新築5年 我が家は何をすべき?[第3回]

動線改善&不便解消には、5年目の「キッチン大改造」も◎

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キッチン
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お手入れ整理収納リフォーム

収納スペースが足りなくなってきた

 新築の家は、さまざまな箇所を検討して建てられますが、考えることが多すぎて、最優先に考えたつもりのキッチンも、こうすればよかった、ああすればよかった、と思うことが少なくありません。

5年も経つと生活スタイルが変わり収納スペースが不足することも多い。

 その一番の後悔は「収納」だといわれています。
 食器や調理器具など、新築の時はきちんと計算して収納スペースを作ったつもりでも、思ったより増えてしまって、収納に困るというケースが多いようです。

「つくりたい料理のジャンルが変わって、新しい調理器具を購入したり、やはりもっと収納がほしいと思うことはあります。あとは、オーブンレンジなどの買い換え。今のモデルより大きいものを選びたくなるんですよ(笑)。新築の時には、オーブンレンジのサイズを計って、きっちり収納を設計したりするので、大きな機種に買い換えようとしたら収納できなかった」と時吉さん。

 そういうときには、リフォーム業者からは同じ製品のラインで増設したり、色を変えて違和感のない製品をおすすめされることが多いようです。

 ただ、低価格をウリにする家具量販店などでそろえると、すぐにシリーズが廃版になってしまったり、サイズが合わなかったりすることもあります。
 限られた予算でリフォームをすることが多いわけですが、購入する店選びにも気を付けたいものです。

最新の換気扇は静かなばかりか掃除もラクラク。

 収納を増やすときには、電源のコンセントなどを一緒に増設するのもいいかもしれません。新しい家電調理器具を買ったり、iPadでレシピを見ながら料理をしたりするために、電源がほしいと思う方も少なくないようです。

 キッチンの換気扇も、5年ではまったく問題はありませんが、ちょっと検討してみてもいいかもしれません。
 今の換気扇はとても優秀です。まず静音仕様になっていて、24時間稼働しても気にならないレベルです。これはシロッコファンという方式なのですが、最新モデルではさらに改良されていて、ファンが回転する勢いで油を飛ばし、油だまりに貯めるので、掃除がとても楽になります。

「キッチンには生ゴミもありますし、いろいろな臭いもこもりがち。音を気にせず24時間換気ができるのはとても良さそうですね」

思い切ってキッチン全体をリフォーム

「5年くらいでキッチンをリフォームという方は少ないでしょうけれど、不満が大きいなら、いっそのこと大改造を試みるのもいいかもしれませんよ」と時吉さん。

「私は、キッチンのリフォームをするとき、スペース的な制約があったので片方の端が壁に付いたI字型のアイランドキッチンにしました。ダイニングの方を向いているので、家族と会話しながら料理ができて孤独な感じがありません」

 そういう大がかりなリフォームをするときにチェックするポイントがいくつかあります。

時吉さんはシンクより作業台の広さを優先した。洗い物より料理のしやすさのほうが大切。

「最優先するのは、作業台の広さ。いまは大きなシンクの製品が多いですが、こまめに洗い物をしながら料理をすれば、じつはシンクはそんなに広くなくても問題がないんです。家庭で使う鍋はせいぜい直径26センチくらいまで。それが置ける余裕があれば、シンクが小さく感じることはさほどありません。それよりも、作業台が大きいことで、鍋を置いたり、皿を並べて盛り付けをしたり、作業効率がぐんと上がるんですよ」

 時吉さんは、ご自分のキッチンのリフォームの時に、作業台を大きくするためにIHのコンロを極力壁に近づけるようにお願いしたとか。
 ガスだと炎が上がるので、防火仕様の壁から何センチ離さなければいけない、という決まりがあります。けれど、IHならそこは比較的フレキシブルに対応できるようです。

 シンクも、水切りパネルなどを置けて作業スペースを拡げることができますから、そういうパーツを使うのもいいかもしれません。

改造したい点の優先順位をつけてみる

 大改造をするときに、他に注意点はあるでしょうか。一般的には、何が必要かを検討して優先順位付けることが肝心だそうです。

「あったらいいなあと思うものをなるたけ付ける、という考え方もあると思います。あとから追加するのは難しいものもありますし、費用もかえってかさんでしまいます」

キッチンのちょうどいい高さも重要。リフォームするときは考えたいことのひとつ。

 もちろん、予算との兼ね合いもあるでしょうが、1回目で時吉さんがお話しされたホース式の蛇口のように、迷ったときは付けておいた方がいいかもしれません。

「キッチンのスペースはそもそも限られて、広げることはできませんから、その中で検討していかなければならないのですが、収納はきちんと頭に入れておきましょう。奥行きがあるタイプのシステムキッチンなら、ダイニング側に収納の引き出しが付けられます。これがいいんですよ、私も欲しかった(笑)。自分のリフォームで思ったことは、食洗機はなるべく大きいものを選ぶことですね。小さいと、2回に分けて洗わなくてはならなかったり。これも収納との戦いですけれどね」

 まずは、あなたのキッチンを磨き上げて見ましょう。
 そしてキッチンを見回すと、いろいろなアイデアがわいてきますよ。

お話しを伺った方

時吉真由美さん

料理研究家、cooking Clocca代表。40年以上にわたり料理教室講師を務める。また、テレビ・出版物などの料理監修、フードコーディネートも多数。

文◎坂井淳一 撮影◎小林彦真

リクシルオーナーズクラブ(年会費無料)