そもそもフェンスとは、隣の家や道路との間を仕切るための設備です。しかし「LIXIL東京エクステリアショールーム」でまず驚いたのは、種類の豊富さ。
縦格子、横格子、井桁格子のほかに、ルーバー、メッシュ、パネルなどいろいろなタイプが取り揃えられています。
たとえば、同じ縦格子でも、格子部分の太さや隙間の開き方、さらにフェンスの厚みなどでいくつものバリエーションがあるのです。
フェンスのコーナーは、壁際のラックにも多彩な商品が収められているので引き出してチェックしてきます。右手前のフェンスは、見る角度によって向こう側の見え方が変わる縦格子タイプ。どう変わるかは次の写真で。
こんなにたくさんあると迷ってしまいそうですが、
「選ぶときの一番大事なポイントは『目的』です。道路や隣地との敷地境界を明確にしたいのか、視線を遮りプライバシーを守りたいのかなど、何のためにフェンスをつけるのかによってタイプが変わってくるんです。
また、視線を遮る場合でもどの程度目隠ししたいのか、どの方向からの視線を遮るのかといったことでも求められるフェンスは違うんですよ」
と、LIXILエクステリア事業部の田中政幸さん。
「たとえば、ちょっとこの前に立ってみてください」と示されたのは、縦格子のフェンス。
真正面に立つと、隙間から向こうがよく見えます。ところが、斜めから覗くと、おおっ、何も見えない!
つまり、これは斜めからの視線を遮るのに向き、前の道路を歩く人の視線も緩やかに遮れることができるわけです。
手前のフェンスを左から見ると、ご覧の通り、隙間がなくなって目隠し効果がアップ。
「逆に、通行人の視線を遮るのに、隙間が広い横格子は不向き。歩いている間ずっと、隙間から中が見えちゃいますから。ただし、フェンスの前に木を植えるなら、隙間が広くて風通しのいいものが向きます。
ほかにも、浴室の窓の前ならしっかり目隠しできるルーバータイプやパネルタイプにするなど、目的に合ったフェンスを選ぶと、暮らしの快適度はグンと高まりますよ」
フェンスとブロックを組み合わせた例。フェンスだけを設置するのとはまた雰囲気が変化します。ブロック部分はエクステリア業者による施工となります。
ちなみに、フェンスの素材はアルミ製が主流。木製のように見えるものもアルミを加工したもので、耐久性に優れて錆や腐食に強いため、お手入れはほとんどいらないそうです。
そんなフェンスのコーナーでは、ブロックとの組み合わせも提案されていました。田中さんによれば、高さを出すにはこのような施工の仕方もあり、ブロックだけで塀をつくるよりも柔らかな印象になるうえ、地震のときの安心感も高まるそうです。
家の印象を決める門扉は
デザイン優先で選ぶ
専用ラックにはあらゆるタイプの門扉が勢揃い。どれもデザインが美しいので、全部見たくなってしまいます。
門扉用の錠にもこれだけの種類が!どれを組み合わせるかで門まわりの表情が変わりそうです。
門扉のノブは、誰にも使いやすいユニバーサルデザインも多数ラインナップ。「プッシュブルのこのタイプは小さいお子さんでも手が届きやすいですよ」と田中さん。
次に向かったのは門扉のコーナー。こちらもまた壁一面にずらーっと実物見本が並んでいます。鋳鉄製のコンサバトリーなタイプ、スタイリッシュな横ラインなどおしゃれなものが多く、目移りしてしまいます。
「門扉の選び方はデザインが第一。家との調和や自分の好みから決めていいと思います。もちろん、玄関まわりをオープンな雰囲気にするか、しっかり隠したいのかでも選ぶタイプは変化しますね」
その向いには扉のノブも陳列されて、門扉とのコーディネートが楽しめます。
田中さんによれば、ノブは家族構成によっても選択肢が変わり、お年寄りや小さいお子さんがいる家庭ならプッシュブルタイプがお薦めとのこと。
「LIXIL東京エクステリアショールーム」では、選んだ門扉やフェンスなどを自宅の写真データにはめ込む完成イメージ作成サービスも実施しています。
テイストやサイズがマッチするかを確認できれば安心ですよね。
表札はウェブサイトで
シミュレーションを
表札にはカラフルなタイプも。最近はローマ字表記も人気とか。字体の選択でもイメージは一変します。
郵便や新聞を受け取るポストは横型や縦型などタイプはさまざま。門柱に埋め込むタイプも用意されています。
このほか、表札やポストが一堂に会したコーナーもあり、デザインやサイズ感を比較して選ぶことができます。
「ポストには流行があって、今はシンプルなタイプが人気です。表札は家の雰囲気に合わせて選ぶ方がほとんどですが、字体などはもう完全に好みの世界ですね」と、田中さん。
LIXILのホームページにはデザイン、色、字体などを選んで試せるサービスもあります。ショールームでお気に入りを見つけたら、家に帰ってシミュレーションしてみるとイメージに合うものがつくれそうですね。
★LIXIL表札シミュレーションはこちらから
(www.lixil.co.jp/lineup/sign/simulat/)
ショールームに来るまでは遠い存在だったエクステリアですが、見て触れて試しているうちにとても身近に感じられました。
インテリアを選ぶようにエクステリアも自分好みにリフォームすれば、住まいへの愛着はますます深まりそうですね。
(連載終わり)
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