私のインテリア~京都市A邸 [第2回]

無垢床&大開口窓で実現!
明るくさわやかな吹抜けリビング

空間
キッチン
関心
ライフスタイル事例ファミリー

室内の明るさの秘密は
大開口サッシ「オープンウィン」

 家づくりでAさんがテーマとしたのが「山岳リゾートにある別荘」。
「開放感のある大空間で、リゾート感覚を味わいたかった」といいます。
 なかでも意識したのは、窓を大きくして、リビングにたっぷり光が差し込むこと。

「窓を大きくしてほしい」「リビングからウッドデッキにそのまま出たい」と希望を伝えたところ、設計者が提案してくれたのがLIXILの「オープンウィン」でした。

「オープンウィン」は、窓が壁の外側に収まるので、開口部分をフルオープンにできる、実に開放感たっぷりの窓。
 全開にすると、室内と屋外に一体感が生まれ、リビングに一層広がりが生まれます。
 また、「オープンウィン」には、サッシを折りたたんで開閉するタイプと引戸タイプがあります。Aさんは、よりすっきり見える引戸タイプをチョイスしました。

「オープンウィンから見える景色は、四季やお天気で表情を変える大きな絵画のようです。ガラスは防犯仕様にしてもらったのですが、実際に住んでみたら遮音効果もあることを知りました。ものすごい雨でもほとんど聞こえませんし、ピアノの音が外にあまり漏れない効果もあるんです」

フォーカルポイントは薪ストーブ
週末の夜は家族で映画鑑賞

「山岳リゾート」に欠かせないのは、やっぱり「薪ストーブ」。
 これは、Aさんに「好きにしていいよ」と家づくりを一任したご主人の、数少ないリクエストの一つでした。

「実際に暮らしてみて、薪ストーブの威力にびっくりしました。吹き抜けのお陰で2階まで暖められるんです。冬は暖房を入れる部屋が減りました」

 薪ストーブの背後には、その存在感に負けないくらいの迫力の石壁が、吹き抜けまで続いています。これぞ、まさに山岳エリアのリゾートホテルのよう。とても印象的なフォーカルポイントです。

 こんなホテルライクなリビングでのAさん一家の過ごし方を聞いてみました。
「わが家にとってリビングはくつろぎの場。カウチソファに家族が座り、私はキッチンカウンターのイスでお酒を飲みながら(笑)、週末の夜は映画を見たりしています。ゲームをしたり、本を読んだりと、それぞれ好きなことをやることも多いですが、皆なんとなくリビングに集まってきますね」

 照明のダウンライトとスポットライトを、昼白色と電球色とで使い分けているのも、ムーディーな「リゾート風」を演出するテクニック。リビングコーナー(スポットライト)やキッチンカウンター上の照明(ダウンライト)は、調光調色できるので、夜は落ち着いた雰囲気を作ることができるそうです。

 照明を落として映画館さながらの雰囲気のあるリビングで家族そろって映画を観るもよし、大人だけでまったりお酒を楽しむもよし。
 どんな使い方でも、楽しそうな声が聞こえてきそうなAさん一家のリビングです。

無垢材にシラス壁……。
やっぱり自然素材は心地いい!

天井に張ったレッドシダーは色のバリエーションが大きく、経年変化も楽しめます

 ご主人のリクエストはもうひとつ。それが、天然素材を使うことでした。
 薪ストーブの背後の石壁を除いて、リビングの壁は一面、シラスの塗り壁です。
 床には淡い木目が美しい無垢チェリー材。
 吹き抜けの天井には独特の濃淡が目をひくレッドシダーを使用しています。

 これらの天然素材は、ラグジュアリー感とともに、温かみのあるやすらぎの空間を作り上げています。

「合板とクロスを使った部屋とは違って、熱がこもったような、もわっとした感じはほとんどありません。熱や湿気を吸収してくれているようで、じめじめせずに、とっても快適です。しかも化学的なにおいはなし。吸音効果もあるそうです」

 そして、ここに住まいを移して5年が経過した今、天然素材のさらなるよさを再認識されているそうです。

「天然素材を使ったことで、経年変化を“味”として楽しめる家だなぁと実感しています。子どもの成長とともに、わが家も味わいのある家へと成長するのが楽しみです!」

キッチンから様子がうかがえる和室には
たっぷり3畳分の小上がり収納が!

リビングダイニングの奥の和室では収納を床から浮かせ、奥行き感を出しています(写真=Aさん提供)

 リビングから続くのが、奥行き感のある和室です。ここの障子は下半分がガラスになっている雪見窓。明るい上にお庭のイロハモミジが眺められ、Aさんお気に入りの空間の一つです。

 収納を畳から浮かして上に造作しているのは、床面積を見せることで、視界が抜けて奥行き感が出せるから。これもAさんのアイデアです。
 そして和室の小上がりには、なんと3畳分の収納が! お子さんのおもちゃなどをしまってあるそうです。

「広くて浅い収納なので、子どもでもどこに何があるかわかりやすく、自分で片づけてくれるようになりました。以前は片づけ場所がなく、一緒に片づけざるを得ませんでしたが、それがなくなり負担が減りました」

 この和室は現在、下のお子さんの寝室として使用。キッチンから見えるので、様子がうかがえて安心ですし、料理をしていてなにかあったときでも、すぐに対応できます。
 以前の住まいでは、2階にお子さんの寝室があり、そこで寝かしつけてから1階のキッチンに戻って……という上下移動が何度も発生していました。

「子どもを寝かしつけたつもりが、自分もウトウトしちゃうこと、ありますよね。そうなると、もう下に降りて片付けする気力がなくなっちゃって」と笑いながら打ち明けてくれたAさん。
 今はそんなお悩みもすっかり解消され、安心してキッチンに立つ毎日です。

キッチンを中心にした回廊式で
家事も効率よく!

 家事効率や動線をしっかり考えているAさん。実は、キッチンの裏には洗面室とランドリールームがあり、回遊式の間取りになっています。日用品の在庫などをバックヤードとして1カ所にまとめ、効率よく家事ができるような工夫がされているのです。

 玄関ホールから左手に進むとリビングですが、正面に進むと洗面室があり、その左にランドリールームが続きます。

 このランドリーを抜けると、窓に面したAさんの書斎コーナーに出て、左側にリビングとキッチンがあります。

 Aさんの書斎コーナーの隣には、お子さんのスタディコーナーもあります。どちらもカウンターを造作したものですが、北向きで直射日光が入らないので、やわらかな光のもとゆったり読書にふけったり、宿題をみたりできるのだそうです。
 もちろん、キッチンに立ちながら、お子さんの様子を見守れるポジションです。

 スタディコーナーのカウンターは、ダイニングの収納と一続きになって見えるため、空間全体がすっきりまとまっています。これもAさんの工夫点。

 さらに、スタディコーナーのカウンターと「高さをそろえて統一感が出せる収納」ということで、設計者から紹介されたのがヴィータスでした。

Aさん邸のダイニング。右側の収納扉がヴィータス

「ここにはリビングのこまごましたものを収納しています。上部まであるので、収納力も十分です」とAさんは満足そうです。

 そのお陰でリビングには出しっ放しのものはなく、常にスッキリ。快適に過ごせそうです。

 ご自身だけでなく、家族がご機嫌に過ごせるように工夫されたリビング。だからこそ、ご家族が自然と集まるリビングになったといえそうです。


文◎江頭紀子 撮影◎梅田雄一

《お話をうかがった方》 
Aさんご一家

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