春キャベツを食べ尽くす! [第1回]

ディップでシンプルに楽しむ!

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春キャベツと冬キャベツの違いは?

冬キャベツに比べて葉と葉の間があいて、柔らかな春キャベツ。軽い力で切れます。

 一年中手に入るキャベツ、実は大きく分けて2種類あることをご存じですか?
 ひとつはずっしり重い冬キャベツ。生産地の気候によって少し幅はありますが、夏に種をまき、11月~3月頃に収穫されます。そしてもうひとつが、秋に種をまいて、3月くらいから収穫が始まる春キャベツです。
 とりわけ4月~6月に出回るものは、葉が柔らかく、ひと玉の重さも軽いのです。同じ春キャベツでも、はしりのものは少し重みがあり、冬キャベツほどではありませんが、巻きがしっかりしています。

「春キャベツは甘い」というイメージがありますが、大抵の春キャベツは糖度が4度くらい。冬キャベツは5度くらいで、実は冬キャベツの方が甘いものが多いのです。これは、植物は冬を越すために糖度を増すため。寒じめのほうれん草が甘いのと同じです。

 けれど、春キャベツのみずみずしさは格別です。柔らかくて香りもよく、色も青々してきれいなので、サラダにしてもおいしいのです。

 そんな春キャベツを、まずは「生」で食べてみましょう! さまざまなディップを用意して、6〜8つにざくっと切った生のキャベツをそのままいただきます。

5種類のディップ

 それでは、ディップを作りましょう。キャベツの甘みとほんのり感じる苦みを楽しめる、5種類のディップをご紹介します。

■ディップ1:味噌マヨネーズ


【材料】
 味噌……大さじ2
 マヨネーズ……大さじ3〜4
 七味唐辛子……お好みで

 

 一番簡単で、生のキャベツをシンプルに味わえるディップソースです。
 味噌とマヨネーズの比率はお好みで。塩分が強い味噌の場合は、しょっぱくなり過ぎるので、マヨネーズの比率を増やすと良いでしょう。七味唐辛子はお好みで。

■ディップ2:ヤンニョム

 
【材料】
 コチュジャン……大さじ2
 粉唐辛子……大さじ4(お好みで加減)
 醤油……小さじ2
 味噌……大さじ1
 おろしショウガ……小さじ1
 おろしニンニク……小さじ1〜2
 はちみつまたは砂糖……大さじ1〜2
 ごま油……大さじ1
 いりごま(飾り用)……適宜

 

 ヤンニョムとは、韓国の合わせ調味料の総称です。最近では「ヤンニョムチキン」という唐揚げが人気なので、名前を聞いたことがある方もいるのでは。漢字では「薬念」と書きます。
 コチュジャンと粉唐辛子をベースに、韓国醤油や韓国味噌、さまざまな薬味を混ぜて作ります。韓国の醤油や味噌は手に入りにくいので、今回は日本の醤油と味噌を使いました。分量や入れるものは好みなので、ぜひ自分なりの味作りにトライしてみてください。ショウガやニンニクは自分で下ろしたほうが美味しいですが、チューブのものを使ってもいいでしょう。
 ヤンニョムは冷蔵庫に入れれば2カ月くらい保存ができます。多めに作って、お肉の味付けに使ったり、スープに入れたり、いろいろ使い回しても面白いですよ。

■ディップ3:アンチョビクリーム

 
【材料】
 アンチョビペースト……小さじ2
 ニンニク……1かけ
 オリーブオイル……大さじ3
 生クリーム……大さじ3
 イタリアンパセリ(飾り用)……適宜

 イタリアでは、生や茹でた野菜をアンチョビを使ったソースでいただく「バーニャカウダ」が人気です。キャンドルを灯した専用ポットで熱々のソースでいただくのが一般的ですが、道具を揃えるのは大変です。そこで今回は、バーニャカウダのオマージュのようなディップを作りましょう。

 すりおろしたニンニクとオリーブオイルを弱火にかけ、ニンニクに軽く火が入ったところでアンチョビを加えます。身の形が残った「フィレ」でもかまいませんが、チューブに入ったペーストで十分おいしく作れます。
 アンチョビが煮溶けたところで火からおろし、生クリームを加えてよく混ぜます。温かい状態でもおいしいですが、冷たくしていただくのもおすすめです。

■ディップ4:サルサ


【材料】
 サルサソース……大さじ5〜6
 トマト……1/2個(1cmの角切り)
 タマネギ……1個(1cmの角切り)

 

 メキシコ料理でよく使われるサルサソース。トマトベースの酸っぱくて辛いソースです。ここに、フレッシュトマトと、角切りにしてから10分くらい水にさらしたタマネギを加えるだけでできあがりです。
 サルサ自体を自家製にしてもいいですが、手軽な瓶詰めで十分です。塩分は控えめなので、他のディップよりたっぷり作りましょう。

■ディップ5:ヨーグルト・マスタード

 
【材料】
 ヨーグルト……大さじ3
 粒マスタード……大さじ3
 胡椒(できれば白)……少々
 塩漬けケッパー(飾り用)……3〜4粒
 レモン……1/6個

 

 最後はさっぱりとしたヨーグルトのディップです。ヨーグルトと粒マスタードを同量、レモンを搾って混ぜるだけでできあがりです。上から白胡椒を挽くと香りがさらに良くなります。
 飾り用の塩漬けケッパーはそのままではとてもしょっぱいので、30分くらい水に浸けて塩抜きしてから包丁で刻みましょう。このケッパーの塩味があるので、ディップ自体には塩を入れません。コクが欲しい方は、少しマヨネーズを混ぜても良いと思います。

 キャベツを手でつかんで、お好きなディップを付けて豪快にいただきましょう!

生だけじゃない! 蒸しキャベツもおすすめ

 ディップで食べるキャベツは、生はもちろん、「蒸しキャベツ」も絶品です。蒸籠や蒸し器に入れて8〜10分ほど蒸すだけです。一緒に春らしい菜の花や新じゃが、カブなども蒸すとごちそうになります。蒸籠なら、そのまま食卓に出しても素敵です。
 ポイントは、お湯をしっかり沸騰させてから蒸し始めること。蒸し野菜は甘みがぐんと増すので、生でいただくのとはまた違ったおいしさです!


レシピ考案・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎吉田千穂

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