サンドウィッチの達人になる![第2回]

ハード系パンで贅沢サンドを!

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カスクルートは固くなったパンでも大丈夫!

 まずは、小麦粉、水、塩、イーストのみで作られる長細いフランスパンの「バゲット」や「バタール」を使ったカスクルート(カスクート)を作りましょう。

 フランスのサンドウィッチと言えばこれが挙がるほど有名ですが「口の中が傷だらけになる」「固すぎてかみ切れない」と、敬遠する声もつきまといます。焼きたてではなく、翌日以降に作る場合、フランスパンは乾燥していっそう固くなってしまうからです。

 けれど、リカバリーはできます。霧吹きなどで固くなったパンに水を吹き付け、オーブンでかるく温めるのです。そうするとカチカチのパンがしっとりと、焼きたてのようになります。

 フランスのカスクルートはバゲット1本まるごと使ったりしますが、カットがちょっと大変なので、あらかじめ1人前のサイズに切って、横にも切り目を入れて置きましょう。

 カスクルートcasse-crouteと書きます。casseは「割る・切る」、crouteは「パン」のことで、切れ目を入れたパンにハムやチーズをはさめばカスクルートのできあがりです。

カマンベールとリンゴ、春菊は相性最高!

カスクルート

【材料】


  • ・バゲットまたはバタール
  • ・生ハム
  • ・カマンベールチーズ
  • ・リンゴ
  • ・春菊
  • ・ディジョンマスタード
  • ・粒マスタード
  • ・蜂蜜
  • ・ヨーグルト
  • ・マヨネーズ
  • ・塩
  • ・胡椒
  • ・グリーンカールレタスやベビーリーフなどの青い野菜

 まず、いちょう切りにスライスしたリンゴ、ざくざくと刻んだ生の春菊、粒マスタード、マヨネーズとヨーグルト、塩、胡椒を和えます。マヨネーズとヨーグルトは同量で良いでしょう。そのままでは水分が多すぎるので、ザルで水分を切りましょう。この春菊とリンゴの具材は、そのままサラダにしても美味しくいただけます。生の春菊が意外とリンゴに合います。

 続いて、ディジョンマスタードを内側に塗ったフランスパンに、グリーンカールなどの野菜を敷きます。

 そこに春菊とリンゴのサラダをのせ、くしゃっとまとめた生ハムをところどころに入れます。
 さらに、一口大に切ったカマンベールチーズを入れてできあがりです。具が飛び出るほど入れると、写真を撮ったときに見栄えが良くなります。

 カマンベールとリンゴは、フランスでは最高の組み合わせのひとつ。そこに春菊のフレッシュな苦みが加わって、とても美味しくいただけます。

 写真では、てっぺんにリンゴを一切れ、楊枝で刺してみました。もし誰かのおうちに持って行くならリンゴはのせず、オーブンシートなどでくるんでから両端をねじって、キャンディのような形にするとかわいらしいでしょう。

パン・ド・カンパーニュでパーティサンド

 続いては、「田舎風」という名前が付くパン・ド・カンパーニュを使った、パーティ用のサンドウィッチです。カンパーンニュは、フランスパンと同じように粉、塩、水しか使いません。発酵させるためのイーストは天然酵母です。

 さらに、粉も精製度の低いものだったり、ライ麦粉や全粒粉を混ぜたり、あえてピュアさより力強さと豊かな味わいを求めたパンです。干しぶどうやイチジクなどの果物、くるみなどのナッツが入っているものも少なくありません。

 素朴さと力強さを感じるカンパーニュですから、ここは豪快にまるごと使ったサンドウィッチを作りましょう。

カンパーニュのパーティサンド

【材料】


    ・パン:カンパーニュ(クルミや葡萄などが入っていても楽しい)

      ■具材1

    • ・生ハム(切り落としでもOK)またはロースハム
    • ・スライスチーズ
    • ・マスタード
    • ・グリーンカールレタスやサラダ菜、ベビーリーフなどの青い野菜

      ■具材2

    • ・むきえび(ボイル)
    • ・アボカド(角切りまたは潰してペースト状に)
    • ・トマト(角切りにして水分を取る)
    • ・マヨネーズ
    • ・クリームチーズ

      ■具材3

    • ・ゆで玉子
    • ・ディルピクルスまたはコルニッションのみじん切り
    • ・イタリアンパセリ
    • ・タマネギのみじん切り
    • ・マヨネーズ
    • ・塩
    • ・胡椒
    • ・レモン汁
    • ・グリーンカールレタスやサラダ菜
    • ・ベビーリーフなどの青い野菜
    • ・バター

 具材2のむきえびは、冷凍や生なら塩水を沸騰させてさっと湯がきます。アボカドとトマトに塩をして和えておきます。

 具材3の玉子は、冷蔵庫から出して針などで穴を開け、沸騰したお湯にそっと入れて5分茹でてから流水に浸して冷まします。殻を剥いてボウルの中で潰したら、ディルピクルスのみじん切り、パセリの葉のみじん切り、タマネギのみじん切りを加え、塩、胡椒、マヨネーズを加えて味を調えます。好みでレモン汁を絞っても良いでしょう。

 パン・ド・カンパーニュを水平に4枚に切り分けます。波刃のパン専用ナイフが切りやすいですよ。

 それぞれのパン(上下を間違えないように)に1〜3の具材をのせます。順番は自由。

 生ハムはマスタードをたっぷり塗り、青い野菜を敷いてから。アボカドと海老ははクリームチーズを塗り、緑の野菜を敷いてからアボカドとトマトの和えたものをのせ、その上にバランス良く海老を並べます。
 玉子は、パンにバターを塗ってから青い野菜を敷き、その上にのせます。具材は、それぞれたっぷりのせた方が、ボリュームを出すことができます。
 すべてのパンを重ねます。もともとのパンの向きと合わせると、綺麗な形になります。

 重ね終わったらラップでぐるぐると巻きます。パーティ先へ持って行くなら、模様の入った紙などで巻いてリボンをかけましょう。
 自宅で食べる場合は、冷蔵庫に入れて少し落ち着かせます。

 パーティ先でラップを剥がし、中央に竹串を刺します。写真のプチトマトは単なる飾りなので、なくてもかまいません。これをみんなの前で、包丁を使いケーキを切るようにカットします。波刃ではなく、通常の包丁を使いましょう。刃を真上から中央に立てると、すっと入ります。

 そこから包丁を軽く動かしながら、下まで切っていきます。力を入れすぎたり、無理矢理押し下げたりすると潰れてしまいますので、刃の切れ味ですっと切るようにしましょう。1カットごとにキッチンペーパーやふきんなどで包丁を拭くのをお忘れなく。

 さあ、切り分けたらパーティの始まりです。
 ボリュームたっぷりのパーティサンド、かぶりつくのは大変ですから、一段ずつ食べると良いでしょう。

 次回はデイリーで楽しめる、お酒のつまみにもぴったりのホットサンドです!


文・レシピ開発◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎藤井玲子

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