枕で変わる睡眠体験! 極上の寝心地A to Z [第2回]

眠りの質が上がる、枕選び5つのポイント

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その枕で本当に満足している?

 合わない枕は、肩のコリや不眠など身体の不調の原因になる可能性があり、枕選びで快眠が左右されるということは、ほとんどの方がご存じのはずです。

 しかし実際には「なかなか気に入った枕が見つからない」「気に入った枕を購入したはずなのに、家で使ったら合わない」「最近、肩のコリがひどい」など、枕に不満を感じている人も多いのではないでしょうか。

 そんな人に是非知って欲しいのが正しい枕選びのポイントです。あなたにピッタリ合った枕を選び、より快適で健やかな眠りを手に入れてください。

良い枕の5条件とは

枕選びで必ずチェックしてほしいのが、次の5つです。

 1.首をしっかり支えるもの
 2.後頭部にフィットするもの
 3.仰向け寝、横向き寝、どちらにも対応するもの
 4.寝返りに対応するよう十分な横幅があるもの
 5.高さ調節ができるもの

 これらの条件を満たす枕を選びましょう。そのためには「高さ」「硬さ」「大きさ」「素材」が重要です。

■高さ

 高すぎず、低すぎず、自分に合った正しい高さの枕を選びましょう。また、仰向け寝と比べて横向き寝は肩幅の分、より高さが必要となります。枕を選ぶときは、横向き寝の体勢でも高さをチェックしましょう。

 横向き寝が多い人向けに、中央部分と比べてサイド部分が高くなっている商品もあります。身体に負担が少ない快適な睡眠時の姿勢は、立ったときの姿勢を寝たときもキープできる状態です(前回「寝ても寝ても疲れが取れないのは、枕のせい!?」を参照)。

「枕売り場で高さをチェックして購入したはずなのに、家で使ってみたら何故か枕が合わない」

 そんな失敗を避けるためにも、枕と敷き寝具は一緒に選ぶのが理想です。敷きふとんやマットレスなど敷き寝具の硬さによって、身体の沈み込み具合が異なり、敷き寝具と首や頭部の間にできる隙間も変わってきます。

 とはいうものの、枕だけを買い換える場合も多いですよね。そんなときは、いつも使っている敷き寝具の種類や素材、硬さを売り場の人に伝え、それに近い敷き寝具の展示があれば、そこで実際に寝てみて、敷き寝具とのバランスが良い枕を選んでもらうと失敗が少ないはずです。枕だけで無く、敷き寝具の品揃もよく、知識豊富な店員がいる店を選ぶとよいでしょう。

■硬さ

 柔らかすぎると頭部が沈み込みすぎたり、接触面が大きくなり熱がこもりやすくなったりします。硬すぎると接触面が少なく、限られた箇所に負担がかかりやすくなります。
 硬さについては、人それぞれ好みがあります。柔らかいフィット感を心地よく感じる人もいれば、よりしっかりした首の安定感を求めて、やや硬めの枕を好む人も多いようです。適度な範囲内で好みの硬さを選びましょう。

■大きさ

 寝返りにもしっかり対応し、肩口までフィットするサイズを選びましょう。具体的には、横幅60センチ以上、奥行きは40センチ以上あるものが理想的です。

■素材

 柔らかさや弾力性、放熱性、通気性、洗濯が可能かどうか、耐久性など、素材によって特徴が異なります。それぞれの特徴を理解した上で、自分の好みに合った素材を選びましょう。

ポリエステルわた
柔らかく、弾力性に優れている。放湿性が乏しく、熱がこもりやすい。洗濯可能。耐用年数2~3年。

ダウンフェザー
吸湿性、放湿性に優れている。独特のにおいがする場合も。洗濯不可(ドライクリーニング可)。耐用年数2~3年。

ウレタンフォーム
柔らかく心地よいフィット感があるが、放湿性に乏しい。洗濯不可(陰干し)。耐用年数2~3年。

パイプ
通気性が良く、弾力性、復元力がある。虫がつかず、ホコリもたちにくい。洗濯可能。耐用年数3~4年。

そば殻
放熱性に優れており、適度な硬さで安定感がある。洗濯不可。(日干し)。耐用年数1~2年。

フィット感と寝心地を追求するオーダー枕

 自分にぴったり合う枕を探し求めると、やはり気になるのがオーダー枕です。実際にどのようなものなのでしょうか。眠りのプロが一人ひとりに合った枕選びをサポートしている西川のオーダーメイドピローを例に、オーダー枕の仕立ての流れを見てみましょう。

1.素材選び
好みの硬さやタッチを選びます。

2.高さを計測
眠りのプロ「スリープマスター」や枕のプロ「ピローアドバイザー」が、首や頭の高さを計測し、身体に合った枕の高さを確認します。

3.フィッティング
 測定結果をもとに、選んだ素材のサンプルに実際に寝ながら高さを細やかに調整していきます。

4.仕立て
 選んだ素材でオリジナル枕を仕立てます。敷き寝具によっても枕の高さは変わるため、もし、自宅で実際に寝てみて合わない場合は再調整します。気になる価格は、西川のオーダーメイドピローの場合、2万5000円(税抜き)です。(2019年10月時点)

「眠りのオートクチュール」とも呼ばれるオーダー枕。自分にピッタリの枕は、結局オーダーメイドでないと見つからないのか?というと、既製品がジャストフィットする人も多いです。いろいろ試して自分にとって最適な枕を選んでくださいね。

お話しをうかがった方

山田志奈乃さん

西川株式会社東京商品グループ2部3課課長。睡眠科学や快眠環境などの専門講習を受けた 眠りのプロフェッショナル「スリープマスター」。つねに理想の枕を追求している。

文◎渡辺タカコ 撮影◎村越将浩

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)