急な出費にびくつかない!春の家計徹底見直し術[第3回]

計画的に貯金増! 家計管理からお金を増やす方法

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家計見直しから
「貯金」につなげる方法とは

 貯蓄をするにあたって、毎月家計の苦しい中、無理にでも貯蓄にお金を回すというのはよく聞く話です。しかし、「この方法はやめるべき」と井戸さんは言います。

「貯蓄や積み立て費用を、生活費から無理やり捻出する必要はありません。そのように貯蓄を続けると自由に使える金額が減り、生活を圧迫するので、結局蓄えを崩していくことにつながってしまいます」

 では、どのように貯蓄していくのがいいのでしょうか。

「『家計の見直しをして、天引き、積み立てする割合を決める』ということを徹底しましょう。天引き後の家計が使えるお金ですので、生活のクオリティを下げずに無理なく続けることができます。また、資金的にも精神的にも余裕ができて、さらに家計を見直していくモチベーションにつながります。まずは『楽に』使える資金を洗い出しましょう」

 最初は少ない金額でも、積もっていけば「貯蓄の成功体験」となります。再現性のある貯蓄方法を模索していきましょう。

貯蓄を増やす方法
「つみたてNISA」と「iDeCo」

 お金を増やすための方法の一つとして、「つみたてNISA」と「iDeCo(イデコ)」があります。

 つみたてNISAとiDeCoは、それぞれの特徴をしっかりとおさえて運用を開始しましょう。

つみたてNISAとiDeCoはどちらが良い?

 つみたてNISAとiDeCoは、結局どちらがおすすめなのでしょうか。

「絶対にどちらを使ったほうがいいというものではありません。それぞれのメリット、デメリットを理解して、自身に合ったものを選択するといいでしょう」

 それでは、どのように使い分けていけばよいのでしょうか。

「家族構成や収入額で考え方が変わるのは、『自由に引き出せるかどうか』という点でしょう。つみたてNISAは、急な出費が発生しても、口座からお金を引き出して対処することが可能です。つまり、定年前に増えたお金を使いたいという場合は、NISAのほうが適しています。一方、iDeCoは退職後の年金です。60歳以降まで引き出せません。老後資金として使っていくことが目的となるでしょう」

 夫婦で別々に加入してもよさそうですね。

「夫がつみたてNISA、妻がiDeCoのように分けて運用していってもいいですね。一方は退職前のお金、もう一方は老後資金に、などと別々に積み立ていくのも一つの手です」

 つみたてNISAとiDeCoの他には、何か貯蓄を増やすためにできることはあるのでしょうか。

「例えば、つみたてNISAやiDeCoに加入しながら普通預金をしつつ、資金が溜まったら個人向け国債に切り替えるのもおすすめできます。お金を使うタイミングがわかっているなら、定期積み立てで支払う金額を捻出することも考えられますね。こうすることで、より多く貯蓄を増やしていけるでしょう」

 家計管理を徹底することで貯蓄をしていく余裕が生まれ、お金を増やせるのならば、大変効率的ですね。しかし、急に大きな金額を節約したり、貯蓄、投資に回したりということは避けた方がよいでしょう。まずは少額から、徐々に使えるお金を増やしていくことをおすすめします。

 今日から家計の見直しを図り、家族皆の豊かな人生を設計してみてはいかがでしょうか。

≪お話を伺った方≫

井戸美枝さん

井戸美枝事務所代表。ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士・産業カウンセラーとして、相談、講演、執筆活動を行う。お金に関係する複雑なトピックも、わかりやすく解説する経済エッセイストとしても活動中。著書に『このままじゃ老後の資金が足りない!!と不安になったら読む「お金」徹底見直し術』『なぜ、お金の貯まる人は「家計簿」を大切にしているのか―マネー・ダイエット超入門』など。

文◎熨斗秀信
撮影◎平野晋子

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