人が主役のゆとりある暮らし

ヨーロッパのクリスマスの過ごし方

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はじめまして、収納コーディネーターの鷲谷直子です。 生活の変化に合わせた「物ではなく人が主役の暮らし、上質でゆとりある暮らし」をテーマに収納の仕事をしています。 今月から「ヨーロッパに学ぶ、人が主役のゆとりある暮らし」をお伝えします。

私が住んだイギリスやドイツでの人々の暮らしは古い伝統をとても大切にするものでした。一方では機能的で効率を重視する一面もありました。ヨーロッパの日常のちょっとした生活習慣には、上質な暮らしのヒントがありそうです。 第1回目の今回は、「ヨーロッパのクリスマスの過ごし方」をご紹介します。

いよいよクリスマス本番ですね。皆さんはどう過ごされますか? 今回、私がご紹介するヨーロッパのクリスマスは、まるで日本のお正月のように遠方に住む家族も集まって過ごすのが一般的です。 家族が集う賑やかなクリスマス・・・。 さらにデコレーションで美しく彩られ暖かな気持ちになります。

街に出れば、イギリスのロンドンでは煌びやかなイルミネーション,またドイツでは暖かい雰囲気のクリスマスマーケットが並び、街全体がクリスマスモードに包まれます。 最近は日本でもあちらこちらで美しいイルミネーションが飾られ、クリスマスマーケットも開催されているので、このあたりの盛り上がり方は共通ですね!

でも、そんなクリスマスシーズンの前にヨーロッパの人々がする年中行事をご存知でしょうか? それは各家庭で片づけをする習慣があるということ。 例えば、

•1年間で使っていない物

•新品で使う予定の無い物

このような取り上げ方をすると、日本人の感覚では「捨てるもの」という悪いイメージがありますが、彼らの目的は「寄付するものを選ぶ」ということ。

寄付する物の選別が済んだら、街にある教会に持ち寄ります。教会には寄付箱が置かれていて、持ち寄った寄付品を預けます。 また、ヨーロッパの学校では、子供達に幼少の頃から寄付をする活動を任す教育もなされています。寄付をする対象施設に欲しい物リストを送り、そのリストを元に喜ばれるものを寄付するというシステムです。 お互いに助け合うというキリスト教の精神が、根底にあるのかも知れません。

また、ヨーロッパの気候に目を向けると、10月頃から始まる長い冬は、15時にはもううっすらと暗くなる日々が続きます。

そのため、人々は年末ではなく、春や秋など季節の良い時に大掃除を行う習慣があります。理に叶っていて良いアイディアですよね! だから、年末のクリスマスシーズンには、寄付品の選別だけで済ませられるのですね。  

ヨーロッパの夏は夜22時位まで明るさを感じる日々が続きますので、日も長く天気も良い春から秋が掃除をするにはぴったりな季節なのです。

一方、日本では考えられないかもしれませんが、レストランはお休みとなり、楽しいクリスマスマーケットもクリスマスイヴからクローズです。 サービス業に従事する人々も休暇を取り、家族と過ごすという素敵な習慣があるのです。そしてクリスマス休暇はそのまま新年の1月2日まで続きます。 こんな風にキリスト教圏のヨーロッパの人々は、宗教的な古い伝統を守りながら、大掃除を気候の良いシーズンにしっかり済ませておくという、効率のよい臨機応変は発想をもっています。 このあたりは、四季がはっきりとわかれている日本においても、厳しい季節に備え、計画的に掃除をしていくといったように置き換えることが出来ますね。

さて、皆さんはクリスマスをどう過ごされますか? 大切な方と素敵なクリスマスや年末年始をお過ごし下さい。 大掃除は秋に済ませ、年末は片付けだけを行えばいい環境にしてみる。クリスマスから年末年始にかけてゆっくり過ごす習慣を作るのも良いかも知れませんね。

次回のテーマは「大人の国イギリス人から学ぶ礼節」です。イギリス初赴任日の隣人とのエピソードをご紹介します。 ブログをお読み頂きまして有難うございました。

人が主役のゆとりある暮らし

鷲谷 直子さん

収納コーディネーター。イギリス・ドイツに17年間在住。帰国後、整理収納とインテリアの資格を取得。「美しい収納と暮らしやすい住まい」をモットーに、個人宅の収納サービスを手掛ける。収納セミナーや資格認定講座の講師を務める。Flexibleフレキシブル代表。

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