和と洋をミックス・その1(黒豆のアミューズ)
和のおせち料理に洋の食材をプラスしてみても、意外にマッチします。
例えば、おせち料理の黒豆は、クリームチーズとよく合います。クリームチーズと生クリームを混ぜてなめらかにしたものを、黒豆に添えて。お正月らしく、金箔を散らします。これであれば、お豆があまり好きではないご家族も、食べてくれるかもしれません。新たな味のコラボを発見するのは楽しいですね。
和と洋をミックス・その2(数の子とリンゴのオードブル)
数の子といえば、出汁醤油や鰹節、というイメージですが、サワークリームとマヨネーズで和えると、ちょっと洋風なおつまみになります。リンゴとセルバチコで、香りと食感の面白さをプラスして。
だし巻き玉子サンド
少し前になりますが、昔ながらのだし巻き玉子をパンで挟むスタイルの玉子サンドがテレビや雑誌で話題になっていました。玉子サンドといえばゆで玉子にマヨネーズ、と思っていたのでなんだか新鮮で。そこからヒントを得たフィンガーフードです。ひと口大にカットした玉子焼きを、薄くスライスしたキュウリと一緒に食パンではさんで、串でとめました。小さな千鳥の模様は、焼きごてでつけたもの。なくてももちろん構いませんが、あるとなんだか楽しいですよね。
ローストビーフのアスパラ巻き
さっとゆでたミニアスパラをローストビーフで巻いて串でとめただけの簡単なピンチョス。粒マスタードとマヨネーズのソースをかけて、ピンクペッパーを乗せます。余ったハムや煮豚なども同じように使えますね。パンを下に敷いてもよいと思います。
中に巻く野菜はいろいろ変えられますし、彩りを考えて2、3種類をまとめて巻いても楽しいです。お肉の弾力があったり柔らかすぎたりして串でとめにくいときは、ピクルスなどを一緒にさしてみると押さえになってしっかりとめられます。
栗きんとんのパイ
甘い栗きんとんは、それだけでお菓子のようですが、ひと手間加えてフィンガーフードに。ブレンダーでペースト状にし、生クリームを少しずつ加えて程よい固さにした栗きんとんを、あらかじめ焼いておいたパイの上に絞り出しました。トッピングは粒状のチョコレートとウェハース、そしてセルフィーユ。
Point !
漆器をディスプレイに使う
漆塗りのトレイやお重などをお持ちでしたら、ディスプレイに使ってみてください。やはり和の雰囲気でテーブルをまとめると、お正月らしくなります。「食べる宝石」フィンガーフードが普段とは違う輝きを見せてくれますよ。
Point !
ピックでよりオシャレに!
フィンガーフードに欠かせないのがピック(串)です。スーパーで普通に売られている竹串を使ってももちろんよいのですが、よりオシャレに、よりスタイリッシュにと考えると、ピックも洗練されたものを選んだ方がいいですよね。
ほんの一部ですが、並べてみました。一番オーソドックスなものが、後列の真ん中ですね。これは「銀杏串(ぎんなんぐし)」といいます。普通の竹串よりも細めにできています。その左は、スペインのピンチョス。平たくて短めで、両側が尖っています。後列の右側は、かんざし串。和風や中華風を演出するのに使えます。赤以外にもいろんなカラーのものが売られています。前列は、それぞれデザインの違うピックで、プラスチックや金属でできています。
食材の色や形、出来上がりのイメージでいろいろと使い分けてみてください。ピックひとつでガラリと雰囲気が変わったりします。
ご紹介したピックは普通のスーパーでは扱っていないかもしれませんが、通販で簡単に探せますので、チェックしてみてくださいね。
いかがでしたか?
おせち料理はもう飽きた〜なんて言わせないように、ちょっと頑張ってみるのもいいでしょう?
ここで、私ごとですが、お正月といえば思うことがあります。私が育ったのは、田舎の保守的な古い家。お正月には、親戚中が祖父母の家に集まりました。男性は飲んで食べて寝て、起きてはまた飲み、女性は朝から晩まで台所で立ち働く、というのが当たり前でした。私も中学生の頃から祖母や母、伯母たちと一緒に台所仕事を手伝わされていました。次から次へと料理を作り、お酒の燗をつけ、大量の皿洗い。目が回るほど忙しかった。サボっていると母に叱られて。
当時は、もうお正月なんて大嫌い、と思っていましたが、思えばいま私が料理の仕事をしているのは、その頃のおかげかもしれません。手間ひまを惜しまず、美味しいものを生み出すことの幸せを、祖母や伯母たちが教えてくれました。今の私は、あの頃の祖母の台所から始まっていたのです。私のご紹介するフィンガーフードも、皆さまの幸せなおもてなしライフの始まりになれたら嬉しいです。
ご家族やゲストの方々が思わず笑顔になるような、素敵なおもてなしを!
次回は「大切な人とスパニッシュ・フィンガーフードで素敵な時間を…」をお届けします。
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