“イイネ”が増えるオシャレな暮らしの撮影テクニック

会員限定

おしゃれなファッション・小物写真の撮り方

空間
リビング・寝室・居室
関心
ライフスタイルインテリア学ぶ

こんにちは。 ファッションスタイリストの角侑子です。 この連載では“充実したライフスタイル”をテーマに室内でのおしゃれな写真の撮り方をご紹介しています。お部屋のお気に入りの場所を、おしゃれに、素敵に撮影して、SNSでたくさんの人に見てもらいましょう。

さて、連載5回目となる今回のテーマは、 「お気に入りのファッションや小物のおしゃれな撮り方」です。

お店で見つけたお気に入りのワンピースや、長年愛用し続けている香水など、愛してやまないファッション・小物は、きっと皆さんの身の回りにたくさんあるはず。 お気に入りのアイテムをご自身の友人やフォロワーの方にもシェア(共有)したいという気持ちは、多くの方が持っていることでしょう。とはいえ、それがどんなによいものなのかを写真で表現するのは、とても難しいことです。 今回は、ファッションや小物をよりおしゃれに見せる写真の撮り方についてご紹介したいと思います。

【ポイント1:やわらかい素材の服は、ほどよいシワ感を意識する】

洋服の写真は、基本的に「かけて撮る」か「置いて撮る」か「着用して撮る」かの、いずれかの方法で撮ります。 「着用して撮る」方法については、カメラから一定の距離を置きながら、キレイに見えやすい角度を調節したり、ポージングしたりすることも必要になるので、初めて自撮り写真を撮る方にはおすすめできません。

ハンガーにかけて撮る方法は、特に薄手の素材の洋服を撮る際に最適です。 生地がぺたっとならず、立体感を演出できます。 ただし、ハンガーにかける方法は、服がハンガーから滑り落ちてしまうなど、意外と扱いにくさを感じることもあるでしょう。 したがって、やわらかい素材の服を撮る際は、基本中の基本でもある「洋服を置いて」撮る方法がおすすめです。 特に厚みのある生地は立体感があるので、置いて撮る方がキレイに見えます。

以下でその方法について詳しくご紹介しましょう。 生地が硬く、ハリのある素材は、そのままポンと置いても写真映えしますが、ジョーゼット素材やシフォン、レーヨン素材は生地がやわらかいので、シルエットが崩れがちです。 かといって、そのシワを伸ばすようにピンととってもうまく撮れません。

そこで、あえてシワ感を活かした置き方をしましょう。

トップスは両肩をつまんで、ふわっと空気をいれるようにして置きます。 ベッドのシーツカバーを被せるときの要領で置くようにイメージするとわかりやすいでしょう。 雑に服を置いたあとでシワを整えると不自然になってしまうので、ふわっと浮かすように服を置いて、自然体なシワ感を作るのがポイントです。 1着だけでなく、何着も重ねて置く場合は、一番下にくる服から順番に置いて、服の向きがそれぞれほどよくバラバラに置くと、バランスの取れた写真が撮れるようになります。

【ポイント2:全身コーデは服を置く位置に注意する】

おしゃれなインスタグラマーがよくファッション写真を撮影していますよね。 なかには今日のコーディネート写真として、洋服のコーディネートを床やベッドに置いて撮影している方もいます。 ですがこれは、実は真似してみるとバランスがとても難しい写真です。 というのも、普段着ているようにコーディネートを置いて撮ると、縦に長く間延びした写真になってしまいやすいためです。しかも、こういった写真は、真上から撮らないとキレイにバランスよく撮れないのも難点。

そこでポイントとなるのが、洋服を置く位置です。

写真を撮る方向に向かって真っ直ぐではなく、やや傾けてトップスを配置します。次にボトムスは反対に傾けて、通常で着るよりも高い位置に配置しましょう。 トップスの胸下くらいの位置からボトムを置くとバランスがよくなります。 また、デニムなどのパンツは、Z型に折り畳み、コンパクトにおさめましょう。 空いた隙間には靴やカバンや帽子を配置します。 もし、物足りなさを感じれば、さらにアクセサリーを加えるのがおすすめ。 より完成度の高いコーディネート写真ができ上がります。

【ポイント3:いつもより派手なカラーコーディネートを意識する】

「写真映えするもの」と言えば、皆さんはどんなものをイメージしますか? たとえば、壁がかわいいい色の建物や、見た目のインパクトが強いスイーツを思い浮かべるかもしれません。 これは、ファッションにおいても同じことが言えます。

モノクロでシンプル・スタイリッシュなコーディネート写真も、世界観がまとまっていればとても素敵ですが、おしゃれな写真になるか無難になるかはまさに紙一重。 コーディネート写真を撮り慣れていない方の場合は、写真映えするカラーコーディネートを意識した洋服の写真を撮影しましょう。 たとえば、普段はあまり履かないようなビビッドなイエローのパンプスに、ネイビーのパンツやピンクのカーディガン。 普通に着て歩くとちょっと派手な印象があって、実際はなかなか着られないというものでも、写真を通したコーディネートならかわいく見えてしまいます。

このほかにも、ブルーのワンピースにピンクのパンプスや、紫のスカートにイエローのブーツなど、ビビッドな色と色がマッチするコーディネートがおすすめです。 ぜひ、お手持ちの服から探してみてはいかがでしょうか?

【ポイント4:小さい小物写真は、動きのある構図を意識する】

たとえば、お気に入りの香水やネイル、ヘアアクセサリーなど、小さくて細かいものは、写真映えがするように一工夫する必要があります。 まず、距離感については、かなり接写で細かい印象をなくすことを意識してみてください。 距離を空けて全体を撮ろうとすると、写真からでは小物のよさが伝わりにくくなってしまいます。

次にネイルなどは、色違いやブランド違いのものを5つほど点々と置き、動きをつけてみましょう。 軽やかで遊び心のある1枚が撮れます。 参考写真では、バッグに白のふんわりした羽毛の掛け布団を敷き、その上からポンポンと全体的なバランスを見ながらネイルを置きました。 ここに、ネイルの色と同色の花を散らしてもかわいくなります。 今回は、ネイルと同色のマニキュアを塗り、指先を加えました。 すると、ネイルの発色加減も1枚の写真でわかり、意味のあるインスタジェニックな一枚が撮れます。 このように、つけてみないとかわいさがわからないアイテムなどは、実際に使用した感じを加えた構図で撮ると、よりよい写真になるでしょう。 たとえば、口紅やアイシャドウのコスメ写真にも応用して使える構図です。

「自撮り写真となるとさすがにハードルが高い……」そう思う方も多いかもしれません。

そういうときは、今回ご紹介したファッション写真の撮影方法を実践してみましょう。 洋服の写真においても自分を中心に写さず、コーディネート単体で写真を撮ったり、顔を映さず一部分の着用写真を撮影したりすることで、写真をおしゃれに昇華できるはず。 コーディネート写真を撮りたいなと思った際は、ぜひ参考にしてみてください。

“イイネ”が増えるオシャレな暮らしの撮影テクニック

角 侑子さん

ファッションスタイリスト兼ファッションライター。高校卒業後、念願のテーマパークスタッフに3年間従事した後、アパレル業界へ転身。株式会社ワールドストアパートナーズの販売員を務め、スタイリスト派遣事務所へ転向。アシスタントを経て、現在はフリーのパーソナルスタイリストとして経営者・主婦・OL等の職業とニーズに合わせたファッションスタイリングを提案。現在は、ファッションに関するコラム、ライフスタイル、撮影のテクニックをanan web/TRILL/美Lab/LBR等の媒体で執筆中。

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)