトにまんまとやられたな(笑)きょうこさんも良いワイン飲みになりそうですね。
オーナー
そりゃあもう(笑)
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