今年の鍋はひと味違う! 第1回

大晦日に食べたい鴨とそばの鍋!

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年越しそばまでセットのごちそう鴨鍋

 今年の年越しそばはどうするか、もう考えていますか?

 おそば屋さんには長い行列ができて、お店に入るのも大変でしょう。かといって、茹でた乾麺を、スーパーで買った麺つゆで……というのも、なんだか味気ないものです。
 大晦日はなにかと慌ただしく、お正月の準備も大詰め。ごはんは、なるべく手軽に済ませたいもの。

 我が家では、毎年31日に「みそか鍋」と称して、シンプルだけれどちょっと特別な鍋を食べます。
 新年を迎える支度や買い物も一段落して、TVを見ながらのんびりしたいと思ったときにぴったりの、準備が簡単な鍋です。

 鍋の材料はたったの4つ。面倒くさい下ごしらえも最小限。

 ポイントは鴨肉を使うことと、おそば屋さんで手打ちそばを予約しておくこと。そのときに、そばつゆもお願いして、少し多めに分けてもらいましょう。
 鍋の締めは、鴨の出汁がたっぷり出たつけ汁で、打ちたて、茹でたての香り高い年越しそばを楽しめます。

【材料】(4人前)

  • 合鴨の抱き身(むね肉)
    2枚
  • (お好みで食べたい量を用意)
  • 長ネギ
    2〜3本

  • 4束
  • 舞茸
    2株
  • 手打ちそば
    4人前
  • そばつゆ
    適量
  • (そばと一緒に、そば屋さんで分けてもらいます)
  • 柚子胡椒
    薬味として適宜

【作り方】

1:鴨をスライスする

 鴨は、お手頃な合鴨で十分です。もし、天然の真鴨などが手に入るようなら、最高ですね。
 合鴨はたいてい1枚ずつパックに入っているので、取り出してペーパータオルなどで水分を拭き、スライスします。冷凍の鴨なら、半解凍状態にすると切りやすいでしょう。

2:ネギをカットして焼き目を付ける

 5〜7cmくらいに切ったネギに、焼き目を付けます。テフロンのフライパンに、ほんの少し油を入れ(分量外)、中火で焼き目を付けると良いです。これは、ネギを香ばしくするための作業なので、しっかり火を通す必要はありません。

3:芹を切る

 東北のお鍋に欠かせない芹、このお鍋にもよくマッチします。鴨とネギ、そして芹の組み合わせは最強です!
 根の部分も、歯ブラシなどで泥を丁寧に落とせば、おいしく食べられます。

4:舞茸を小房に分ける

 舞茸は、値段が安定していて、香りも味も食感もすばらしい食材です。ひと口大に手で裂きましょう。
 もし年末の時期に名残の松茸が手に入ったら、繊維にそって手で裂いて、贅沢に使っても良いでしょう。

5:そばつゆを鍋に入れ、水で薄める

 そばつゆは、そのまま使うと味が濃いので、水を加えて調整します。目安は、温かいかけそばよりも少し濃いくらい。

6:鍋に具材を入れ、食べましょう!

 カセットコンロでそばつゆを温め、葱と舞茸を入れ、火が入ってきたところで芹を加えます。
 根のところは、火が通るまで時間がかかりますが、葉や茎は色が変われば食べ頃です。
 鴨を食べる分だけ投入し、さっと火を入れたらいただきましょう!

 器に少し注いだ鍋つゆに浸して食べます。鴨の滋味深い味わいはもちろんのこと、甘みと香ばしさが加わった焼き葱も、芹の爽やかな香りも楽しいものです。

 特に芹は、ひとり1束くらい、ぺろりといけてしまいます。抗酸化作用があるβカロテンをはじめ、栄養価が高い芹。一年間頑張った自分の体に、ご褒美をあげるような気持ちで食べましょう。

 お好みで、柚子胡椒やかんずりなどの辛い調味料を使っても良いでしょう。

7:最後はやっぱりおそばで……

 お鍋をおいしくいただいた後で、さあ、そばを茹でましょう。
 茹で時間はそばによって異なりますから、買ったお店に尋ねてみてください。たっぷりの沸かしたお湯で茹でたら、冷たい水でしっかり締めて、食卓に出します。

 鴨や舞茸の旨みが加わった鍋つゆで食べるつけそばは、一年の締めくくりにぴったり。そばを茹でた茹で汁も、とろみとそばの香りが豊かなそば湯として楽しめます。

 みそか鍋を食べ終わったころには、除夜の鐘が聞こえてくるかもしれません。
 こんなお鍋で年を越せば、来年も、きっといい年になるでしょう。

 次回は、ごま油の香りが嬉しい、中国の鍋をご紹介します!


写真◎大西尚明
スタイリング◎吉田千穂
レシピ開発・文◎坂井淳一(酒ごはん研究所)

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