2020クリスマス「おうちイルミネーション」を楽しむ [第1回]

様変わりするクリスマスイルミ

空間
リビング・寝室・居室
関心
ライフスタイルデザイン季節

今年のイルミネーションは少し控えめ

 毎年、クリスマスシーズンになると、街を彩るイルミネーションが話題になります。けれど、今年はコロナ禍の影響もあり、人が大勢集まる場所のディスプレイは、少し控えめになっているようです。

「イベントなどはかなり中止になっていますね。屋外でも人が密集しないように配慮をしながらのイルミネーションが求められています」と言うのは、商業施設やテーマパークなど、数々のイルミネーションを手がける株式会社グリーンディスプレイの小木曽ゆりかさん。

「そうした場所からレストランやオフィスまで、場所に合わせた素敵なイルミネーションのプランを立てています。

 街のなかにクリスマスの明かりが灯ると、一年の間に起きたことを思い起こしたり、これからの生き方を考えたり、いろんな思いがよぎります。おうちに素敵なイルミがあればなおのこと。いい思い出になる素敵なおうちイルミネーションでクリスマスを迎えてくださいね」

ライト周りはこの数年でぐんと進化!

 毎年、住宅街の家々がたくさんのライトや光る置物などで飾られるクリスマスイルミネーション。テーマパークのパレードと見まがうばかりの光景がテレビなどでも報道されてきました。

「かつては、夏くらいから計画を立て、年末が近づくと、数万円の電気代を払うような派手なイルミネーションをなさる方がたくさんいらっしゃいましたね。でも最近では、おうちイルミはポイントを絞って飾り付けるほうが素敵に見えます」

 控えめなイルミネーションなら、夜の間点けっぱなしにしてもご近所の迷惑にもなりません。近頃は電気代もあまり気にしなくて良くなったようです。

「LEDライトの普及によって消費電力がぐんと下がりました。かつてはクリスマスの間だけ電気工事をしてイルミネーション用の電力を引き込む家庭も少なくありませんでしたが、いまは、外壁にあらかじめ設けられた防雨形の電源ボックスからとる電源だけで、屋外のイルミネーションの電力をまかなえます」

 屋外用の600球くらいのイルミネーションでも、消費電力は30ワットくらいと、かなりエコな製品が市場にたくさん出回っています。なかにはソーラー充電式のものも。防水仕様でコントローラ付きのものも多く、さまざまな点滅パターンを選べます。どんなイルミネーションにするかプランを立てるのも楽しそうですね。

室内イルミは乾電池や充電式

 室内のイルミネーションも大きく様変わりしたようです。

「やはりLEDのライトが一般的になってきたことで、自由度が広がりました。充電式や乾電池式のものが増えてきていますね。コンセントの位置を気にせずに設置できます。コードがないので、小さなお子様がいて走り回る家庭でも引っかけることがなく、安心して使えますね」

ツリーもサスティナブルに

 クリスマスツリーの素材そのものも多様化しているようです。

 世の中の潮流が「サスティナブル」な方向にシフトして、生木のクリスマスツリーもリサイクルやリユースされることが増えてきました。例えばIKEAでは、例年、生木のクリスマスツリーは、会員限定ですが年明けに店舗に持って行けば引き取ってクーポン券をもらえます。回収した生木のもみの木は、燃料や肥料などに加工されてリサイクルされていました。

グリーンディスプレイが担当した、銀座ミキモト本店のクリスマスツリー。

「私たちが2017年まで毎年担当させていただいたミキモト銀座本店のツリーも生木でした。本社の建て替えのために昨年が最後になってしまいましたが、30年あまりの間、毎年、新しいもみの木を根付きのまま掘り起こしてクリスマスツリーにしていました。シーズンが終わると、公共施設や学校などに寄付されます。ですから、飾り付けも、極力木を傷めないように気をつけて行なっていました」

 こうした経験から、小木曽さんは、生木のもみの木を使うなら、根付きの鉢植えがお勧めだといいます。

「もみの木は、案外強い植物です。育て方も難しくありません。鉢植えならば、直射日光が強すぎるところは避け、玄関やベランダに置いて、水やりだけしていればいいでしょう。鉢植えだと、成長が抑制されるので大きく育ちすぎることもありません」

 逆に、地植えをすると、1.5mくらいのツリー用のもみの木も5年ほどで5mくらいの高さになります。剪定なども必要ですが、おうちのシンボルツリーとして植えるのも素敵かもしれませんね。

グリーンディスプレイが実際に使用しているアートツリー。さまざまな形や色があります。

「根付きを選ばないのなら、アートツリー、フェイクツリーを使うのがお勧めです。これは分解、収納が出来ますから、何年も使えますし大きさが変わることもありません。最近は、生木と見間違えるアートツリーも少なくありません。私たちがオフィスやレストランなどのイルミネーションで使うのは、最近はほとんどアートツリーになりました」

 次回は、家の外回りのイルミネーションのポイントについて伺っていきます。

≪お話を伺った方≫

小木曽ゆりかさん

植物で空間を演出する「株式会社グリーンディスプレイ」事業推進室所属。公共空間やホテルからオフィス、レストランまで、さまざまなクリスマスイルミネーションを担当する。
http://www.green-display.co.jp/

●協力 ハルモニア https://harmonier.co.jp/

文・写真◎坂井淳一

【2020クリスマス「おうちイルミネーション」を楽しむ】の記事一覧

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)