日本人の約半数が不眠症の疑い
世界保健機構(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」 による世界共通の不眠判定方法「アテネ不眠尺度」の質問にのっとり、日本睡眠科学研究所が2019年7月に日本全国の18歳から79歳の男女1万人を対象に行った調査では、全体の50.1%の人が「不眠症の疑いあり」という結果になりました。前年の調査と比較しても、増加傾向となっています。(「西川 睡眠白書2019~日本人の睡眠調査~」)
不眠の原因や症状によっては、適切な治療や生活習慣の改善が必要なものもありますが、快適な睡眠のためには、自分に合った寝具を選ぶことも大切です。
枕はなぜ必要なのか
身体の一部に負担がかかりすぎない自然で無理のない寝姿勢は、そのまま90度真横に倒れた状態です。
首の骨(頸椎)は、緩やかなS字を描いています。そのため仰向けになって寝ると、敷き寝具と頸椎の間に隙間ができます。その隙間を埋め、寝ている間も頭と首を支えのが、枕の役割です。
快眠のためには、自身の体形に合った枕、敷き布団とのバランスを考えた枕選びが大切です。枕を使わなかったり、合わない枕を使ったりしていると、快眠できないだけでなく、頭痛、肩こり、いびき、首のシワなど、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
意外と知らない枕の正しいあて方
枕は頭だけでなく、肩口まで引き寄せて首にフィットさせるのが安眠への第一歩。
頭だけを枕に乗せて寝ると、首が不安定な状態になります。枕に頭の部分だけを乗せるのではなく、肩口があたるくらいまでしっかり枕を引き寄せて、後頭部から首筋にかけての全体で頭部を支えましょう。
枕は頭だけで無く首を支えるものです。頭から首筋全体を枕で支えると、首や肩への負担が少なくなります。肩や首のこりにお悩みの方も、枕のあて方を一度見直してみると良いかもしれません。
首のシワ対策には低い枕が良い?
首にシワができるのが嫌だからと、極端に低い枕を使ったり、枕を使わないという女性は少なくありません。確かに、高すぎる枕は、首にシワができやすくなるのは事実。また、枕が高すぎると、頸椎が圧迫されやすく、血行も悪くなり、首や肩のコリ、いびきの原因にもなります。しかし、低すぎる枕は頸椎が不安定になって首に余計な負担がかかり、肩や首のコリの原因になることもあるので、要注意です。
「枕が低ければ低いほど、首のシワが目立たない」と感じる人がいるかもしれませんが、それは、顎が上がって首の皮膚が伸びているから。快眠のためにも、美容のためにも、高すぎず低すぎず、ちょうど良い高さの枕を選びましょう。自然に立ったときの姿勢を寝た時もキープできる枕の高さが、ベストです。
仰向け寝と横向き寝、両方の寝心地をチェック
睡眠中、理想的な姿勢を保つために必要な枕の高さは、人それぞれです。また、仰向けに寝た時と横向きに寝たときでも異なります。横向きになったときには、肩幅に対応する高さが必要です。眠っている間に寝返りを打つので、枕を選ぶ際には、仰向け寝と横向き寝、両方の高さのチェックをしましょう。また、寝返りをしても頭が落ちない十分な横幅があることも大切です。具体的には、狭くても横幅60センチ以上を目安に選びましょう。
医師と寝具メーカーが共同で研究開発した商品も人気です。西川と整形外科「さつきが丘医院」の共同開発により誕生した「医師がすすめる健康枕」シリーズは、累計出荷個数420万個を突破するロングセラーです。横向き寝にも仰向け寝にも対応するように、高めの両サイドと中央がくぼんだ形状も特徴のひとつで、横向き寝が多い人向けや、肩がこりやすい人向けなど、さまざまなタイプが開発されています。
横向き寝をサポートする抱き枕も人気
横向き派は抱き枕を利用すると姿勢が安定して寝やすくなる。
横向き寝が好きな人や、いびきの軽減効果を期待して横向きで寝たいという人は多いのですが、横向きで寝ると、仰向け寝に比べて狭い部分で身体を支えることになり、そこに体圧が集中しやすくなります。
そこで、抱き枕を使ってみましょう。抱き枕なら、横向き寝の時にも姿勢が安定し、敷き寝具との接触面積が増え、特定の部位に過度な圧力がかかりにくくなるので、横向き寝がお好みの人におすすめです。
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