整理収納は防災になる
災害はいつ何時起こるのか予測は難しいものです。普段から「自分の命は自分で守る」対策をしておくことは非常に重要です。まず、家の中の物を決まった場所に整理収納すること考えてみましょう。
家の中にある物のを定位置に置いておくメリットは、いつもの暮らしが片付けやすくなるだけではなく、パニックに陥りやすい緊急時にこそ役立ちます。「懐中電灯はここにある」「ラジオはここにある」「電池の予備はここにある」など、必要な物がすぐに取り出せる状態は安心感を与えてくれるのです。防災準備と言えば、「防災グッズ◯点セット」などを購入すれば安心と思っていらっしゃる方も多いと思いますが、物が片付いておらず散乱している状態では、災害時の危険も増えてしまいます。準備をしてもすぐに持ち出せなければ意味がありません。
もしもの時にキッチンまわりは危険がいっぱい
もし災害が起きたら家の中で火元・食器やグラス・刃物などが集中しているキッチンは「家の中で最も危険なエリア」になります。キッチンが日頃から片付いているか、また地震対策が取られているかで、いざという時に命を守れるかどうかが決まります。普段からキッチンに置いている物の把握とすっきりとしたキッチンを目指し、防災準備をはじめましょう。
冷蔵庫の防災対策
キッチンの代表的な家電と言えば冷蔵庫。大型の冷蔵庫ともなれば100kg以上あるため、倒れた冷蔵庫の下敷きになったら大変です。倒れてしまったら避難経路をふさいでしまい、逃げ遅れの原因にもなりかねません。また転倒して壊れてしまったら、中の食材が食べられなくなり、被災直後から食料に困ってしまうことになります。冷蔵庫は出入り口の近くに置かないようにし、必ず転倒防止器具を取り付けましょう。
床置きの物を片付ける
キッチンで被災した時に、どこからどう逃げるか考えたことはありますか?避難経路はしっかり確保しておきましょう。キッチンの床に置いてある物はありませんか?これも災害が起こった時には妨げとなり、逃げ遅れの原因にもなります。床置きしてしまう原因は、収納場所が決まっていないから。「キッチンにある物全てに帰る家をつくる」これがキッチンの整理収納を考えるうえで重要になります。
家族全員が知っている
「片付けのルールを自分だけが守っている」だけでは不十分です。防災については、ひとりで決めず必ず家族一緒に考え準備しましょう。災害は家族全員が家で揃っている時に起こるわけではありません。何がどこにあるか、物の定位置を共有していることが大切なのです。特にお子さんのいるご家庭では、最低限、避難リュックは本人がわかるように伝えておきましょう。
整理収納の手順
「整理」「収納」「片付け」「掃除」非常に似ている4つの表現ですが、それぞれに意味や順番があるのはご存じでしょうか。片付けの実作業に入る前に意味を知ることが大切です。
「整理」は“物を捨てること”と思われがちですが、これからの人生に必要とされる物を選ぶ行為と考えましょう。
例えばキッチンにある物だと・・
☑フライパンやお鍋は多く持ち過ぎていないか?
☑使っていない便利調理道具で溢れていないか?
☑重たいから、趣味が合わないからと使っていない食器はないか?
物を捨てる行為よりも残す物を選ぶ行為の方がポジティブに進みます。整理ができなければ、「収納」、「片付け」、「掃除」を実行しても中途半端となり、いずれ元に戻ってしまう結果となります。「収納」は、必要と判断された物を使いやすく戻しやすい仕組みをつくること。物には定位置をつくり、毎回同じ場所にもどるようにします。
「片付け」は、使った物を元に戻すこと。これを守らないとちらかります。元に戻す場所が難しいと面倒になり続かないので、収納を考える際には簡単に戻せることを意識しましょう。片付けはすぐに身に着く力ではありません。コツコツと続けていくことが大切です。
整理収納が整っていることで片付けや、その後の掃除が楽になります。本当に使う物は何か?をしっかり考えながら整理収納をはじめてみましょう。毎日使用するキッチンでは、整理収納を通して各所をチェックしておくことが防災につながります。
次回は、「防災と時短家事が可能になる!キッチンをつくろう」をお届けします。
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