「住まいのヒント」が盛りだくさん! リクシルオーナーズクラブ初の会員イベント開催 第4回

もっと大胆に、もっと自由に! “今”を感じる4つの空間 前編

空間
リビング・寝室・居室
関心
インテリア

スタイルをミックスしたり、
色を楽しんだりの新発想にワクワク

 荒井さんは、今回LIXILと一緒に空間をコーディネートするにあたって、
 ・今までにない新しさ
 ・ワクワクする感じ
 ・ちょっと自分でやってみたいな
 ということをポイントにされたそうです。

 それを踏まえて提案されたのが、4つの「“今”を感じる空間」で、それぞれ「Colorful & Luxury」「Ethnic & Natural」「Monotone & Woody」「Flower & Modern」がテーマになっています。

 荒井さんによると、「“今”を感じる」ためには、
 1.海外インテリアのように!
 2.ミックス!ミックス!
 3.色をたのしむ!
 4.統一感がありつつ自分らしさを!
 という、4つの視点を持つといいのだそうです。

 1つ目の「海外インテリア」は、確かにオシャレなものが多く、憧れる方は多いはず。

 2つ目の「ミックス」というのは、スタイルをミックスするということ。
「ナチュラル」「エレガント」というように、1つのスタイルで楽しむのが“これまで”だとしたら、“今”は、そのスタイルもミックスして楽しんじゃおう、という提案です。

「洋服も、上から下までで同じブランドでカチッと決めるのではなく、ベルトをちょっと外してみたりすると、こなれ感がでてきますよね」と、ファッションに例えてお話くださり、参加者は「なるほど!」という表情に。
 インテリアにも「遊びごころ」を加えてみるということですね。

 3つ目の「色を楽しむ」というキーワードにもハッとさせられました。日本では、室内の壁は白いことがほとんどです(もちろん、わが家も……)。

「住まいに色を加える」ということは考えもしませんでしたが、荒井さんの「簡単にペイントして鮮やかにできます。ダイニングやリビングなど広いところではなく、まずはトイレや寝室の一部に色を加えると楽しくなりますよ」とのお言葉に、「なるほど~」と、興味がそそられました。

 最後の「自分らしさ」というのは、「皆と同じではなく、もっと自由に、大胆に!楽しく!」ということです。今回、荒井さんが一番伝えたいメッセージのように聞こえました。

 そして、まさにそれが体現されたのが、4つの空間。
 イベント会場となった「代官山 T-SITE」には、そのうちの2つ、イエローの壁がインパクト大!の「Colorful & Luxury」と、植物もりもりの癒され空間「Ethnic & Natural」が設営されていました。
 今回のレポートでは、このうち「Colorful & Luxury」を紹介します。

思いっきり色を楽しむ空間

「Colorful & Luxury」のインテリアイメージについては、セミナーの途中で荒井さんが自ら来場者を引率し、空間の説明をしてくれました。

「Colorful&Luxury」は、イエローの壁が鮮やかで華やかな空間。このイエローは、アメリカのペイントメーカー、ベンジャミンムーアでペイントされています。荒井さんご自身、このペンキはお好きだそうで、実務でも多く提案施工されているとか。

 荒井さんがこのペンキをお勧めする理由は、塗料特有のにおいがなく、人体に有害なものは出ないことと、ビニールクロスの上から塗れること。
そう、健康と環境に配慮した素材なのです。

 この空間で、荒井さんのもうひとつのこだわりポイントは、落ち着いた深い緑「ボトルグリーン」のドア。この色はLIXILにしかないそうです。
 深い緑と黄色い壁の組み合わせは、確かに心が弾みます。ドア枠や幅木が白なのもおしゃれ感がアップ!

 セミナーでは、白いドアも展示されていました。
「黄色い壁に白いドアというのも、しっくりきますよね。幅木とドア枠も白なので、黄色い壁に白がすっぽりはめこまれているように見えます」と荒井さん。

 壁も「無難に白」でいいのかもしれませんが、荒井さんは、「壁面に色を入れると楽しくなりますよ。ペイントでも壁紙でもチャレンジしてみてください」と、勧めてくれました。

 床材にもこだわりが。一般的なフローリングの模様とはちょっと違っていて、パーケットという柄を使用しています。寄せ木で模様を描いた、学校の教室などでおなじみのパターンで、動きが出て楽しい感じになっています。

「床で遊びを加え、さらに黄色の壁でワクワクする楽しいイメージでまとめました」と、荒井さん。

 色がたくさん使われていると難しそうですが、荒井さんは「同じ色の反復がポイント。そうするとまとまりが出ます。この空間では黄色、グルーン、ブルーを繰り返しています。小物を選ぶとき、わが家の色にあったかな、と考えるといいでしょう」と、色を楽しむコツを教えてくれました。

 そんなポップで楽しい空間に合わせたのは、ベルベット調のソファやゴールドをあしらった照明など、クラシック感漂う家具。新しさと古さがミックスされているのが、今っぽい空間をつくり出していました。

 家具の中で、荒井さんが「おもしろい!」と感じて採り入れたのが、LIXILの新商品「マグネット対応のアクセントボード」です。参加者からも「これ、欲しい!」との声も多数あがっていました。

 このボードは全面がマグネットになっているので、マグネット対応のフックや棚を手軽に着脱できます。
「玄関やリビングの一角にあると便利ですし、お子さんがいるご家庭では、お子さんの成長にあわせてフックや棚の位置を変えられます」と荒井さん。

 写真にあるように、対応した棚を選べば書籍も載せられるほど耐久性もあります。
 色は、プレシャスホワイト、グレー、ブラック、ネイビーブルー、ボトルグリーンの5色。壁の色との組み合わせを考えるのも楽しそうですね。

 施工は壁紙をはがして、専用の接着剤と両面テープで貼るので、専門業者への依頼となるそうです。

 もうひとつ、目を引いたのが、LIXILの「すっきり棚」です。LIXILの担当者によると、シルバーだけだった金具の色が、ブラックとホワイトも追加されて選べるようになったそう。
 さらに棚板も、これまで2色しかなかったのが17色とカラーバリエーションが増え、「壁面で遊ぶ」という選択肢が生まれました。

「床や天井の色を替えるのはなかなか難しいのですが、壁の色は、ペイントや壁紙などを使って手軽に替えられます。家具もさまざまな商品が登場しています。色や素材をどう組み合わせたらいいか、考えるのも楽しいですよね。楽しみながら、より、自分らしさを出してみてください」と、荒井さん。

 自宅の無機質な白い壁を春らしく彩れば、心も弾みそうですね。
 残りの3つの空間の解説は、次回!

(第5回に続く)


文◎江頭紀子 撮影◎石橋素幸

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)