色の心理効果を上手に取り入れる
まずは色の効果を上手に使う方法を見ていきましょう。「ラ・ラ・ランド」では演出だけでなく、インテリアにも多彩な色を使っていました。
「色には人に与える効果の違いによって、膨張色や縮小色、寒色や暖色などとカテゴリー分けされています。例えば、日本の住宅の壁や天井などにはベースカラーとして白やパステルカラーなどの膨張色が多く使われていますが、これには空間を広く感じさせる狙いがあります。
映画ではカラフルな部屋が登場しますが、普段の生活の中で心地よい空間を目指すには2色でまとめるとコーディネートしやすくなります。まずはテーマとなる1色で家具やラグ、カーテンなどを合わせ、それからアクセントとして装飾品や小物で差し色を加えてみましょう。
癒やされたいときは植物などを取り入れて“緑”を加えたり、“オレンジ”や“黄色”などの明るいビタミンカラーで気分を上げてもよいでしょう。どんな気持ちになりたいかという観点からお部屋の色味を考えてみるのも面白いと思います」と横山さん。
オーソドックスな組み合わせは木調の家具や茶系のラグを使ってまとめ、差し色として鮮やかな青や赤の花瓶やクッションを少しだけ加えるとバランスが良い空間を作ることができます。
差し色は分量が少ないので、気分や季節に合わせて簡単に変えることができます。
センスを感じる男の趣味空間
続いてはセブの部屋を参考に、男性の部屋に生かせるコーディネートのヒントをご紹介しましょう。
キーワードは「無造作」です。
セブの部屋は引っ越しの荷解きもしていない、いわば未完成といった印象を受ける空間でしたが、「あえて全てをきっちり収めないというのも一つの演出」と横山さん。
「レコードのジャケットなどはお洒落なデザインのものが多いので、壁際にそのまま並べるだけでも雰囲気が出ます。また、部屋の一角に本を積み上げてみたり、机の上に本をバラっと積み重ね、その上に革の小物ケースなどを置けば、飾り過ぎず、さりげないお洒落を演出できます。
もちろん、やり過ぎると片付いていないだけの部屋になってしまいますので、こだわっているものや見せたいものに絞って、大胆に空間を使ってみるのもよいでしょう」
集中力&効率をアップする
デスクの配置
「お部屋のコーディネートとともに、シーンに合わせた家具の配置にもこだわってみましょう。現代では働き方も多様化してきて、在宅で仕事をする場面も増えてきていますが、デスクの置き方を工夫することで集中力や効率をアップさせることができます。実は、夢を叶える前のセブの部屋に置かれたピアノにそのヒントがあるんです」と横山さん。
狭い日本の部屋では少しでも空間を広く使おうと、多くの人がデスクを壁にぴったりとくっつけるように置きがち。
でも、壁にぴったりとくっついたデスクで勉強や仕事をしていると、壁からの圧迫感を感じたり、視界に入らない入口から誰か入ってくるのではと気が散ってしまいがちなのだそうです。
「集中力や効率をアップさせるためには、社長室のような空間をイメージし、出入口の方向を向いて座れるようにデスクを配置することがお勧めです。前方に空間ができることで、自然と意識が勉強や仕事に向かいやすくなります。せっかく買った勉強机よりもリビングやコタツのほうが勉強がはかどる子どもが多いという話も聞きますが、これも机の向きによる影響かもしれません」
こだわりの1点から始めてみる
お部屋のテイストの大枠が決まったら、最後にスパイスとして選び抜いたこだわりの家具や装飾品を加えてみましょう。
ファッションを例にとっても、時計や靴にこだわっている人は着ているものがシンプルでも不思議と全体の印象も良く見えるもの。
お部屋をコーディネートする際も、何か1つこだわりのアイテムがあるだけでお部屋の印象がぐっと良くなります。
「そこにあるだけでテンションや気分が上がるものを置くのが良いと思います。私の場合は少し奮発して、欲しかった絵を玄関に飾りました。何気ない生活の中でも、テンションが上がるものが目に入るところにあると毎日がんばろうと思えますよね。そんなお気に入りを少しずつ増やしていくことで、その人の理想の空間に近づいていきます」と横山さん。
今回は、映画「ラ・ラ・ランド」の世界観を生かしたコーディネートのポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
映画やドラマに登場するアイテムに注目して鑑賞すると、今まで考えたことのないコーディネートを思いつくかもしれません。
今回ご紹介したインテリアコーディネートのポイントも参考に、ぜひ自分色の空間づくりを楽しんでみてください。
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