サンドウィッチの達人になる![第3回]

ホットサンド自由自在!

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冷蔵庫の余り物を
はさんで焼けばごちそうに!

 ホットサンドメーカーに2枚のパンをセットし、間に具材をはさんで焼くだけでできる手軽な料理です。定番の具材は、ハムやチーズ。とろりと溶けたチーズはとても美味しいものです。

 けれど、どうしてもワンパターンになってしまいがちなので、せっかくホットサンドメーカーを買ってもすぐに飽きてしまい、キッチンの奥に収納されたままというご家庭も少なくないようです。

 ホットサンドは、実はサンドウィッチの中でもとりわけ自由度が高いのです。パンに合わないといわれる海苔の佃煮や明太子、さらには前日のおかず残りのきんぴらや肉じゃが、作りすぎて食べきれなかった焼きそばまで、何をはさんでも美味しく食べられます。
 ぜひ、冷蔵庫の中にある食材の余りや、冷凍庫に入れっぱなしの保存食を活用してみてはいかがでしょうか。

1台目は「フチ付き・シングル」を

 ホットサンドメーカーは、さまざまな製品が売られていますが、値段も形もどんなものを買ったら良いのかわかりにくいという声を聞きます。まず買っておきたいのは「フチ付き・シングル」です。

 ホットサンドメーカーには「シングル」と「ダブル」があります。シングルは、食パンがまるごときっちり入る大きさ。具材をのせ、上からもう1枚パンをのせるタイプです。

 ダブルは真ん中に突起があり、2枚を重ねて焼くと真ん中が圧着されて2つに分かれます。
 片側で1枚のパンを折りたたんで作ることもできます。

 中を見ると、外周に沿ってぐるりとフチがあるものとないものがあります。このフチは、上下のパンを圧着して、中の具材が漏れ出さないようにするためのものです。フチの外側、耳の部分はカリカリに香ばしく焼けます。
 フチがないものは、はさんで焼くだけでパンの端が離れやすいのですが、耳もある程度しっとりしたまま焼きあがります。

 また、中には少し大型で、内側に何本ものリブが付いているものもあります。これは線状の焦げ目を付けるためのもので、イタリアの長細いホットサンド「パニーニ」用です。

 ホットサンドメーカーは一度に一つしか焼けませんので、家族が多いともう一つ欲しくなりますが、そのときにフチなしやダブルタイプを検討するのもいいと思います。

 また、上下のパーツが分離できるものがあります。外れる方が、洗うなどメンテナンスには楽ですが、製品によっては二つをはめ込むのにコツがいる製品もあります。
 高いものは6000〜7000円、安いものは2000円前後で買えます。今回使用したのは分離タイプ。2400円ほどで通販で買ったお手頃なものです。

まずはハムチーズを焼いてみましょう!

 ハムとチーズはホットサンドの定番。
 ホットサンドメーカーの使い方とともに、作り方をご説明しましょう。

 ホットサンドメーカーの上にパンを置きます。閉めるときに手前側がはみ出さないように、接続部のほうに寄せると良いでしょう。その上にハムとチーズを置きます。パンは6枚切りまたは8枚切り。好みでかまいません。

 達人たちは、あらかじめホットサンドメーカーの内側にバターをひとかけら置いたり、エクストラバージンオリーブオイルを少し塗ったりしますが、これは焼き上がりの善し悪しではなく、味わいのため。慣れてきたら、塗ってみるのもいいでしょう。

 上からもう1枚パンをのせて、閉めます。このとき、パンがはみだしそうになったらつついて押し込めばOKです。

 閉めたら、柄に付いている金具を留めます。これでパンは圧着されます。

 ガステーブルの上にのせて焼き始めます。センサーキャンセル機能が付いているガステーブルなら、センサーをOFFにしておくと良いでしょう。火力は弱火〜中弱火。強すぎると焦げてしまいます。時々ひっくり返して、両面を焼いていきます。焦げ気味になると、においがします。

 焼け具合を確認するために、ときどき開けてもかまいません。写真のような焼き色が付いていればベストです。表裏、両方ともこの色になれば焼き上がりです。

 ホットサンドメーカーが熱くなっているので、気をつけて取り出します。そのまま食べてもかまいませんが、カットして断面を見せるのも良いでしょう。耳はカリカリになっています。切り落としたいときは、フチで密着されている外側を切ると良いでしょう。

 ホットサンドの基本を覚えたら、さあ、バリエーションサンドにチャレンジです。

モッツァレラとトマトは鉄板!

 ナポリピッツァの真髄、トマト、モッツァレラ、バジリコ(バジル)を使った「ナポレターナ」。小麦を使ったホットサンドでも最高の組み合わせです。4つに切って一口サイズで食べられるようにするために、具の置き方を工夫しましょう。

 トマトは1cmくらいのスライスにして種を抜き、2枚。一般的なサンドウィッチほど、水分を切ることを気にしなくても大丈夫です。

 モッツァレラは、ボッコンチーノと呼ばれるプチトマトと同じくらいの大きさのものが便利です。ちぎってのせましょう。

 上からエクストラバージンオリーブオイルをかけ、バジリコの葉を。好みで、軽く塩や胡椒をしても良いでしょう。

残り物の冷凍カレーを使ってスパイシーに!

「住み人オンライン」では以前、スパイスカレーの作り方をお届けしました。  スパイスから作るカレーはできたてが一番美味しいのですが、食べきれなければ冷凍できます。

 その冷凍カレーをホットサンドの具材にしましょう。できたてには及ばないにしろ、スパイスの香りは生きています。

 また、手元にあればフレッシュなパクチーを少し加えると、いっそう香りが立ちます。
 チキンカレー、マトンカレー、ほうれん草、キーマカレー……、なんでもホットサンドにしてしまいましょう!
 ビールにぴったりのホットサンドですよ!

漬物だってホットサンド!

 ホットサンドは和食の食材でも美味しく作れます。イメージは長野県の郷土食「おやき」。味噌味でもしょう油味でも作れます。

 今回は「日本酒に合うホットサンド」ということで、高菜漬けで作ります。

 刻んだ高菜漬けと水煮のタケノコをマヨネーズで和えます。このままでもいいのですが、少しパンチが欲しいので、柚子胡椒を混ぜてみます。

切断面(点線)を外して具をのせます。

 また、パンを斜めに切って三角形にするために、具は切断面を外す形でのせます。切りにくい具材でも、こういう工夫で綺麗にカットできます。

 このように、ホットサンドは自由自在。具材を工夫して楽しみましょう!


文・レシピ開発◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎藤井玲子

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