無駄遣いを洗い出せ!新年の計画は今のうちに
年末は、節制に努めると同時に、家計全体を見直す良いタイミングでもある、という丸山さん。
「年の終わりは、家庭の台所事情がはっきりしてくる時期。1年間の収支のバランスを見て、削れる出費はないか、お金の整理&チェックをしましょう。翌年以降、徹底的な節約が必要なのか、それとも、手取りを増やしていくような工夫が求められるのか。年越し前までには、計画を練っておくべきです」
また、普段は後まわしにしがちな、お金まわりの事務手続きも、年内に終えてしまえば、すっきりと新年を迎えられるでしょう。
「ほとんど使っていないサブスクリプションの解約や、保険のプラン変更などは、たしかに煩わしい。でも、年が変わると、より面倒になってしまうかもしれません。『もうすぐ年末だから』『新年に持ち越さないように』と自分に言い聞かせて、早めに着手しましょう」
ルールが大事。使う前に、貯める……
一時的な節約だけではなく、継続してお金を貯めたい場合は、どうすればいいのでしょうか。
「節約で家計に余裕が出てきても『余った分だけ貯金しよう』という考えでは、なかなかお金は貯まりません。ルールを決めて、順序立てて見直していきましょう」
具体的には、何から始めるべきでしょうか。
「まずは“先取り貯蓄”をします。手取り収入の2割を貯蓄にまわし、簡単には引き出せない場所、たとえば『iDeCo』や『つみたてNISA』などで運用するのもいいでしょう。この2つは、節税にもなります」
使う前に、貯める分のお金を確保してしまうのですね。
「そうすれば、強制的に残りの8割だけで生活せざるを得なくなります。その中で、どのように節約していくかを考える。見直す順序としては、毎月決まった額を支出する固定費から、そのあとに生活費の順番で整理していくのがおすすめです」
1ヶ月の生活費を、〇等分しておこう
固定費では、家賃はなかなか削りづらいですが、その他の通信費やサブスクリプション代、前回お伝えした光熱費などは、削減できそうです。
では、毎月変動する生活費は、どのように考えれば良いでしょうか。
「生活費は『手取り-(固定費+貯蓄)』という式で計算可能。月にいくら使えるのかを、ざっくり計算します。算出できたら、その金額を5等分しておきましょう。たとえば、10万円が月々の金額なら、1週間に2万円で生活します。金額がはっきりすると、やりくりしやすくなりますよ」
1ヶ月が5週間だから「5等分」なのはわかりますが、最初もしくは最後の週は大体2~3日しかありません。そこだけお金が余ってしまうのでは?
「そこがポイントなんです。毎週決まった曜日に新しい予算をお財布に入れ替えて、残ったお金はそのやりくりの成果として、別封筒に分けておきます。5週に分けると、2-3日で終わる週もありますが、4週に分けると反対に9-10日分になるので、やりくりに余裕がなくなってしまいます。どちらの方法がやりやすいのかはその方次第ですが、個人的なおすすめは5週に分ける方法です。1ヶ月やりくりをして残ったお金は家計管理の成果ですので、美味しいものを食べたり、数ヶ月分貯めて旅行へ行ったりするなど、本当のご褒美に使うといいですね」
なるほど、これが「無駄な出費を減らして、浮いたお金で豊かに暮らす」ということですね。こうした「ご褒美」があれば、ゲーム性が生まれ、楽しい節約生活を送れそうです。
さらに、習慣として毎日やっておくと良いことが2つあると丸山さんはいいます。
「『一日の終わりに家計簿をつけること』『その日のレシートを五分間チェックすること』は、ぜひやっていただきたいですね。家計簿は、紙でもアプリでも良いので、お金の流れをはっきりとわかるようにするのがコツです。また、レシートを見ると、何にいくら使ったか振り返ることができるので、出費に対して敏感になり、節約を意識しやすくなります」
健全な家計管理は、小さなことの積み重ねで成り立っています。雑多な出費を抑えて節約しつつ、年末に家計全体の見直しを行い、より良い新年を迎えましょう。
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