中村美香さんのキッチン美収納セミナー [第2回]

整理・収納は「ツール」からはじめる!

空間
キッチン
関心
お手入れ整理収納

ツールの整理・収納

 整理・収納には、比較的簡単にできるモノと、難しいモノがあります。そして、簡単なモノから取組み、ステップアップしながら難しいモノに取り組んでいくと効果的です。

 中村さんによれば、キッチンに収納するモノのなかで一番取り組みやすいのが「ツール」だそうです。ツールとは菜箸やお玉、しゃもじ、キッチンばさみなど、比較的小ぶりな道具類を指します。
(これより大きな包丁、まな板、ボウル、ざるなどは「調理道具」として区別し、次のステップで取り組みます)

 では、中村さんに実演していただきましょう。

 ご覧いただいたように、整理と収納のポイントは、それぞれ一つずつに集約されます。

 整理に関しては「必要最低数を決め、残すモノを選び、あとは処分する」。
 収納では「同じ仲間で集める(大きさごとにまとめない)」。

 これらのポイントは調理器具、鍋・フライパン、食器などに取り組む際も共通するので、しっかりおさえておきましょう。

 また、今回の動画は中村さんのお宅で収録しましたが、中村さんのキッチンは管理が行き届き、しっかりと整理・収納されています。そのため、「モノであふれている」という方が、動画でご紹介する整理・収納術に今すぐ取り組むのは難しいでしょう。

 そこで、「整理」によって不要なモノを処分したら、すべてをもとあった場所にそのまま戻していきます。そのようにして、キッチンにあるすべてのモノを一通り整理し終えてから、配置計画を立て、収納していくのです。
 これはかなり時間がかかる作業ですので、週末をフルであてたり、1週間かけて少しずつ取り組んだりしていくと良いでしょう。

 なお、配置計画については、すべてのモノの解説を終えたあとにご紹介します。

調理道具の整理・収納

 続いて、調理道具の整理・収納です。ツールと同じように、まずは「必要最低数」を決めていきます。

 包丁に関して、中村さんはこう説明します。
「料理をすることを考えると、肉・魚用と野菜用で2本あると便利です。また、その2本は同型、同サイズのものがベスト。フルーツナイフのように専用の用途しか持たないものをたくさん揃えると、管理するのが大変ですからね。『どうしても必要』というものは構いませんが、こだわりがなければ、何にでも使える包丁を2本残すことをおすすめします」

 まな板についても「包丁と同じ考えで、2枚あると便利」とのこと。
 ただし中村さんは、こうも話しています。
「私は料理が好きで、いろんなメニューを同時につくると、まな板がすぐいっぱいになってしまいます。そのため、まな板は3枚持っています。このように、必然的な理由があってモノを増やすぶんにはまったく問題ありませんよ」

 収納に関しては、「包丁は素直に包丁ラックへ。まな板は重ねず、立てて収納すると取り出しやすいですよ」と、中村さん。
 なお、包丁ラックに関しては、「ビスで取り付けられているものは付け替え可能なので、自分の好みの場所に付け直すといいですよ」とのことです。

 かさばる調理道具の代表例であるボウルとざるに関しては、中村さんの実演を動画でご確認ください。

鍋・フライパンの整理・収納

 今回の企画に先立ち、リクシル・オーナーズクラブ会員に行った「整理・収納に困っているモノ」アンケートで第1位になったのが、鍋・フライパンでした。

「収納にきれいに収まらず、重なってしまうため、出し入れが面倒」
「大きなものから小さなものまで揃えすぎているのか、重ねると取り出しにくいし、横にするとすべて収まらない」
 など、多くの方が「大きいうえに、形もバラバラ」という点にお困りのご様子。

 中村さんメソッドでは「必要最低数を決め、残す物を選ぶ」のが整理・収納の第一歩ですが、鍋・フライパンの必要最低数はどのように決めたらいいのでしょうか? また、どのように収納すると、かさばらないのでしょうか?

 動画で確認してみましょう。

 なお、動画では収録していませんが、蓋についてはこうアドバイスしていただきました。
「フライパンで蓋を使う調理は限られています。一般的なのは目玉焼きと餃子くらいでしょうか。そう考えると、蓋つきのフライパンは1組あれば十分です。2つ目からは、新品で蓋がついていたとしても手放すといいでしょう」

雑貨の整理・収納

 キッチンまわりの雑貨で整理・収納に困るものといえば掃除用具。スポンジなどは「収納」するわけにはいかず、常にシンクに出ているため、キッチンを雑然とさせるもとになります。

 しかし中村さんのキッチンで常に出たままになっている掃除用具は、スポンジ1つだけです。

「食器用、油汚れ用、排水溝用など、スポンジを複数持つことはありません。油汚れはキッチンペーパーで拭きとってから洗剤で簡単に落とせますし、排水溝は毎日洗っていればきれいに保てるので、スポンジを替える必要はないんですよ」

 また、ここまでの動画で「特定の用途しか果たさないものは持たないように」とお話されているように、「水筒用ブラシ」など特殊なお掃除グッズを持たないのが中村さんメソッドです。

 スポンジ以外の掃除用具は、洗剤類は深さのある引き出しに収納。ラップやホイルなども、引き出しに立てて収納すると、取り出しやすくなるのだそうです。

 特にかさばる雑貨である食品保存容器については、動画で解説していただきます。

 次回は調味料、乾物、食器などの整理・収納を解説します。

→ 第3回に続く

〈お話を伺った方〉

中村美香さん

美的ハウスキーピング代表、美的ハウスカウンセラー、美収納アドバイザー。
2009年より自宅にて大人女子の家事塾「美的ハウスキーピングサロンDolce Tempo」を主宰。同時に個人宅向けの整理収納サービスを行い、10年で約500軒の家を訪問。モノに支配されない美しい暮らしを目指す、独自の「美的ハウスキーピングメソッド」を指導している。
著書は、累計発行部数15万部超の『美的ハウスキーピング』シリーズ(KADOKAWA)をはじめ、『幸せな美的ハウスの作り方』(祥伝社)、『ミセス美香の美ハウスレッスン』(KADOKAWA)などがあり、雑誌掲載・メディア出演も多数。

ホームページ「美的ハウスキーピング」http://r.goope.jp/dolcetempo
ブログ「美しい暮らしのエッセンス」https://ameblo.jp/homeplanningideas/

文◎編集部
写真◎Standz

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)