2020クリスマス「おうちイルミネーション」を楽しむ [第2回]

家の周りはオーセンティックに

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関心
ライフスタイルデザイン季節

大切な人を迎えるイルミネーション

 テーマパークのような派手なイルミネーションはすでに過去のものですが、住宅街にクリスマスをお祝いする明かりが灯っていると、ほっこりした気分になるものです。門扉、庭、植栽、玄関など、イルミネーションで彩れるスペースはたくさんあります。

「あれもこれもといろいろ飾りたくなるものですが、それをはじめると際限がなくなってしまいますね。いつのまにか明るすぎてご近所迷惑になってしまう可能性もあります。むしろ落ち着いて、オーセンティックな雰囲気のイルミネーションディスプレイのほうがより心に響くと思います」という小木曽さん。

 派手になりすぎず、それでも通り過ぎる人や家に訪れる人たちの心を惹きつけるイルミネーションにするには、どうしたらいいのでしょう。

「まずは、ポイントをひとつに絞ることです。庭やベランダなどにあれこれとアイテムを置いてしまうと散漫になってうるさい感じになってしまいます。玄関脇にシンボルツリーのようなものがあれば、それをストリングライトで飾って、シンボルツリーにしましょう」

 第1回で伺ったように、地植えにしたもみの木を毎年クリスマスツリーとしてイルミネーションでライトアップするのも素敵です。

「もちろんもみの木はクリスマスの象徴ですから最高だと思います。けれど、ストリングライトが取り付けられることで、もみの木でなくてもクリスマスらしい雰囲気は演出できます。ヨーロッパでは、クリスマスイルミネーションは年越しのお祝いの意味もあって、12月の頭から翌年1月の下旬くらいまで片付けずにいます」

 そう考えると、もみの木にこだわらず、庭や玄関脇の樹木をライトアップするのも良さそうです。

「使用するライトの数は、常緑樹か落葉している木かで異なります。2mくらいの木だと400球から500球くらいでかなり豪華なイルミネーションになると思います。5mとなると、落葉樹なら1000球、もみの木などの常緑樹なら2000球くらいを考えておけば良いのではないでしょうか」

門から玄関へと誘うデコレーション

 小木曽さんはシンボルツリーのほかに、玄簡まわりにもアクセントを加えると一層素敵になるといいます。

「この時期、お客様が家にやってくることも多いでしょうから、玄関までのアプローチをイルミネーションで飾ることは、歓迎されている印象を与えられると思います。光るものを使わずに、玄関までの通路や玄関前赤い植物、たとえばポインセチアの鉢植えなどで飾ってもいいでしょう。落ち着いた、大人のクリスマスの雰囲気が出せます」

玄関の扉には、ぜひモチーフライトやリースを

玄関ドアに飾るリース。素敵なでデザインのリースがたくさん売られています。電池式でLEDライトが点灯するものも。

「玄関の扉にリースや星形などのモチーフライトを飾るのもぜひやっていただきたいこと。家にやってきたお客さまに、特別なおもてなしでお迎えしている気分を感じていただけると思います」

 アプローチにイルミネーションを使っていなければ、玄関のリースやライトが一層浮き上がって目立つかもしれません。LEDが仕込まれているリースも素敵ですね。

「リースはさまざまなデザインのものがあります。けれど、材料を買ってきて、家族でリースを作るのも楽しいと思います。ドライフルーツを使ったり、家族写真をプリントアウトして貼り付けたり、家庭ならではのリースを作ってみるのも素敵だと思いますよ。LEDで光らせなくても、玄関のダウンライトなどを当ててリースを浮き上がらせると、落ち着いているけれど印象的な玄関になります」

 お手製のリースを一緒に作ると、家族のクリスマス気分も盛り上がりそうですね。マンションなど、イルミネーションを光らせることがはばかられる環境でも、リースとダウンライトで印象的な演出になりそうです。

 次回は、室内のクリスマスイルミネーションについて伺います。

≪お話を伺った方≫

小木曽ゆりかさん

植物で空間を演出する「株式会社グリーンディスプレイ」事業推進室所属。公共空間やホテルからオフィス、レストランまで、さまざまなクリスマスイルミネーションを担当する。
http://www.green-display.co.jp/

●協力 ハルモニア https://harmonier.co.jp/

文・写真◎坂井淳一

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