食べて健康に!ヘルシー&スーパーフードを始めよう

低カロリーでうま味たっぷり!ダイエットにおすすめの「きのこ」

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こんにちは。フードサイエンティストの甲斐ともみです。「食べて健康に!ヘルシー&スーパーフードを始めよう」シリーズもついに10回目となりました。最終回となるテーマは秋が旬の「きのこ」です。

きのこと一口に言っても、実際はたくさんの種類があり、市場では食用として20種類以上のものが出回っています。お店に並んでいる主要なきのこだけでも、しいたけ、ぶなしめじ、えのき、エリンギ、なめこ、まいたけなど、形も大きさもさまざまです。

低カロリーであることはご存じの方も多いかと思いますが、含まれるさまざまな栄養素も注目です。今回はきのこを使ったおすすめレシピとともに、その魅力をご紹介します。

きのこは品種によって栄養もさまざまですが、全般的に食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。

期待できる主な効果は、便秘解消。

さらに、血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑え、生活習慣病を予防する効果も期待できます。

ビタミンDが多く含まれている点も見逃せません。

ビタミンDはカルシウムの吸収に必要な栄養素。紫外線に当たることで体内で合成することもできますが、その量は少なく、特に紫外線の少ない冬場や、高齢の方の体内では合成されにくいため、食べ物から摂ることが大切です。ビタミンDが多く含まれる食材は、きのこや魚介類に限られますので、骨粗鬆症予防のためにも積極的に食べるように心がけましょう。

ビタミンDをたくさん摂取するには、干ししいたけや干しきくらげが特におすすめです。ただし、干ししいたけも最近は日光に当てずに作ったものが多いため、以前に比べるとその含有量は少なめ。干ししいたけをしばらく日光に当てるだけでビタミンDが増えますので、その後に調理するとよいでしょう。

きのこの健康効果を語るうえで欠かせないのが、がん予防に効果が期待できる

まず、きのこには免疫力を上げる効果があるとされています。がんだけでなく、かぜやインフルエンザの予防にも力を発揮します。なかでもまいたけには、インフルエンザウイルスの増殖を抑える栄養成分「マイタケα-グルカン」が含まれており、インフルエンザの流行シーズンには意識して食べたい食材だと言えるでしょう。

また、抗酸化作用が高いのも特徴です。体内の活性酸素を除去してくれるため、がんや生活習慣病の予防につながります。さらに、きのこに含まれるβ-グルカンという多糖類が、がんの増殖を抑制する作用を持つことがわかってきました。

このように、免疫力アップの働き、抗酸化作用、そしてβ-グルカンの作用という3つの側面から、がん予防につなげられるのです。

ただし、免疫力は食材を食べてすぐに身につくものではありません。これまでにも、免疫力をアップする食材として、ヨーグルトや納豆などをご紹介してきましたが、こういった食材も含めて毎日食べ続けることで、徐々に免疫力はアップします。 この冬を健康に乗り切るためにも、きのこをはじめとした“免疫力アップ食材”を食べる習慣をつけていくとよいでしょう。

きのこは、ダイエットの強い味方

平均して100gあたり17kcalとカロリーが低いので、いろいろな料理にきのこをプラスすることで、全体のカロリーを抑えられるのがありがたいところです。また、ビタミンB1、B2が多く含まれており、脂肪の代謝を助ける効果や、疲労回復効果が期待できます。特にまいたけやえのきだけに多く含まれていますので、ダイエット中は意識して取り入れましょう。

むくみの大敵である塩分を控えるためにも、きのこは最適

うま味成分であるグアニル酸が含まれているため、薄味でもおいしく食べられます。うま味成分には、きのこ類に含まれるグアニル酸のほか、昆布や野菜などに含まれるグルタミン酸、かつお節などの魚や肉類に含まれるイノシン酸などがあります。うま味成分には相乗効果があり、組み合わせることでそのうま味が数倍になるのがポイント。つまり、野菜炒めやスープなどにきのこを使うことで、うま味もアップし、ダイエットにも最適の一皿になるのです。

きのこはどんな料理にも相性がよく使いやすいので、毎日の食事に取り入れやすいのもうれしいポイントですね。そんなきのこのうま味を活かした、ダイエットにもおすすめレシピを2つご紹介します。

