メリットだらけの「セカンド洗面」
第一回でもご紹介しましたが、「玄関と洗面所を直行動線にリフォームするのが難しい場合は、玄関に洗面台を設えるのがおすすめ」だと小木野さんはいいます。
「戸建てであれば配管の自由がきくので、玄関に洗面台を設けるのは割と簡単です。取り付ける場所は、玄関の外と中のどちらでもかまいません。ただ、ドアノブから接触感染するリスクを考えると、玄関の外に手洗い場を設置したほうがよりコロナ対策としては有効だと思います」
洗面所と玄関に洗面台を設けるのは、「セカンド洗面」を実現する手段のひとつでもあります。
どこでも洗面
玄関の手洗としてもオススメ。お好みのアイテムを自由に組み合わせて、色んな場所にお気に入りの手洗空間をつくることができます。
「飲食店の厨房などでは、食材と食器の洗浄を別々に行えるように2つ以上のシンクを設けることが義務付けられています。クリニックも同じで、汚いものとそうでないものを分けて洗えるよう、2台以上手洗い場が設けられています。
コロナ対策を考慮するなら、住居にも洗面台が2つあったほうが望ましいです。また、玄関に洗面台があれば、お子さんの手洗い、うがいの習慣づけにも役立ちます」
玄関に「空気清浄機」もおすすめ
感染症対策として、洗面台のほかに「空気清浄機」を玄関に取り付けるのもおすすめだと小木野さんはいいます。
「花粉症がひどい方の家を設計した時、玄関に空気洗浄器置場を取り付けたことがあります。玄関で感染源をシャットアウトするというのは、コロナ対策の一助にもなるのではないでしょうか」
また、コロナ対策のひとつとして重要視されている換気を強化する方法として、玄関に「換気扇」を取り付けるのもおすすめだといいます。
「24時間換気システムは法律上義務付けられており、お風呂場や洗面所に換気扇が取り付けられているご家庭は多いですが、この換気扇を玄関にも取り付けることで、より室内の換気を強化することができるでしょう。
玄関に取り付ける換気扇は24時間動いていてもいいので、人感センサーをつけるのも手だと思います。たとえば人がいなくなったら3分間で切れる仕組みにしておけば、電気代の節約にもなります」
換気扇の代わりに、玄関ドアに「換気用の窓」を取り入れるという方法もあります。
「玄関に風の出入口をつくることで、空気がこもりやすい玄関を換気するとともに、住宅全体の風の流れを大きくすることができます」
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後付け「ウォークインクローゼット」のすすめ
多くの人は帰宅したら部屋着に着替えるかと思います。感染症対策としても、帰宅後すぐに着替えることが推奨されています。では、どこで部屋着に着替えるのかというと、たいていは洗面所、もしくは寝室のどちらかでしょう。
コロナ対策を考慮するなら、寝室をレッドゾーンにしないためにも洗面所で着替えたほうが望ましいです。しかし、洗面所に部屋着のストックを収納できるスペースがなく、衣類をすべて寝室に収納しているご家庭も多いでしょう。
「部屋着の収納場所」の問題を解決する方法として小木野さんがおすすめするのが、「洗面所の隣にウォークインクローゼットを後付けする」リフォームです。
「ウォークインクローゼットの後付けは、スペースさえあれば簡単にできます。感染症対策だけでなく、住まいの利便性を向上させる観点から考えても、ウォークインクローゼットに衣類をすべて収納し、着替える場所を洗面所で統一するのがおすすめです」
以上、4回にわたって「ウィズコロナ時代の間取りの新常識」をお送りしました。
家とは、かけがえのない家族との憩いの場です。この連載でご紹介したコロナ対策を取り入れることで、家の中にウイルスを持ち込むことを極力防ぎ、家族の大切な笑顔を守っていきましょう。
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