サンドウィッチの達人になる![第1回]

断面萌えサンドにトライ!

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作る前におさえておきたい5つのポイント

1.まずはパンの選び方から!

 サンドウィッチは食パンで作るもの、というイメージがありますが、フランスパンのバタールやバゲット、ハード系パンなら天然酵母を使ったパン・ド・カンパーニュ、ライ麦などを入れたセーグルなど、パン屋さんにはさまざまなパンが売られています。「自分が好きなパン」を選んで何かをはさむ。それがサンドウィッチの自由で楽しいところです。

 また、最近は高級食パンもコンビニで買えるものの、日本人の嗜好に合わせて「甘く」仕上がっています。甘いパンが苦手な人は、フランスパン生地で焼いた食パン「パン・ド・ミ」を選ぶのも良いでしょう。好みに合ったパンを選んでいくのは「自分ならではのサンドウィッチ」を作る第一歩です。

 今回は、まずコンビニやスーパーでも買える食パンを使って、失敗しないサンドウィッチのポイントをお伝えしていきます。
 食パンは、枚数や厚さはさまざまです。ボリュームがある具材には6枚切りの厚めのパン、薄い具材、シンプルな具材なら8枚切りやさらに薄いサンドウィッチ用パンを選ぶと良いでしょう。耳を落とすかどうかはお好みです。

2.パンをびちゃびちゃにしない

 パンに具材の水分が染みてくたくたになっていると美味しくありません。パンにはバターをはじめとした「スプレッド」を塗りましょう。味のためもありますが、それ以上に、野菜などの水分をしみこませないための防水効果を狙います。

 冷蔵庫から出したてのバターやクリームチーズは冷えて固いので、室温に戻します。柔らかくて塗りやすいディジョンマスタードや粒マスタード、マヨネーズなどでも良いでしょう。1枚のパンにバター、もう一枚にディジョンマスタード、という塗り方も良いと思います。

 野菜は水洗いしてから使いますが、そのままでは水気が多く、バターを塗っていてもパンに水がしみこんでしまいます。サラダスピナーなどを使って丁寧に水分を飛ばしましょう。スピナーがなければ、ざるで水を切ってから、ペーパータオルなどで丁寧に水分を取ります。

コーヒードリッパーはペーパーフィルター式、金属のメッシュ式がありますが、どちらでもかまいません。ペーパーフィルター式ならペーパーフィルターを置きましょう。

 トマトは、特に水分が多い食材です。スライスする場合は種を取り除いてペーパータオルで水分をきちんと取り、カットするなら下の写真のようにコーヒードリッパーを使って水分を切りましょう。

 具材を細かく切ってマヨネーズやヨーグルトなどで味付けをする場合、やはり水分がかなり出ますので、挟む前にザルで水切りをすると良いでしょう。

3.具材をのせるときは切る方向を意識して

 スプレッドを塗ったら具材をのせます。このとき、挟んだ後にどう切るかを考えて並べると、切り口が綺麗なサンドウィッチになります。

 例えばハムを並べるときは、折り曲げて並べると断面のボリューム感が増します。

 また、切断面にあたるところに細かい具材や切るとはみ出すマヨネーズなどを塗らない方が、綺麗な断面になります。

4.ラップやオーブンシートでくるみ、休ませる

 具材をのせ、パンを二枚重ねたら、軽く全体を手のひらで押してから、ラップやオーブンシートでくるみます。最近はかわいらしい模様の「サンドウィッチペーパー」も売られています。

 オーブンシートは表面に加工がされており、テープなどで留めることができませんが、キャラメル包みでくるんで、なんとなくまとまっていれば大丈夫です。包丁を入れる向きと、紙の合わせ目が直角になるように包みましょう。

 15分ほど冷蔵庫に入れて休ませると、パンと具材がなじんで切りやすくなります。スプレッドがきちんと塗ってあれば、1~2時間経ってもパンがびちゃびちゃになることはありません。

5.切るときは力を入れすぎない

 冷蔵庫から取り出して包丁で切るときは、まず包丁の柄に近いところを当て、スライドさせながら「刃の切れ味」で切っていくこと。上から力を入れすぎると潰れてしまいます。包丁を前後に大きく動かし、最後は一番下にあるキッチンペーパーを、包丁の切っ先で切り離します。

 また、1回カットするたびに、ふきんやペーパータオルなどで包丁についた汚れや油などを拭きましょう。このひと手間で、断面萌えを実現できます!

 同じ量の具材でも、ハムの折りたたみ方でボリューム感が違って見えるのが分かるでしょうか。ボリュームがある方が良いか、スリムな方が良いかは好みです。断面を想像しながら、さまざまな具材を並べましょう。

 ここまで5つのポイントをおさえたら、さっそくサンドウィッチ作りに挑戦してみましょう!

ハムとチーズのサンドウィッチ

 断面映えを意識したハムチーズサンドです。

 8枚切りのパンに、ディジョンマスタードを塗ります。バターやクリームチーズでもかまいませんが、マスタードの酸味と辛味がハムに良く合います。

 両方にグリーンカールレタスをのせ、片方にスライスチーズを。どんなチーズでもかまいませんが、味が濃いチェダーチーズを使いました。

 その上に、ハムをくるくると巻いて4枚、さらに香りの良いイタリアンパセリを葉の部分だけちぎってのせます。パセリの茎は固いので食感が悪くなります。

 断面を避けてマヨネーズを塗り、さらに上からミルで白胡椒を挽きます。ハムとチーズの香り、イタリアンパセリの香り、胡椒の香りの三重奏です。

 丸まったハムの断面もかわいらしく、同時にボリューム感もたっぷりのサンドウィッチになりました。

スモークサーモンとアボカド・トマトのサンドウィッチ

 続いては、スモークサーモンとアボカドを使ったサンドウィッチです。

 アボカドは角切りにしても良いのですが、今回は軽く潰しました。水切りをした角切りのトマトを混ぜ、塩胡椒をしてざっくり混ぜておきます。

 新タマネギが美味しい季節ですから、新タマネギもスライスしておきましょう。新タマネギでなければ、少し水にさらして辛味を抜きます。

 マスタードを塗ったパンにグリーンカールやベビーリーフなどの野菜を敷きます。

 片方にはスモークサーモンを、切断面と直角になるよう一部を重ねながら並べ、タマネギのスライスとケッパーを散らします。塩漬けのケッパーの場合、事前に10分〜15分水に浸けて塩抜きを。

 もう片方はマスタードを塗ってから野菜を敷き、そこにトマトとアボカドをのせます。さらに、切断面を避けてクリームチーズをのせます。サーモンとクリームチーズは「出逢い」です。手に入れば、フェンネルやディルなどのハーブを加えても良いでしょう。

 オーブンシートでくるみ、15分ほど冷蔵庫で休ませてからカットすればできあがり! みなさんもぜひ「断面萌え」サンドウィッチを作ってください!


文・レシピ開発◎坂井淳一(酒ごはん研究所)
撮影◎大西尚明
スタイリング◎藤井玲子

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