お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

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バスチェアを贈る

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夏もいよいよ本番。今年はずいぶん暑くなると予想されているので、しっかり水分補給してからお風呂にはいってくださいね。さて、私がバスグッズを販売するようになってから10年以上が経ちました。この10年で変わったな、と思うものの一つに「贈り物にバスチェアを選ぶ」方が増えているということです。ちょっとしたお礼やお返しにタオルを選ぶことはあっても「バスチェアを贈る」ことはそれほど多くはありませんでした。

ちなみに、日本では当たり前のように風呂椅子に座って体を洗いますが世界では珍しいこと。ところが近年、海外でもこの日本式お風呂の作法が広がっているようなのです。やはり体を洗う時は落ち着いて丁寧に洗いたいと思うのは世界共通なのかな?と。あるいは、お風呂でゆっくりと過ごす方が増えてきたことや健康や美容のためのケアをする方が増えていることも関係あるのかもしれませんね。近いうち海外セレブの方が美容のために「バスチェアを使って○○している」とか言われたら、日本文化の逆輸入なんてことが起こるかもしれませんね。(あくまで妄想ですが・・・)

●新築祝いにバスチェアが人気の理由

家を建てたとき、これまで使っていた家具や家電を買い替える方が多いそうです。そうするとキッチンやお風呂廻りも新しいもので揃えたい気持ちになりますよね。バスチェアが新築祝いとして選ばれるようになった背景には、「お祝いに何がほしい?」と直接聞いてしまうリクエスト型プレゼントが増えていることもあると思います。洗濯機や冷蔵庫を友達にプレゼントしてもらうことは難しくても、鍋やバスチェアならいただく方もそれほど遠慮しなくておねだりできるのでしょう。

●プレゼントするなら高級アクリル製

家を建てた時は出費がかさみます。だから抑えることができる部分が抑えてしまいがち。 もしかするとバスチェアも自分で買ったならばお手軽なプラスチック製を選ぶのかもしれませんしかしプレゼントするならば「お祝いだからちょっと良いものを」という贈り手の気持ちがプラスされます。そこで人気なのがアクリル製バスチェアと洗面器のセット。

【ガラスのような透明感】

厳密にいえば「アクリル」はプラスチックのひとつの種類なのですが、プラスチックと聞いてイメージする軽さや手頃感とは全く違い、むしろガラスに近い透明感と重厚感があります。 厚み1cm程度で作られているものが多く、その厚みと重みで濡れた場所でも安定したすわり心地を実現しているのです。もちろん丈夫で割れにくいといった特徴もあります。

【キレイ、を保ち続けられるラクラクお手入れ】

アクリル製バスチェアといえば、一枚板で出来ているものが多く、余計なくぼみやヘコミがないため、お手入れがラク。近頃では座面の広さやチェアの高さが選べるように大きさの種類が増えてきているので、体が大きい方小さい方、足腰の弱い方など自分に合ったバスチェアを選べるようになりました。一般的には高さ27cm~30cmが多く、ユニットバスのシャンプー台が使いやすい位置にくるようになっています。

●贈るときに込める想い

こうして増えてきたプレゼントとしてのバスチェア。 バスグッズマニアとしてメディアにださせていただけるようになって、たくさんの方から「バスグッズを友達にプレゼントしたいんだけど。」という相談を受けることが増えました。「お風呂は毎日入るし、自分が使うだけじゃなく誰かに贈りたくなるものなんだ。」とあらためて、バスグッズについて考えた時、贈り手の想いをそこに込められたらいいな、と考えました。

そこで作ったのが「SHIPPOU(七宝)」

【柄に意味があります。】

七宝柄は同じ大きさの円を4分の1ずつ重ねて繋いでいく円形が永遠に連鎖し繋がるこの柄に、円満、調和、ご縁などの願いが込められた古くから日本に伝わる縁起の良い柄で、お風呂を通じてこのような気持ちを表現しました。 また、七宝柄を最大限に生かしつつバスルームとの調和性も考えた色合いにこだわりました。 さらにイス座面にある穴を無くしました。穴があるとお尻が痛いとのお客様からのお声があったことやデザインを損ねないためもあります。

なにより実は座面の穴なんですが水切りのために穴を開けているのだと考えられていましたが、使用感にそれほど意味がないことがわかりました。 素材にもこだわり、純度100%の高品質なアクリル板を採用しています。実際に生産現場を見なければと台湾へ行ってきました。(日本で販売されているアクリル製のバスチェアの多くが台湾で生産されています。)事前にサンプルなどを見てクオリティの高さから生産をお願いすることにした工場を見学する中で一番驚いたのは予想以上に職人技によって作られていること。バスチェアは形状がシンプルなので機械でバンバン大量生産しているのかと思いきやアクリルの透明度や品質維持のため一つ一つ丁寧に作られていたんです。 この工場で良かった!そう思えた瞬間でした。ご使用後はバスタブに引っ掛けておけば、床掃除の邪魔にならずにすむので、ぜひ試してみてください。

お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

松永 武さん

お風呂のソムリエ。温泉入浴指導員。バスリエ株式会社 代表取締役。一般社団法人HOT JAPAN 代表理事。2005年お風呂グッズの専門店開業。お風呂は洗う「場」ではなく「暮らす」空間として提唱しお風呂を通じて暮らしを豊かにするため「全人類!お風呂のソムリエ化計画」を遂行中。

また日本の風呂文化普及のため2015年一般社団法人HOT JAPAN設立。現在、日本独自の文化と言える「風呂」のユネスコ世界無形文化遺産登録を目指し活動中。

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