DIY初心者はまず修繕から
DIYの達人、宮崎さんはホームセンターに行くのが、休日の娯楽だという。
自宅DIYをやってみたい! 思い立ったはいいけれど、いったい何から始めよう。初めの一歩が踏み出せない……。そのようなDIY初心者の方は、「まず修繕からスタートするといい」と宮崎さんはアドバイスします。
「棚や家具を作るのもいいですが、最初におすすめなのは、既存の壁や床を修繕することです。壁紙がめくれている場所があれば、業者さんに頼むのではなくて、自分でやってみましょう。材料や道具はホームセンターに並んでいます。やってみると、なんだ、意外と簡単だ、自分でできるんだと気づくと思います」
壁に漆喰・珪藻土を塗ってみる
和室の壁のDIY方法。1. 畳と壁に液が垂れたりつかないように養生をする。2. 砂壁の砂をブラシで落とす。3. 漆喰をコテで塗る。4. 数時間放置して、乾いたら完成! 写真提供:Makit!
では、和室をDIYする場合、どういう順番で取り掛かればいいのでしょうか。
「まず壁を塗り替えてみましょう。和室の壁は、家を建ててから触ることもなく、修繕の余地がある場合も多く、目にする面積が広いため、空間の雰囲気を大きく変えることができます」
珪藻土もコテを使って塗る。写真提供:Makit!
和室の塗り壁によく使われているのは、漆喰や珪藻土です。漆喰は、石灰石という岩石を原材料とする壁材で、調湿効果・除菌・消臭・防火などさまざまな効果があります。似た効果のあるものに珪藻土があります。
「珪藻土は、珪藻という藻類の一種である珪藻が粉末状になったもの。壁にもたれると背中にポロポロと粉がつく経験がある方も多いかと思います。珪藻土は漆喰より水分を吸収してくれるので、調湿効果は大きいので、海辺や冬場に雪が積もる地域などでは珪藻土の方が適しています」
通常、和室を構成する色は、壁の白色と、柱などの茶色です。補修して元通りにするだけではなく、プラスアルファで想像力を働かせてみてください。和室でも自由に色を塗り替えられます。カラフルな珪藻土や土壁に貼れる壁紙など、自分で選べるアイテムも増えています。
LIXILでは、エコカラットDIYを発売しています。 湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時は湿気を放出する壁材、エコカラット本体と施工に必要な接着剤や工具を同梱したセット商品。DIYでも扱いやすい専用接着剤なので、簡単に施工することができます。
■エコカラットDIY■
宮崎さんイチ押しの漆喰風塗料『MORUMORU モルモル(ニッペホームプロダクツ)』。「バケツの蓋を開けて、そのまま手で塗れるのでとても簡単です」
「木造建築の家で、トイレの壁を修繕する場合、漆喰や珪藻土だと、カビが生えやすく不向きです。むいしろ、洋室の壁で使われるペンキ塗装がいいでしょう。和のイメージを壊したくない場合は、漆喰風のペンキ塗装も近年販売されているので、そちらがおすすめです」
障子の貼り換えにもひと工夫を
障子のDIY方法。1. 障子枠から障子紙を外して、障子枠の汚れを落とす。刷毛で障子のりを塗る。2. 障子を貼り、さらにデザインを施すため、カッターで枠に沿って正方形にカットする。3. 正方形の柄壁紙を用意。4. 好きな場所に貼って、デザイニング! 写真提供:Makit!
和室で補修が必要な箇所といえば、障子があります。
「障子紙と木枠に貼り付ける糊を用意すれば、簡単に貼り換えることができます。障子は空間を占める面積の広い分、新しくすることで部屋の雰囲気が明るくなります。また、手を加えることが制限される賃貸住宅でも自由にアレンジできる部分です。ただ白く貼り換えるだけではなく、遊び心を加えて、壁紙を混ぜて貼ってみるというのも楽しいと思います」
「畳の上にはちゃぶ台、壁は土壁、障子は白……」などという固定概念を振り払って、和風のイメージを残しつつアレンジするのもDIYの醍醐味といえるでしょう。アレンジの幅は無限大なのです。
(第3回へ続く)
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