キッチンは健康に関わる場所
家の掃除で一番大切なのはキッチンだ、という新津さん。
「どんなにお掃除が苦手な方でも、キッチンは絶対に清潔さを保ってほしいですね。口に入るものを料理する場所ですから、衛生的にしておかないと危険です。リビングや寝室は少しくらいサボっても(笑)、キッチンだけはサボらないでください」
キッチンを清潔に保つために、まずやるべきことは何でしょう。
「日頃お料理をしたあと、時間をおかずに、ガステーブルや調理台などの表面を、固く絞ったタオルで拭きましょう。ガステーブルなどのキッチンまわりだけでなく、冷蔵庫、食器棚なども拭きます。お料理しながらでも、なるべくガステーブルのトップなどを拭くといいと思います。キッチンでは、付着したばかりの汚れや水分を残さないことが大切なんです」
さらに、食事が終わった後にもポイントがあるそうです。
「食器などを洗い終わったあと、シンクの内側を掃除します。少しだけ洗剤を使い、さっとなでるようにスポンジで拭いてから、お湯や水で流せばOKです。流し終わったあとは、残った水分を吹き取りましょう。そのままにしておくと水垢が残ってしまい、あとで磨くのが大変です。排水口のダストカップなども、きちんと中のゴミを捨てて、汚れをお湯で洗い流しましょう」
洗剤や漂白剤でつけ置き洗いをする方もいると思いますが、こうした洗い方はどうなのでしょうか。
「日々の掃除では、つけ置き洗いまでは必要ないと思います。毎日さっと熱めのお湯で流しておけばいいでしょう。大掃除のときも、汚れを落とすのではなく、念のための消毒のつもりで漂白材につける、というのも良いかもしれませんね」
このほかシンクまわりでは、2~3日に一度やっておくといいこともあるそうです。
「排水口や蓋のゴムの部分です。溝も多いですよね。それを柔らかいブラシでこすったりするといいですよ。パッキンのまわりも溝になっていて、結構深さがあります。ここをときどき先の尖ったもので掃除してやるといいです。3日間やらないと、結構汚れが出てくるものです」
ガステーブルは「乾かす」
ガステーブルまわりはどうでしょう。さきほど、料理したらさっと汚れを拭くといい、と伺いましたが。
「ガステーブルは、みなさんこまめに拭くと思いますが、それだけでは足りません。大切なのは、料理が終わったあと、しっかりと乾かすことです」
たしかに、鍋などを洗い終わった後、ガステーブルの上にそのまま置いたりすることがよくあります。
「食事が終わったら、もう冷えているはずですから、五徳も洗うといいですよ。五徳は火が直接当たるので、ちょっとした汚れが焦げてこびりついてしまいます。洗い終わった五徳は、すぐにガステーブルにセットするのではなく、1~2時間、干して乾かすといいんです。
五徳はしっかりした金属の塊ですが、ガステーブルは薄い金属板なんですね。そこが濡れると、当然、サビのもとになります。綺麗にしていれば10年以上性能を維持できますが、ここを怠ると、テーブルトップから内部の機器にまでサビがまわります。ときどき、見た目はとても綺麗なのに、内部がサビたガステーブルを見かけます」
火は毎日使うだけに、気づきにくい部分もしっかりチェックしておくと安全に使えますね。
ゴミ箱の上に湿り拭き布巾を
もうひとつ、気になるのがゴミ箱の周辺です。キッチンは常に生ゴミが出るので、においも衛生面も注意が必要だと言います。
「ガステーブルも、シンクの中も、調理台も、何かあったら、さっと拭くようにするといいのですが、ゴミ箱はもっと大切です。生ゴミを出し入れしますから、どうしても食材に含まれた水分が垂れたりします。それもさっと拭けるので、ゴミ箱の上に、もう一枚、ゴミ箱専用の布巾やタオルがあることが大切なんです。こまめに拭くことの延長線上にありますが、布巾をゴミ箱の蓋にもいつも置いておくのがお勧めです。においが出ないように、使ったらその都度新しいものに変えて、拭いた後のものは洗濯しましょう。我が家ではゴミ箱の横にぶら下げています」
新津さんはゴミ箱の使い方にもヒントをくれました。
「新聞を取っている方は、回収に出してしまうのではなく有効に使いましょう。まずは、ゴミ箱の下に古新聞を敷く。こうすると、ゴミ箱にセットしたゴミ袋に生ゴミを入れても、漏れ出た水分を吸い取ってくれます。においも抑えられますし、ゴミ捨てのときにそのままゴミ袋に入れて捨てればいいと思います」
生ゴミは毎日収集が来るわけでもありません。暖かくなっていくこれからの季節に、キッチンににおいを出さないコツがあるそうです。
「最近はレジ袋が有料化されてもらわなくなりましたけれど、スーパーなどでもらえる小さいビニール袋に入れてくれることがありますよね。あれを取っておいて、料理が終わった後に三角コーナーやダストカップの中の生ゴミなどをすべて入れ、口を縛ってからゴミ箱に入れましょう。生ゴミは水をしっかり切っておくこと。そうすれば、ゴミ出しの日まで、においが出ることもありません」
さらに、魚などにおいの強いゴミの扱いにもアドバイスが。
「うちは焼き魚が好きで、よく食べるんですね。焼き魚の骨や、生の魚の内臓などは、半日も置いておけばにおい始めます。なので、古新聞にくるんでから、先ほど同じく小さなビニール袋に入れて口を縛り、冷凍庫で凍らせてしまいます。次の生ゴミ収集まで数日あっても、これなら絶対ににおうことはありません」
次回は、最終回です。浴室や洗面室を綺麗に保つポイントを伺います。
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