安定して無垢の床材を提供できる体制
安心安全な自然由来の建材を提供したい、床でゴロゴロしたくなるような家に住んでもらいたい。そのような思いからスタートしたアトピッコハウスは、接着剤で固めた合板の床材ではなく、自然の無垢の床材の開発に乗り出します。しかし、製材所などを訪ねても、どこも相手にしてもらえなかったそうです。
「自分の目で見て、わからないことは徹底的に調べ、試行錯誤の後に、少しずつ納得できる製品を商品化していくことができるようになっていたのです。それが評判になり、新聞や各種のマスコミに取り上げられ、NHKでも報道されました。そのお蔭で、年間1 万戸のマンションを供給する大手デベロッパーから、技術顧問への就任を要請され、無垢の床を標準にしたいという話が舞い込むようになりました」(後藤坂さん)
こうした実績から。木材を供給してもらう製材所との関係も以前よりずっと良くなり、質の良い木材にも出会えるようになっていったそうです。こうした経緯があり、やっと安定して無垢の床材を製品化することができるようになりました。
無垢の床材は傷つきやすい!?
無垢の床材は傷つきやすいに違いない。多くの方がそう思うはずです。だから、表面を保護する塗装がなされている。しかし、必ずしもそうではないようです。
「ひと口に無垢材といっても、木の種類や加工によっても表情が変わります。堅い木材であれば傷が付きにくい反面、きめが細かいので冷たく感じるかもしれません。逆に柔らかめの木材は傷がつきやすいですが、温かみを感じます。また、材質によっては熱に弱く、床暖房に向かない木材もあります」(後藤坂さん)
無垢材は、人にもペットにも安全ですが、滑りやすい傾向があるそうです。ただ、最近では、滑りにくいUV塗装を施したものをはじめ、風合いや感触の良さを保ちながら表面をコーティングする技術も生まれ、ペットや高齢者のいる家庭にも安心して使えるようです。
思わずごろ寝をしたくなる気持ちの良い感触が魅力
無垢材の魅力は、なんといっても肌触りですね。素足で歩いても気持ちよいので、アトピッツコウスの無垢に床を張り替えると木材の知識が全くない子供が喜ぶそうです。本物の無垢の床は、なんと足の脂が自然の塗装になるとか。少々傷が付いても、やがて馴染んでしまうそうです。
しかし、そんな無垢の床材ではありますが、合板資材しか扱わない施工業者さんも。
「家主さんが希望しているのに無垢を扱ってもらえないケースもありました。当社の床材は質を見極め、加工も手を抜きません。無垢に慣れている職人さんには扱いやすいと喜ばれているんですが、職人さんの中には、昔の木材のイメージで『木は暴れる』と思われているのかもしれません」(ごとうひろ美)
確かに、自然の素材ですから湿度や温度で多少は変化するそうです。乾燥する冬場は少し継ぎ目が空くこともありますが、夏には元に戻ります。
「私どもの製品は、せいぜいその程度です。木は木材になっても生きているように呼吸しています。そういうことを施工業者さんにも、もちろん施主さんにも理解していただけるよう、事前の説明は大事だと感じています」(ごとうひろ美さん)
自然素材を生かすのは窓を開けての換気!
「我が家や事務所では、当社の無垢の床材を使っていますが、フローリング用のワイパーだけで掃除をしています」(ごとうひろ美さん)
無塗装の無垢はもちろん、自然塗装やUV塗装でも、醤油をこぼしてそのままにしていたらシミになりますから、すぐにふき取るという程度です。特別なメンテナンスはいらないのだそうです。
「まったくの無塗装の床には、当社の『ミツバチワックス』で保護することをおすすめしていますし、汚れが気になるときには、専用のクリーナーを使ってくださいとはお客さまには申しております」(ごとうひろ美さん)
あとは、畳や壁のメンテナンスと同じだそうです。自然素材は呼吸をします。1日1回、窓を開けて風を通しすことが基本です。現在の24時間換気システムは、空気を入れ替えて相対湿度を下げる効果はありますが、壁や床の表面湿度は下がらないそうです。
「風と水を清らかに流してあげれば、病気や不幸の原因を作らないという考え方が、風水にはあります。その効果のほどはさておき、実際、家の中もテレビや電子レンジなどの電化製品は静電気で埃を集めてしまいます。ずっと動かしていなかった家具の裏にカビが生えてしまったという経験がある方もいらっしゃるでしょう。こうした滞りを防ぐためにも、自然の風を流してあげること、特に自然素材を使った家には、とても大切です」(ごとうひろ美さん)
厳選された素材を暮らしに取り入れることで、人も住宅も清らかに暮らせるのかもしれません。
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