職人さんたちの手際の良さに驚き
一部屋に荷物を運び入れた様子。数時間でこの状態に。
重いピアノはカバーで包み、少しずつ移動させながら、クロスをはがす。
工事前の居室にはブルーシートを張り、ほこりが入らないよう対処。
前回訪問した昨年9月には「正式な契約はまだ。工事もこれからです」という段階だったWさん。その後11月に工事が開始。撮影していただいた工事中の写真を拝見しながら、「住みながら」のリフォーム工事について、Wさんに当時の様子を振り返っていただきました。
まず初日は家具の運搬から。ひと部屋にまとめて家具を運び入れたり、家具にカバーを付けたり、あっという間に作業が進みます。Wさんは、その手際の良さに驚いたそう。
ダイニングの壁を撤去した様子。一気に空間が広くなったことが分かる。
既存のシステムキッチンをはがし、新しいキッチンのサイズに合わせた下地の枠を設置したところ。
そして、廊下とダイニングの壁などの解体が開始。
ちなみに工事時間は8時半~17時。事前にマンションの管理組合に届け出をし、近隣住戸にも事前に、リフォーム工事をする旨のご挨拶に伺いました。
「こうした声かけもリフォーム会社さんがしてくれました。もちろん、私もお付き合いがありますので、ご挨拶をいたしました」
主に工事で継続的に音が出るのは、最初の解体工事です。
「壁を壊す作業はほぼ1日半で終わりました。私も家にいながら工事をしてもらうので、一日中うるさかったらどうしようと思っていたのですが、意外に気になりませんでした」
キッチンも初日に撤去。
Wさんは、「最初に『もう解体していいですか?』と聞かれたので、『いいですよ』と答えました。夫は仕事で平日はいないし、1人なら外食などで済ませられます。まだ台所を使うなら、撤去を後回しにもできたようです」
リフォームには想定外は付き物
(左)配線の問題で既存の壁の手前に枠を設置し、二重壁に。(右)二重壁にした分、手前に壁がくるので、目隠しになる壁の奥行も追加することに。
壁紙や床材を外し、コンクリートの躯体がむき出しになると想定外のことも出てきます。それは、リフォームでは当たり前のこと。
「電気の配線などがコンクリートの中に埋めこまれた鉄管パイプに組み込まれていて、新たな配線を施すには、壁を手前に設置する必要が出てきたり、天井のわずかな出っ張りでキッチンの吊り収納が天井にぴったりつけることができなかったり。ただ、その場その場で、職人さんたちが相談しながら、臨機応変に対応していく様子は、さすがプロだなと思いました」
昔の作りのマンションなので、和室、洋室、廊下、すべて床の高さが違っている。(左)既存の和室の畳の下地を外したところ (右)リフォームでは、床の高さを合わせるため、和室には合板を下地として敷き詰めた。
玄関の収納扉の長さも、実際の現場でサイズをあわせカットしていく。
さらに当初は「工事中はホテルにでも避難しようかしら」と考えていたWさんですが、実際に工事が始まってみると、住み慣れた我が家が変わっていく様子や、職人さんたちのプロフェッショナルな仕事ぶりを見るのが楽しくなったそうです。
「少ないときは1人、多いときは10人超の職人さんが出たり入ったりしていたでしょうか。リフォームをお願いした業者の方だけでなく、左官、ペンキ、クロス張りなどの専門の職人さんもいらっしゃいましたね。現場監督の方が手筈を整え、段取りよく工事を進めていく様子は、ほんとうにすごいなと感心しました」
(左)最初のフローリングを設置したところ。「こんなふうに貼られるんだと新鮮でした」 (右)すべてのフローリングを張り替え、家具を配置したところ。空間が一新。
住みながらのリフォームには
工事が円滑に進むメリットが
「例えば、“扉の開きは左と右のどっちがいいですか?”とか、“ファンの高さは他の収納とそろえたほうがいいですか?”などと質問され、その場その場で実際に動いてみて細かなお願いをできたのもよかったです」
その場で確認できることで、確認待ちをする手間が省け、工事がスムーズに進むメリットがあるうえ、完成後の「思っていたのと違った」という失敗も防げます。
工事中は、可能な限り在宅していたWさんですが、もちろん、ずっと立ち会う必要はありません。Wさんも用事があるときは声をかけ、外出することもありました。
「最初は、リフォームといえば、全部家具を出して仮暮らしをしなければいけないと思いこんでいました。家具を少しずつ移動させたり、リフォームをしない部屋に日常的なものを置いたりしながらであれば、住みながらのリフォームは意外に楽でした」
そして、当初の予定どおり、約20日間で完成へとなったWさん邸。
次回は、完成後の様子をレポートします。
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