住まいを〝自分色″にするエクステリア120%活用術[第5回]

ライティングテクニックで住まいをアートに!

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インテリアデザイン

夜道を歩いていて、光が照らし出す住宅の美しさに思わず足を止めた経験はありませんか? その美しさは、エクステリアライトのたまもの。外まわりの照明といえば、足元の安全や防犯性を高めるのが役割ですが、昨今は実用面だけでなく、魅せる設備としてのニーズが高まっているそうです。

「LIXIL東京エクステリアショールーム」に設けられた美彩Laboは、予約なしでも自由に見学できます。エクステリアのプランナーや施工業者が勉強のために訪れることも多いとか。

 LIXILでは美観を意識した照明として、エクステリアライト「美彩(びさい)」シリーズを開発。外まわりの照明を見直して美しい街並みをつくりたい――。そんな想いをエクステリアライトに込めているのだとか。
「LIXIL東京エクステリアショールーム」には、ライティングの効果を体感できる“美彩Labo”が設けられています。

「ぜひここも見学してみてください」
 LIXILエクステリア事業部の田中政幸さんにそう促され、2階にあがると、壁で仕切られた専用ルームがつくられていました。秘密の場所を覗くようで、なんだかドキドキしてしまいます。

ラボ内には門まわりや庭が再現され、ライティングの効果を見て確かめることができます。照明プランの参考になるテクニックが満載!

 そっとドアを開けてみると、部屋の中は夜の暗がりを再現。そこにいくつもの優しい光が灯っています。壁を照らす光、門柱を照らす光、樹木や草花を照らす光など、どれも幻想的でまるでアートのようです。

「面のあかり」は人を癒す間接照明

壁面を下から照らすのは耐水性に優れた“グランドライト”。光の伸び方と広がり方で変化するファサードの表情を実感できます。

 うっとり見とれていると、田中さんからこんなレクチャーが。
「エクステリア空間には、大きく2つのあかりがあるんですね。1つは『面のあかり』、もう1つは『点のあかり』。このうち、面のあかりは建物や植栽など対象物を照らした反射光によって、空間に明るさや安心感をもたらします。たとえば、壁面なら下からなめ上げるように光をあてるのがポイント。タイルの凹凸が立体感のある陰影を生み出すんです」

 このとき、どの部分をどのように照らすかによっても、雰囲気が変化するとのこと。壁面のライトアップでは光の伸び方と広がり方が異なる照明器具が用意され、比較することができます。

門まわりのライティングテクニックも参考になることばかり。門柱は上下と側面のライトの組み合わせによって雰囲気が変化します。

 樹木や草花のライトアップも同様に、下からなめ上げるようにライトアップするのがセオリーです。こうすると枝や葉のシルエットが建物や壁に投影されて、ドラマティックな表情を生み出せるというわけです。

 ちなみに、こうした鉛直面(地面に対して垂直の面)の反射光に包まれた空間は、人にとって最も心地よい間接照明なのだとか。このテクニックは室内の照明にも生かせそうですね。

 一方、門柱のような明るさが欲しい部分には、下から当てる以外に、上部や側面にライン状のライトを入れ、組み合わせて使うと立体感が出せます。階段部分はステップの裏側に照明を入れるとエレガントな雰囲気になり、玄関へと誘うあかりにもなってくれるのです。

個性的で表情豊かな空間を
演出する「点のあかり」

玄関アプローチや庭の樹木・草花は、面のあかりに点のあかりを加えていくことで華やかさがアップ。点のあかりには、目線を誘導しながら足元の安全を確保する効果も。

 では、エクステリア空間のもう1つの照明、「点のあかり」とはどのようなものでしょうか。

「点のあかりは、照明自体の輝きで光のアイポイントをつくり、これを点在させることで空間の華やかさを演出します。たとえば、庭の照明も面のあかりと点のあかりを組み合わせることで、個性的で表情豊かな空間にすることができるんですね」

 点のあかりを生み出す照明として人気を呼んでいるのがローポールライト。ポール部分が鏡面のステンレスのため、周りの草木が映り込み、あかりがぽっと浮かんで見えるのが特徴。幻想的な空間を生み出せるそうです。

空中に浮遊するような光を生む、透過型のローポールライト。スリムで洗練されたデザインはモダンな住まいにマッチします。

 こうした美彩シリーズのほかにも、ショールームにはエクステリアライトが多数展示されています。あかりが灯った状態で、住まいの雰囲気に合うものを探すことができるのは、ショールームならではといえるでしょう。

 昼間とはまったく違う夜の顔を生みだせるのが、エクステリアライトの面白さ。ショールームで体感したライティングテクニックをヒントにすれば、道行く人が思わず足を止めるような素敵なわが家がつくれそうです。

「LIXIL東京エクステリアショールーム」1階にあるエクステリアライトを集めたコーナー。周囲を暗くして、灯ったときのあかりのニュアンスをチェックすることもできます。

 昼間とはまったく違う夜の顔を生みだせるのが、エクステリアライトの面白さ。ショールームで体感したライティングテクニックをヒントにすれば、道行く人が思わず足を止めるような素敵なわが家がつくれそうです。

案内役

田中政幸さん

LIXIL エクステリア事業部 販売企画室所属。エクステリアに携わって25年というエキスパートだ。

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