道具はレンタル可能。選び方にも注意して
装備については自前のものを用意したいところですが、たいていのジムはシューズなど道具のレンタルを行 っています。また滑り止めチョークを用意してある施設も多くあります。ただ、レンタルの場合も購入の場合も、クライミングシューズの選び方には気をつけなければなりません。「少し小さめ」が目安ですが、小さすぎると足が痛くなります。かといって緩いと、ホールド性に問題が生じます。
また、人の足の形は千差万別のうえ、メーカーやモデルによっても靴の型が異なります。選ぶときにはサイズだけでなく、足の形にぴったりとフィットしたものを探すようにしましょう。
靴ほどではありませんが、ハーネスについても同様です。ウエストや太腿のサイズだけでなく、股上の深さなどでも身体にしっくり合うものと、そうではないものがあります。初めての人が自分の判断だけで選ぶと失敗することがありますので気をつけてください。
こうした道具を購入する場合は、ショップのスタッフとの相談が欠かせません。十分な知識を持ち合わせて いるスタッフのいるショップを選ぶことが重要です。
チョークも必要最低限の装備品です。一般に普及しているのは粉末状チョークで、自然の岩場では「チョ ークバッグ」という専用の袋に入れ、腰に下げて登ります。登りながら手の滑り止めができる便利グッズですが、ジムではフロアやマットに粉末が飛散してしまい、スタッフが掃除で大変です。そこで最近は、布バケツのような専用の入れ物をフロアに置き、その中にたっぷりのチョークを用意したジムが増えています。自前の装備を持ち込めるジムの場合も、こうした専用の容器を準備するか、「チョークボール」を使用するだけに限定される施設がほとんどです。チョークボールとは、手のひらに収まるくらいの小さな球状チョークで、粉末タイプとはちがって飛散することがありません。必要最低限の装備のみで行うボルダリング一式をそろえると、2万円前後の買い物となります。小さな額で はありませんので、後悔のないよう、慎重に納得のいく買い物をしたいところです。
スポーツクライミングを始めるにあたって、握力や腕力のなさを心配される方がいますが、あまり気にする必要はありません。女性や子どもでも、慣れてくれば器用にバランスをとりながらスルスルと登れてしまいます。柔軟性もあるにこしたことはありませんが、練習そのものがストレッチ運動になるので、積み重ねていくうちに身体が柔らかくなっていきます。
むしろ重要なのは、「登りたい」という目的意識があるかどうかです。そして、登りきったときの達成感を、ぜひ忘れないでください。
写真提供/ロストアロー
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