お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

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間違いだらけのサウナの入り方

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ケーロサウナ

僕は自宅のお風呂はもちろんですが実は無類のサウナ好き。国内はもちろん海外の温泉や温浴施設へ視察に行くよう心がけています。

とくにドイツは毎年訪れる場所です。

ドイツで有名なバーデンバーデンという町(日本で例えるなら草津温泉)のように○○バーデンという地名が多くバーデンの名が付く地名には温泉や温浴施設が多くあります。ドイツはサウナ先進国。大抵の温浴施設には様々な種類のサウナがあって、大きな施設では30種類くらいのサウナがあります。そしてサウナの設定温度も低温、中温、高温とバリエーションが豊富。お好みや目的に合わせたサウナが楽しめるのです。もちろん日本でもアロマ水を蒸発させて一気に発汗を促すロウリュウ(フィンランド語)もドイツではアウフグースと呼ばれ、至る所で楽しめます。

こうやって海外へ行くと日本との「サウナに関する入り方やマナーの違い」に驚かされることがあります。それらの「違い」についてお話していきましょう。

■サウナへ行く目的の「違い」■

日本人の多くは、お風呂の延長線でサウナを楽しむ方が多いと思われますが、ドイツや本場北欧では、サウナは赤ちゃんからお年寄りまで、気軽に楽しみながら入る、日本のお風呂のような身近な存在になっています。冬場は週1、2回、夏などはサマーハウス(避暑地の別荘など)のサウナに毎日のように入っているといいます。緑豊かで静かな湖畔に作られたログハウスのようなサウナ小屋から、裸のまま湖に飛び込み、カラダを冷やす、そんな写真や映像を目にした人も多いのではないでしょうか。

■入り方の「違い」■

足を温めることで発汗を促します。

最初に足浴するのがGOOD!

足を温めると血行が良くなり、血液が早くカラダの中を回るので、すぐに発汗を始めることができます。 つまり、カラダをサウナに順応できるようにするためのウォーミングアップをしておきましょう。

体が濡れた状態でサウナに入るのはNG!

日本のサウナの多くがお風呂場に併設されているため、お風呂に入って濡れたカラダのままサウナに入る人が多いようです。 熱いサウナ室の中では、発汗により体温調節をしているので、発汗しやすいようにはカラダは乾いた状態で入るほうがより効果が高いです。 また、カラダについた水滴がサウナのベンチを汚すことにもなります

サウナ室に入るといきなり上段に座るのはNG!

「頭寒足熱」が人間のカラダにとって心地良い状態。サウナ室の中の上部はかなり高温になっています。 そのため立ったまま、あるいはベンチに腰掛けていても、頭部が熱く、足元が冷えるという状態になりやすいです。カラダに均等に熱を与えるために、本来はベンチに横たわるのが正しい入り方。本場ヨーロッパのサウナには、ベンチに木の枕がついています。 しかし、日本の狭くて人口密度の高いサウナでは、横になると一人でかなりの面積を占有しそう。周りの人のひんしゅくを買わないためには、入るときになるべく頭を低くし、最初は下段のベンチに腰掛け、足はベンチに乗せるとよいでしょう。

■良いサウナを見分けるには■

正しいサウナの入り方サウナ施設に必要な最低条件とは・・・

1. 部屋の中でカラダを温められる環境がある。

2. 近くにカラダを冷やす環境がある。

3. 新鮮な空気、たとえば外気浴ができる。

4. カラダをゆっくり休めるところがある。

この4つの条件がそろって、はじめてサウナ浴と呼べるのです。

日本のサウナの多くは、室内が木製のベンチのひな壇になっていますが、そのベンチの下がすけているか、開いているものがいいです。板を張り込んでいるサウナはおすすめできません。 なぜなら、ベンチの下をおおってしまうことで、部屋がそれだけ狭くなり、室内の酸素の量が少なくなってしまうからです。ベンチの下も大切な酸素源なのです。酸欠状態のサウナの中で、さらに酸素の量を少なくしてしまうような構造はマイナスといえます。 サウナが好きな方、これからサウナに行ってみたいと思われる方、ぜひ参考になさってくださいね。

お風呂のソムリエ直伝!『バスリビング』

松永 武さん

お風呂のソムリエ。温泉入浴指導員。バスリエ株式会社 代表取締役。一般社団法人HOT JAPAN 代表理事。2005年お風呂グッズの専門店開業。お風呂は洗う「場」ではなく「暮らす」空間として提唱しお風呂を通じて暮らしを豊かにするため「全人類!お風呂のソムリエ化計画」を遂行中。

また日本の風呂文化普及のため2015年一般社団法人HOT JAPAN設立。現在、日本独自の文化と言える「風呂」のユネスコ世界無形文化遺産登録を目指し活動中。

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