

年齢を重ねると、体力的にも経済的にもリフォームをしづらくなります。特に定年後は収入が減るため、「50代のうちに自宅を大改造しよう」と考える方も多いことでしょう。50代のリフォームポイントは、「心と体の負担が少ない住まい」です。「まだ早い」という方もいるかもしれませんが、老いに備えることこそ、元気で快適に暮らすための秘訣でもあるのです。
戸建て住宅で、生活の場が1階と2階に分かれていると、不便に感じることが多くなります。理想は、1階で生活のすべてが完結する間取り。玄関からキッチンまで、寝室からトイレまで、洗濯機から洗濯干し場まで……ポイントは動線を短くすること。まずは、部屋の配置や広さにこだわらず、楽に移動できる動線を優先して間取りを考えてみるのがよいと思います」と、住宅専門誌『建築知識ビルダーズ』編集長の木藤阿由子さん。この時、スペースが足りなければ、玄関ホールや廊下を部屋へ。それでも足りなければ、リビングを小さくするのも手です。「夫婦2人が揃ってリビングにいる時間は、意外と少ないものです。どちらかが新聞を読んだり、テレビを見たりするだけであれば、大きなソファでなくてもよいでしょう。来客や帰省した子どもや孫は、ダイニングで対応すればよいのです」。