【おすすめレシピ1 しいたけだしのきのこたっぷり汁】

干ししいたけのだしのうま味がとってもおいしい、だしの素不要のスープです。やさしい味が体にしみわたりますよ。

材料4~5人分

お好きなきのこ:好きなだけ(今回はえのき、しめじ、エリンギ、まいたけを半パックずつ使用)

干ししいたけ:4~5枚

干しきくらげ:適量

鶏肉:1枚

ねぎ:適量

酒:大さじ2

しょうゆ:大さじ2

みりん:大さじ1

作り方

1.干ししいたけはひたひたの水につけて、やわらかくなるまで戻します。やわらかくなったら取り出し、軸のかたいところを取ってスライスしておきます。戻し汁は捨てずに取っておきましょう。干しきくらげも水で戻しておきます。

2.きのこを食べやすくカットし、鶏肉は小さめの一口大にカットしましょう。

3.しいたけの戻し汁を茶こしなどでこし、水を足して800mlほどにします。鍋に入れ、鶏肉、干ししいたけを一緒に煮ます。

4.鶏肉に火が通ったら、干しきくらげとお好きなきのこをたっぷり入れて煮込みましょう。きのこからしっかりとうま味が出るので、だしを入れなくても大丈夫ですが、昆布だしなどをちょっと足すとさらにうま味が増します。

5.酒、しょうゆ、みりんで味を調えたらねぎを添えて完成です。

干ししいたけのだしと鶏肉のだしで、うま味が倍以上になります。我が家ではお正月のお雑煮も、このしいたけだしが定番です。お雑煮の場合は、お餅のほかに、具として干ししいたけを甘辛く煮たものと水菜、かまぼこ、うずら卵の水煮を入れています。ぜひ試してみてくださいね。

【おすすめレシピ2 きのこのチーズバターソテー】

きのこ料理の定番、バターソテーにチーズをちょっぴりプラス。ビタミンDとカルシウムを同時に摂ることで、カルシウムの吸収率を上げる、骨粗鬆症対策レシピです。

材料

お好きなきのこ:500g(今回はしいたけ、えのき、しめじ、エリンギ、まいたけを100gずつ使用)

バター:大さじ2

すりおろしにんにく(チューブでもOK):小さじ2

酒:大さじ1~2

しょうゆ:大さじ1~2

塩こしょう:適量

スライスチーズ:2枚

パセリ:適量

作り方

1.お好きなきのこを食べやすい大きさにカットします。

2.フライパンにバター、すりおろしにんにくを入れて火にかけます。

3.バターが溶けてきたら、きのこをたっぷり入れて炒めます。

4.少ししんなりしてきたら、酒、しょうゆ、塩こしょうで味を調え、さらに炒めます。

5.きのこに火が通ったら、スライスチーズをちぎって入れます。火を止め予熱でチーズが少し溶けてきたら完成です。

チーズのおかげでクリーミーなバターソテーになります。副菜にはもちろん、お酒のおつまみにも最適ですよ。食感の違うきのこをミックスして、食感も楽しみましょう。

これまで10回にわたり、スーパーフードやヘルシーフードをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。実は、「これさえ食べれば健康になる」という食材はありません。食事はバランスよくいろいろな食材を、楽しく食べることが大切です。

これからも、なるべくたくさんの種類の食材を食べるようにしながら、ご紹介してきたスーパーフードやヘルシーフードを上手に取り入れてみましょう。

きっとこれまで以上に、家族の元気な笑顔が見られるはずですよ。

食べて健康に!ヘルシー&スーパーフードを始めよう

甲斐ともみさん

調理師免許を持つフードサイエンティスト。※短期大学で食品栄養学や食品衛生、食品科学技術を学び、卒業後は食品メーカーの製造ラインにて品質管理を担当。工場見学者案内の業務を兼任。食に関するさまざまなことを伝える楽しさを経験。 結婚を機に退職後の現在はライターとして食や子育てに関する記事をWEBを中心に各種メディアに掲載中。 
プライベートでは4人の子供のママとして奮闘中。趣味はキャラ弁、キャラケーキづくり、ピアノ、手芸など。※食品科学教育協議会が認定する民間資格です。

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